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一汁一菜の意味・使い方

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意味

主食、汁物、惣菜一品の食事のこと。
おかずが一品だけの質素な食事のこと。

由来

古来日本人の食生活は現代人からすると質素なものですが、非常に健康的な食事でした。主食として食べられていた玄米は実は「完全食」でこれだけ食べていればほとんどの栄養素を摂取できるというスーパーフードだったのです。これに少し足りない大豆タンパク質と塩分を味噌汁から取ることで他に何も必要としない献立となっていました。つまり玄米と味噌汁だけで生活していくには事足りていたのです。これにおかずを一品つけた状態を一汁一菜と言います。

もともとは質素な食事そのものを指していました。江戸時代には各藩の政治家たちがひっ迫した財政を立て直すために家臣や領民たちに「一汁一菜」をすすめたり、「おかず禁止」などを行っていたのです。現在のような健康志向ではなく贅沢を防ぐための言葉だったのです。

昔の日本人が現在生活習慣病と呼ばれるような病気(糖尿病、肥満、高血圧など)にかからず、健康的に生活していたのはこういった食生活が影響していると考えられています。そしてこの考え方は最近世界に広がってきています。

一汁一菜の広がり

現在禅僧などが一汁一菜の生活をしていますが、禅僧たちは病気になるどころか非常に健康体で平均寿命も長いとされています。
これは現代人にありがちな「食べ過ぎ」を防いでいるからだと言われています。現代人は一日に消費するカロリーよりも摂取カロリーの方が多いとされています。欧米化した食生活は肉や卵、スナック菓子、ファストフードなどカロリーが多すぎるのです。そこでこの一汁一菜の献立が世界的に注目を浴びています。特に肥満が深刻な問題となっている欧米では日本食はブームになっています。特に肥満、高血圧、高脂血症が多いアメリカでは日本の食習慣を参考にするべきであると報告書が提出されています。

意味の変遷

農林水産省は現在一汁一菜を現代風にした一汁三菜を提唱しています。これは主食、汁物、おかず三品であり、そのおかずも肉などの動物性タンパク質に偏り過ぎることなく、油ものが集中するのは避けるべきであるとされています。もし主食を玄米にするのであれば、一汁一菜でも十分かもしれません。

ちなみに一汁三菜の考え方は本膳料理や懐石料理に残されています。懐石料理では、向付(刺身など)、煮物、焼き物の三菜に、ご飯、汁物、漬物の三点が出されるようになっています。

使用法、使用例

「おい、なんか質素な食事だな。もっとおかずとか出してくれよ」
「一汁一菜が体には一番良いんだよ。健康第一だろ!」
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