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ビギナーさん必見!トンボ玉を作るのに知っておきたい5つのこと。

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美しいとんぼ玉、人の手で作ったとは思えない作品の数々に目が奪われてしまいます。
ガラスを融かすほどの高温を扱ったり、特別な薬品(に見える)や作業手順の細かさでなかなか手を出せない人もいるかもしれません。ビギナーさん向けのセットも販売されているので、実は簡単に始められるガラス細工の一つです。

今回は今から始めるビギナーさんに向けて、そろえるべき道具ととんぼ玉を作るのに知っておきたい5つのことをご紹介します。

まずはそろえるべき道具から見ていきましょう。

トーチバーナー:ボンベを交換して使うものです。バーナーの種類は色々ありますが、ビギナーさんにはトーチバーナーが一番手軽でしょう。安価であることやガス栓を必要としないので場所を選びません。トーチ用ボンベの使用時間は一般的には1時間半〜2時間なので買い足す必要があります。
ある程度ガラスを扱えるようになってから、エアーバーナーなどを検討してもよいでしょう。

スタンド:トーチバーナーを固定するときに使います。

徐冷剤:徐々に冷やすと書いて『徐冷材』。急激な温度変化はガラスの破損につながるので、ゆっくりとんぼ玉を冷やすために使います。わら灰や『カルライト』『パーミキュライト』が使われています。

大きめの缶:除冷材を入れるために使います。

離型剤:ガラスと芯棒がくっつくのを防ぐために使います。手作りするクリエイターさんも多いですが、市販されているものを最初は使いましょう。

ペンチ:とんぼ玉を芯棒から外すときに使います。

ガラス棒:ガラスロッドとも呼ばれます。スタンダードなのは鉛ガラス(クリスタルガラス)とソーダガラスの二種類です。鉛ガラスは融かしやすく透明度が高いのでとんぼ玉を作るのによく使われています。鉛による環境問題や健康問題が懸念されているものの、ガラスの扱いやすさから初心者には易しい性質のロッドです。一方、ソーダガラスはすぐに硬くなりやすいので手早く作業する必要があります。硬く軽い特性からアクセサリーによく使われます。とんぼ玉にデザインを付けるときなどはソーダガラスの方が細かく鮮やかな色の表現ができるでしょう。

ピンセット:細かいガラスの破片などをつまみます。

やすり:ガラスのバリをとるときに使います。

ビギナーさんが知っておきたい5つのこと

1.安全対策を!
ガラス棒は600℃もの高温で融け始めます。急激な温度変化によってガラスが飛び散ったり、融けたガラスがぽたりと落ちたときの安全対策は万全にしておきましょう。作業台の断熱カバーや、目を保護するためのゴーグル、体を護るためのエプロンなどです。準備をしておけば万が一のことに気を取られることもなく作業に集中できます。

2.作業の全体の流れをイメージしておく!
いきなりガラス棒をバーナーで溶かして始められるわけではありません。芯棒に離型剤をあらかじめ付けたり、冷ましたり…。ガラスが熱いうちに済ませたい作業などがあります。曖昧なまま作り始めたり、動画を見て手順を確認しながら作り始めると危険です。工程を把握して、イメージしてから作業に入りましょう。

3.離型材を正しくつける
芯棒にそのままガラスを巻き付けると取り外すことができないので、離型剤を芯棒に付ける作業はとても重要です。正しく離型剤を付けないと期待通りの結果すら得られないのでガラスをすぐに融かしたい気持ちをぐっと抑えてこの作業を丁寧に行いましょう。
まずはボトルを振って離型剤をまんべんなく混ぜます。離型剤が分離したままだと粒子が均等に芯棒に付着しません。離型剤は自然乾燥させる方法とバーナーの火であぶって水分を飛ばす方法があります。どちらも離型剤がほかのものに触れないように垂直に立てておきましょう。
新品の芯棒は離型剤が付きにくい場合があるので、バーナーの火で芯棒が赤くなるまで一度熱して使うとよいでしょう。こうすることで表面の油分などを飛ばすことができます。熱いままだと危険なので水に浸けて熱を冷まします。離型剤をつける前にはきちんと水分をふき取ります。

4.ガラス棒は徐々に融かす
ガラス棒をいきなり火の中心にどーんと置くと急な加熱でガラス棒が割れてしまうことがあります。ガラスの破片が飛んでくることもあるので注意しましょう。棒の先端から少しづつ火に近づけて予熱します。徐々に火に入れてガラスが赤く色づくのを待ちます。融けたガラスが落ちないようにガラス棒をくるくると指を使って回します。

5.種類やブランドの違うガラス棒を混ぜると割れる
ガラスのブランドやガラスの種類によってそれぞれ膨張率が違います。膨張率の違うガラス棒を混ぜると、冷めた後にガラスが割れてしまうので注意しましょう。例えば同じソーダガラスでも佐竹・キナリの商品の膨張率は115前後であるのに対し、ブルズアイ社は90です。
この膨張率が違うと、元の大きさに戻ったときのそれぞれのガラスの大きさが違ってきます。元に戻ったガラスの大きさがそれぞれ違うので冷めると割れてしまう、というわけです。
しかし、全部に当てはまるわけではなく、中には相性の良いものや技術によってうまく混ぜて使うこともできます。このことを念頭においておくと、成功率が上がります。.

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
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