ことわざ

猫の手も借りたいの意味・使い方

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意味

非常に忙しいので、だれでも良いから手伝ってほしいということ。
とにかく多忙で人手不足なことを嘆いたり喜んだりしていること。

由来

忙しすぎて誰かの助けがほしいと思ったときにだれもおらず、近くにいたペットでも良いから手伝ってほしいというような状況のことを指します。もちろん大きな力になってくれるものが助けてくれれば一番良いのですが、この場合は対して役に立たない猫を選んでいることがポイントとなっています。
昔から犬は人間とともに仕事をしたり、人間に対して従順ということもあるので「犬の手」だと意外と役に立ってしまうことが想像されたのかもしれません。猫は元々人間に対して従順な生き物ではなく、自分勝手に行動する動物です。実際に猫が居たところで何の手助けにもならないでしょう。そういった動物の手ですら借りたいというところに多忙すぎて困っている様子が表れています。

英語表現では、
Farmers are very busy and short‐handed at harvest‐time.
(収穫期の農家は猫の手も借りたいほど忙しい.)
とあって、とにかく忙しくて人手が足りないことを表しています。

二つの意味合い

「とにかく多忙」であることは変わりませんが意味合いとしては二つの意味合いがあります。一つは「単純に忙しすぎて手が足りずに困っている」というものです。多く使用されている使い方で、人手が足りなくて困っているから誰かに手伝ってほしい、という意味合いになります。

もう一つは「店が繁盛して人手が足りないと感じるほどうれしい」というものです。これは人手が足りないことは同じですが、困っているというよりも、儲かって忙しいという方を強調している意味合いになります。それぞれの使い方で意味が変わってきますので注意しておきましょう。

意味の変遷

現在は忙しくて人手が足りずに困っている、喜んでいるのどちらの意味でも使用されています。
ただし、忙しいから手伝ってほしいということを相手に伝えるときには使用してはいけません。「猫の手も借りたいくらい忙しいから手伝え」というと「能力的にはまったく信頼できないが誰でも良いから手伝ってほしい」という意味になってしまいます。これは助けを頼むにしては非常に失礼な言い回しになってしまうために、言われた方は気分を悪くする可能性があります。

使用法、使用例

「先月オープンさせた店が忙しくってさ。猫の手も借りたいくらいだよ」
「それは良かったじゃないか。バイトをもっと雇えばいいんじゃないか?」
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