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ハーブの女王ヨモギの魅力を知る

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ヨモギは日本全国の河原や野原など、どこにでも生えているキク科の多年草です。
「ハーブの女王」「ハーブの母」などと呼ばれていて、古くから身近な薬草として用いられてきました。
道端などに生えているの葉っぱによく似た、葉裏に白い綿毛が生えている雑草がヨモギです。
近年、「ヨモギ」と言うと、草餅やよもぎ餅の緑色の素ぐらいの印象しかなくなってきていますが、韓国から「よもぎ蒸し」が上陸してきたこともあって、ヨモギについて見直されはじめています。
漢方薬などを扱っている店舗で乾燥ヨモギを買ってくることもできますが、フレッシュなヨモギがどこででも簡単に手に入るので、ヨモギ摘みにチャレンジして、生活にヨモギを取り入れてみましょう。

ヨモギ摘みをするときに注意すること

ヨモギの葉は、のような切れ込みが入った葉っぱですが、葉先が尖っていて、のような丸みのない、シャープな印象の葉を持っています。
また、葉裏に白い綿毛がついていることが、ヨモギの最大の特徴です。

しかし、ヨモギは、若芽のときは白い綿毛が少ないこともあって、「綿毛がないからヨモギじゃない??」と不安になるかもしれません。
不安なときは同じ株の下の方に、昨年から冬越しした葉もついているので、下の方の葉にしっかり綿毛がついているのを確認しましょう。

また、若芽のときは香りが最も強くなるので、必ず香りを確認しましょう。
葉をもんでみて、匂いをかいで、草餅の匂いがしたらヨモギ、そうでないなら違うもの、という見分け方がポイントです。

食用のヨモギは春の若芽、モグサは初夏の葉

ヨモギは春先の新芽が最も香りが強く、柔らかくみずみずしいので食べやすくなります。
食用のヨモギは、3〜5月に、株の先端を15〜20cm摘んで、簡単に切り取れるものだけを利用します。
切り取りにくいものは、先端のものであっても繊維が多くて食べにくいので、食用の場合は用いないようにしましょう。

モグサとして使う場合は、白い綿毛がしっかり育ってからのほうがいいので、6~7月に茎ごと刈り込むようにします。

食用のヨモギはアク抜きして

フレッシュなヨモギを保存する場合、ジッパー付き袋に入れて冷蔵庫で保存できますが、生のままのものは2日程度しか保存できません。
ヨモギが手に入ったら、なるべく早く使い切りますが、長期に保存する場合は、冷凍するか乾燥させます。

ヨモギはアクが強いので、予め下茹でしてから料理に使います。
塩と重曹を少量加えた沸騰しているお湯で2分程度さっとゆで、冷水に20分ほどさらしてアク抜きします。

春先の新芽は、アクも少ないので、重曹は入れずに茹でて、冷水にもさっと入れるだけにして、粗熱を取ったらすぐ取り出し、水気を絞るようにします。

下茹でしたら、すぐ食べることもできますが、すぐに食べない場合は、冷凍保存しておき、自然解凍したものを料理に使うようにします。

冷凍ヨモギ・ヨモギペーストの作り方

ヨモギを長期保存する場合、下茹でしてアク抜きしたヨモギを、冷凍保存します。
おひたしや和え物などに使うものは、下茹でしてアク抜きしたヨモギを切らずに冷凍して、「冷凍ヨモギ」にします。
よもぎ餅やソースとして使う分は、1回の使用量も少ないので、下茹でしてアク抜きしたヨモギをペースト状にしたものを冷凍する「冷凍ヨモギペースト」にします。

ヨモギペーストを作る場合、下茹でしてアク抜きしたヨモギをフードプロセッサーでペースト状にしますが、大きな繊維が残っていたら取り除いてから冷凍しましょう。
ミキサーでペースト状にする場合は水を足して回しやすくします。
すり鉢ですりおろしてペースト状にしても構いません。

よもぎ餅を作るときは、蒸し上がったもち米をつきはじめるときに、ヨモギペーストを少量加えます。
ヨモギペーストを入れすぎても食べられなくなることはありませんが、緑色がかなり濃いよもぎ餅になります。

乾燥ヨモギの作り方

ヨモギの葉をきれいに洗って、ゴミや汚れを取り除いて、水気を切ります。
5〜10分ヨモギを蒸したら、冷水にさらし、ザルにとって水切りします。
風通しの良いところで広げて天日干しにして、ヨモギを乾燥させます。
2〜3日でしっかり乾いてくるので、「乾燥ヨモギ」の出来上がりです。
乾燥剤を入れた密封容器で保存します。

乾燥ヨモギを作っておくと、ハーブティーとして「よもぎ茶」を飲んだり、だしパックなどに入れてお風呂に入れてハーブバスにしたり、いつでもヨモギを楽しむことができます。

モグサの作り方

お灸で線香の火をつけて燃やす、茶色いふわふわしたモグサは、ヨモギから作られています。
モグサを作るのに最適なヨモギの摘み頃は、6〜7月の初夏で、葉が大きくなった頃に、茎ごと刈り取って、束ねて逆さまにして吊るして風通しの良いところで乾かします。
2〜4日干してしっかりドライフラワーになったら、葉だけを摘み取り、110℃に設定したホットプレートで2時間ほど焦げないようにしっかりと乾煎りします。

煎ったヨモギの葉をすり鉢に入れて、ふわふわとしたモグサ状になるまでしっかり擦り続け、最後にふるいにかけて不純物を取り除いたらモグサが出来上がります。

アレルギーを起こしやすいブタクサと間違えないために

ブタクサは、ヨモギと同じキク科で、葉っぱを見ただけではヨモギと区別がつきにくい、とてもよく似た雑草です。
成長とともに、似たような草丈になり、花が咲く時期も似ています。

ブタクサは葉をもんでも、草餅の匂いはしません。
葉裏に白い綿毛もありません。
間違えてよもぎ餅ならぬブタクサ餅を作ってしまうこともあるようですが、アレルギーを起こしやすい点を除くと、大きな毒性はないのが救いです。
とはいえ、間違って食べないにこしたことはないので、必ずよく確認しましょう。

毒草トリカブトと間違えないために

トリカブトは葉裏に白い綿毛がなく、葉に光沢があります。
ヨモギは葉に光沢がないので、ピカピカした葉っぱの場合は摘むのはやめましょう。

成長してくると葉っぱも全く似ていないのですが、若芽のときは区別がつくにくくなっています。
春先にどうしても迷うのであれば、花が咲くまで待ってみて、地味な茶色い花が咲くならヨモギ、きれいな紫の花が咲くならトリカブトなので、その場所で採取していいのか悪いのかよくわかります。
トリカブトの花は紫の他に白・?・ピンク色のものもありますが、いずれもきれいで、ヨモギのように花とも言えないような地味なものではありません。

トリカブトヨモギと違って山間の沢など、ジメジメしたところに生え、ヨモギの生えるような日当たりの良い野原や道端に生えていることはないので、採取場所を間違えなければニアミスすることはまずないでしょう。

しかし、トリカブトは猛毒を持っているので、間違って食べると命に関わります。
山菜摘みなどでは、おかしいなと思ったら絶対に口にしないことが大切です。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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