ことわざ

暖簾に腕押しの意味・使い方

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意味

何の張り合いも手ごたえもない様子。

由来

「暖簾」は料理店や風呂屋の入り口にかけられているヒラヒラとした布のことです。よく店名などが記されています。

「腕押し」には二つの意味があります。一つはそのまま手で押すということです。こちらの意味でとると、暖簾を力を込めて手や腕で押しても何の手ごたえもなくヒラヒラしているために「手ごたえがない」となったと考えられています。

もう一つの意味は「腕相撲をする」という意味です。これは暖簾と腕相撲をしても何の意味もないというようにとらえることができます。どちらの意味にしてもそれほど由来は変わりません。もちろん実際に暖簾を必死に力づくで押したり、暖簾と腕相撲をすることはありません。あくまでもたとえ話だと考えられます。

英語表現では、
He catches the wind with a net.
(網で風を捕える)
All is lost that is given to a fool.
(悪人に与えられるものは皆むだになる)
It is like beating the air.
(空気を叩くようだ)
といようにどれも「意味がない」という意味で使用されています。

よく似た意味のことわざ

暖簾に腕押しはとにかく類似した意味のことわざが多いことでも有名です。
「糠に釘」・・・漬物をつける糠に釘を打ち込んでも手ごたえがないということ。
「泥に杭」・・・ドロドロした泥に杭を打ち込んでも意味がないということ。
「豆腐に鎹」・・・鎹(かすがい)とは木と木をつなぎとめるための釘のようなものです。これを豆腐に打ち込んでも意味がないということです。
どれも「やっても意味がない」「手ごたえがない」という意味で使用されています。

意味の変遷

現在でも同じ意味で使用されています。「あいつには何を言っても暖簾に腕押しだよ」というように、何か言ったり行動したりしても「反応がない」「意味がない」というように使用されています。
そのため否定的な意味で使われることが多く、肯定的な意味で使用されることはほとんどありません。これは相手がそもそも「やる気がない」「どうなってもいいと思っている」という状態が原因となって起こっています。
また、このことわざを使用する方からしても「相手が反応しない」ことから怒りを覚えたり、諦めて見放したりしてしまうというようになりがちです。もし誰かに「暖簾に腕押しだ」と言われたら少し対応を考えたほうが良いでしょう。

使用法、使用例

「だめだ。何度注意しても聞きやしない。まったく反応がないんだ」
「あいつには何を言っても暖簾に腕押しだな」
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