小物

自宅でもできるガラス細工5選!

関連キーワード

あなたにもできるガラス細工

江戸切子、肥前ビードロ、琉球ガラス、ステンドグラス、トンボ玉…日本の誇るべき伝統工芸に始まり、西洋の美しい芸術品に至るまで、ガラスを用いた装飾は私たちの生活と密接なものです。
美術品だけではない様々な装飾が施された日用品は、私たちの目を潤してくれます。
そんなガラス細工にも多くの種類があります。その中でも自宅でできるガラス細工をご紹介します。

種類別にみるガラス細工

ガラス細工は熱を与えて形を変える『ホットワーク』、常温でガラスを扱う『コールドワーク』の2つに大別されます。

ホットワーク
ガラスフュージング/キルンアート

キルンアートとはキルン(窯)の中に陶器やガラスを入れて熱を与える技法です。特にガラスに熱を加えて加工するものをガラスフュージングと言います。キルンの大きさにもよりますがガラスフュージングでは箸置きやコースター、アクセサリーに使えるパーツなどが作れます。
電気炉で行う場合と電子レンジ用のキルンを使う2つの方法があります。

電気炉:大きいものだと10〜20万円以上します。温度を調整できるものも多く、ガラスだけではなくシルバーアクセサリーや陶器を作る際にも使えます。併用する予定があり予算に余裕があれば大きいものを購入してもいいですね。簡易的な小さいものであれば15000円ほどで購入できます。加熱しながら加工できます。

電子レンジ用キルン:本来電気炉などの窯が必要でしたが近年は電子レンジ専用の小型のキルンが開発されました。ヨーロッパやアメリカを中心に広がっており、日本にも「アートボックス」「小型炉」「5えもん(ゴエモン)」として徐々に流通しています。値段も大きさによって6000〜16000円と選択できます。
方法は小型炉にファイバーペーパーやセパレートペーパーを敷き、その上にガラスを乗せます。そのまま載せてしまうとガラスが本体にくっついてしまうので事前に必要な道具をきちんと把握しておきましょう。小型炉の中の温度は900℃まで上昇するので時間を置いてから取り出します。ガラスを組み合わせる場合は専用の接着剤を使います。キルン専用のモールドの上にガラスを置いて形作ることもできます。

バーナーワーク

バーナーワークはランプワーク、フレームワークとも呼ばれ、欧米ではランプワークの呼称の方が主流です。日本では『バーナーワーク』が浸透していますので、本項でもバーナーワークで統一します。
バーナーの炎によってガラスを融かして成形します。ガラスの質によってエアーバーナー、酸素バーナーのどちらかが必要になります。

エアーバーナー:軟質のガラスはエアーバーナーを使用します。酸素バーナーに比べて必要なのはガスの供給だけで作業ができます。エアーバーナー専用のキットは50000円ほどで販売されていますので比較的手軽に始められます。人気のとんぼ玉もエアーバーナーで作ることができます。

酸素バーナー:酸素バーナーには酸素の供給が必要なのでその分費用が掛かります。酸素を送り込むことで火力がさらに強くなり、硬質のガラスを融かすことができます。酸素ボンベか酸素発生機のどちらかが必要になります。趣味で始めるのであればエアーバーナーの方がコスト的には現実的でしょう。

コールドワークの主な技法

コールドワークは基本的にガラスを溶かさず加工する技術全般を言います。

ガラスエングレービング

ガラスの表面にルーター(電動彫字機、リューターとも呼ばれる)で小さい傷をつけて模様をつけていく技法です。傷の量や削るガラスの深さによってデザインの濃淡をつけます。ルーターは100円均一でも手に入るので手軽に始められます。ガラスを下絵の上に置いてグレーピングを施しますが、いきなり削るのが不安な場合は油性ペンで下描きを施すこともできます。デザインが出来上がったら除光液や消毒液できれいにふき取ります。食器の場合は使用前に食器用洗剤できれいに洗いあげましょう。

グラスリッツェン(ダイアモンドポイント彫)

ガラスエングレービングが電動のツールを使うのに対し、ガラスリッツェンはビットホルダー( ダマートペン)と呼ばれるペン状のツールで手動で彫り進めていきます。ルーターの振動に影響を受けないので繊細で細い真直ぐなラインが引けます。コンセントなしでも使えるので場所を選びません。一方で細い線を手動で彫っていくので、エングレービングに比べて時間がかなりかかります。

ガラスエッチング

ガラスエングレーピングとガラス表面の質感はそっくりですが、エッチングは薬剤でグラスの表面を腐食させます。マスキングを施した部分は薬剤がつかないのでガラス本来の透明感が残ります。
基本的に必要なのはマスキングするテープと表面につけるエッチングクリームだけですのでガラス細工の中では一番コストパフォーマンスが良く、高度な技術もいりません。専用のマスキングテープや、ペンも販売されています。

ステンドグラス

色や形の違うガラスのパーツをつなぎ合わせて模様をつくるステンドグラス。
はんだごてを使いますが、ガラスに熱を加えるわけではないのでコールドワークに分類されています。作り方は意外に簡単です。
ガラスを切って、はんだでつなぎ合わせるだけ。ガラスをカットするはさみや半田ごでなど少し特殊な道具は必要になりますが、キットなども販売されていますので始めやすいガラス細工の一つです。

おわりに

改めてみるとガラス細工にもいろいろな方法がありました。
意外に手軽なものもあるので挑戦してみたくなりますね。市販のものを見て、ここがこうだったらいいのに…という思いをしたことがあるあなた。
挑戦してみると、きっとかゆいところに手が届くでしょう!

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ