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君子蘭の上手な管理方法と育て方・開花のコツ

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君子は、大きくて長い厚みのある葉の中に、すくっと太い茎を伸ばし、その先端に黄色い花芯のオレンジ色の花が集まって毬状に咲かせる、艶やかで豪華な花です。

」と名前に入っているので、だと思われがちですが、ではなくヒガンバナ科の植物で、春に花を咲かせてくれ、赤くなる実もつけます。
艶のある葉を一年中楽しむことができ、斑入りの葉のものもあります。

君子蘭は湿った岩場に自生している

君子は、南アフリカ原産の大きな花を咲かせる植物なので、日当たりが似合うイメージがありますが、湿り気のある岩場に自生していて、直射日光の当たらないところを好む植物です。
強い直射日光に当たると葉焼けして変色してしまうので、直射日光を避けて明るい日陰で管理します。

君子は古くから栽培されているように思われがちですが、日本に入ってきたのは明治時代に入ってからです。
君子の根っこは白くて、びっくりするほど太いのが特徴です。

本来の君子蘭と現在の君子蘭

君子とその仲間は、「クリビア属」に分類され、「君子」の和名がつけられた植物は「クリビア・ノビリス」ですが、現在、君子と呼ばれて、君子の名前で流通しているのは「クリビア・ミニアタ」になっています。

本来の君子「クリビア・ノビリス」は、花を下向きに咲かせますが、現在君子として流通している「クリビア・ミニアタ」は上~横向きに花を咲かせるので、「ウケザキクンシラン」の別名もありますが、「ウケザキクンシラン」の名前はほとんど使われていません。

「ノビリス」は「高貴」を意味する言葉なので、「君子」とつけられたと言われています。
「ミニアタ」は「朱色」を意味しています。

君子蘭を咲かせるには温度管理が重要

君子は、秋から冬にかけて、2ヶ月間10℃以下の気温に当たることで花芽が伸びてきます。
南アフリカ原産なので、霜に当たると枯れてしまうので、霜が降りる前に室内に取り込みますが、室内でも5~10℃で管理する必要があります。
あたたかすぎると花が咲かないか、花が咲いても茎が伸びなくなってしまいます。

11~1月の君子の置き場所は、気温の高くない明るい室内が適しています。
君子の花芽が伸びてくると、しっかり日に当てたほうがより花色が美しくなってくるので、花芽を確認したあとの2~3月は室内のできるだけ明るいところで管理しましょう。

花が咲き始めたら、明るい室内の日陰に移して管理します。
君子は10℃以下の涼しい場所で管理すると、長く花が楽しめます。
花が終わったら、10月に気温が下がり始めるまでは屋外の明るい日陰で管理するようにします。

君子蘭は日の当たる方に株が傾く

君子は日の当たる方向に株全体が傾いていく性質があります。
同じ方向を日当たりに向けていると、葉っぱのバランスが悪くなり、株全体が倒れ込んでしまいます。

葉が不格好になってしまわないように、毎週株の向きを替えるようにして、葉全体がバランスよく育って傾かないように管理します。

君子は葉が8枚以上つくと花を咲かせるので、しっかり葉を育てて花を咲かせるようにします。

君子蘭は水はけの良い土で乾燥気味に育てて

君子は非常に太い根と厚みのある葉っぱと茎を持つことから、体に水をためやすい多肉植物のような性質を持っています。
乾燥に強い半面、多湿に弱いので、水のやりすぎに十分注意してください。

表面の土がしっかり乾いてきたら、鉢底から流れ出るまで、株元からたっぷり水やりしますが、鉢皿に水をためないようにしましょう。
葉や茎の付け根のところに水が溜まっていると腐って枯れてしまうことがあるので、茎や葉の付け根に上から水をかけないようにし、かけてしまったときはタオルの端を当てたりして吸い出すようにします。

君子肥料は、開花時期の4~6月と、次の花芽をつけ始める前の9月に、緩効性化成肥料を株元にまき、春~秋にかけて、真夏をのぞいて10日ごとに液体肥料を水の代わりにあたえるようにしましょう。

君子蘭の植え替えと植え付け

君子は花後の5月ごろ、鉢の中が根でいっぱいになってきたら一回り大きな鉢に植え替えます。
できれば2年ごとに植え替えるようにしましょう。

君子は水はけの良い土を好むので、君子の専用土、または、赤玉土と軽石をブレンドした土がおすすめです。
これらの土に、バーミキュライトやパーライトをブレンドして排水性と水持ちを改良してもいいでしょう。

君子の根はデリケートなので、傷つけないよう注意し、傷んだ部分は取り除きますが、傷んでないのであれば、無理に土を落とさずそのままにして、新しい土を加えて植え替えることもできます。

君子の真っ赤になった実からは、種を採ることができ、この種を植えて君子を増やすことができますが、種から育てた株が花をつけるまでに5年ほどかかります。
種が乾燥すると発芽率が落ちてしまうので、3月まで採取せずに株につけたままにして、気温が20℃を超えるようになってきたら赤い果肉を割って種を取り出し、種まきします。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

君子蘭の葉の楽しみ方&植え替えと増やし方のコツは?

「君子」はという名前はついていますが、ラン科ではなくヒガンバナ科で南アフリカ原産です。
花ももちろん美しくて人気ですが、すっと伸びた光沢のある葉っぱも観葉植物として人気です。
花だけでなく、長く葉を楽しみながら育てることができます。

植え替えの方法や増やし方のコツについても詳しくご紹介したいと思います。

君子蘭の葉の楽しみ方について

花は3月、4月頃にオレンジや黄色などの花が咲きますが、葉は常緑で楽しむことができる多年草です。「君子」は、葉の付き方によって「高性広葉系」、「ダルマ系」、「斑入り系」と分かれています。

多くは「高性広葉系」が流通していて、花茎が長く伸びた育てやすいタイプで、葉っぱも広い葉が立つような感じで出るタイプのものが主流です。「ダルマ系」は花茎が短く、肉厚の葉が左右に開く特徴があります。「斑入り系」は、斑入りの葉が美しくて人気となっています。

この「君子」の美しい葉を楽しむには、よく光に当てることが大切です。光がまんべんなく葉に当たることで、全体的に葉の形が整った「君子」を育てることができておすすめです。葉のバランスが悪くなった場合には、光が当たる方向を変えるなどして、バランスよく育てるときれいな姿になるでしょう。

葉が広がりすぎないようにきれいに左右に伸びるように葉の両側に支えのようなものを立てるのも一つのコツです。

戸外で育てる?

「君子」は、室内で育てると日照不足や風通しが悪くなりますので、遮光をしながら戸外で育てるのが丈夫に育てるコツです。夏は特に葉焼けしないように、軒下のような所で遮光して育てるようにするといいでしょう。

また、花茎が伸びないといった問題の場合には、戸外の低温を経験させることが大切です。よく花が咲くためには低温期を経験しないとダメなどとも言われますよね。戸外で10度以下の気温に60日以上あうことで、「君子」は花茎を伸ばしていきます。ただし、元々花茎が短い「ダルマ系」の場合には短い花茎でも花が咲きますので、短くても大丈夫です。

「君子」を育てる場合には、このように通常、戸外で育て、光を気に掛けて育てるのがポイントです。

君子蘭の植え替えは?

多年草の「君子」を育てていくと、植え替えも2年に1度程度は必要になってきます。根が鉢からはみ出ているような状況の場合には植え替えましょう。その際、花が終わったらすぐに4月・5月頃にやるのがおすすめです。7月~9月は、花芽形成の時期でもあり、夏になってしまうと、気温が高くなり、植え替えには向かなくなりますので注意しましょう。

花が終わった花茎を根元から切って植え替えを行います。また、植え替えを行う1週間前から水を控えて根を柔らかくしておくと植え替えやすくなります。根が茶色くなっている場合は根が傷んでいるので切り取りましょう。ただ、根が長くなっているからといって切らないのがコツです。

植え替えの際には、一回り大きな鉢に植え替えますが、鉢底石を敷き詰めて、根を巻き込むようにしながら植えこんでいくといいでしょう。

君子蘭の増やし方は?

「君子」を増やしたいと思った場合には、株分けによる増やし方ができます。多年草ですので、そのうち大株になって小株を付けるようになります。それを株分けするのが簡単に増やす方法です。植え替えと同じ4月・5月頃が最適な時期でおすすめです。

また、株分けの前も水を控えるようにし、根を傷つけないように柔らかくするのがコツです。そして、ナイフやハサミで株元から切り離して分けます。株分けのポイントは、子株に根が3本以上は必ず付いているようにすることが大切です。

株分けをした際に、切り口にチオファネートメチル剤などの殺菌剤を塗っておくと、いいでしょう。株分けしたら、親株も子株も2週間程度は日陰で育てます。こうすることで、簡単に「君子」を増やしていくことができます。

高温多湿の時期の病気に注意

「君子」の育て方としては、水はけのいい土に育てるのがポイントで、高温多湿の時期は病害虫などが発生しやすくなりますので注意をしましょう。軟腐病、白絹病、炭そ病などほとんど高温多湿で病気にかかりやすくなります。

また、ナメクジ、コナカイガラムシにも注意をしましょう。

君子蘭の花や葉を楽しみながら増やしてみませんか

「君子」は、葉も楽しんでいる人が多くいます。葉をきれいな形に整えながら育ててみるのもいいでしょう。斑入りの葉にも人気があります。「君子」は花と葉で年中楽しめますので、鉢でたくさん増やしてみませんか。光や寒さの調節をしながら、花もしっかり咲かせてみましょう。

「君子」は、あまり流通していませんが、花も華やかで葉っぱもきれいで、人気です。たくさん増やして人にプレゼントするのもいいでしょう。育て方や増やし方を習得して一年中楽しんでみてはいかがでしょうか。

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