ガーデニング

コロコロかわいい黄色い花が咲くミモザの魅力と育て方

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ミモザ」というと、黄色いまんまるの綿毛のような小さな花を、春になると枝先を覆い尽くすように咲かせる木を思い浮かべますが、「ミモザ」というのは実は、「オジギソウ」の学名です。

では、あの黄色いまんまるの花を咲かせる木は何なのか?というと、「銀葉(ギンヨウ)アカシア」「房(フサ)アカシア」などのアカシア属の花木です。
ギンヨウアカシアのほうが、フサアカシアより若干小さめに育ちますが、どちらもすぐに10mを超すような高木に育ちます。

アカシアがどうしてミモザになったのか

アカシアの仲間は南半球の熱帯~亜熱帯にかけて広く分布していて、1200種類もあります。
「ギンヨウアカシア」「フサアカシア」は、オーストラリア原産です。

明治末期に、「ギンヨウアカシア」や「フサアカシア」が入ってきましたが、それ以前の明治のはじめに、北米原産の「ハリエンジュ」が「ニセアカシア」として入ってきていて、「アカシア」と呼ばれていました。
区別するために「ギンヨウアカシア」「フサアカシア」を「ミモザアカシア」と呼ぶようになりました。

ニセアカシアもアカシアと同じくマメ科ですが、大きくなると25mにも育つ大木で、香りの強い白い花を咲かせます。
「アカシアの蜂蜜」として販売されている蜂蜜の多くは、アカシアではなくニセアカシアの白い花から取られた蜜です。

アカシアの葉っぱは、オジギソウの葉っぱに似ていて、オジギソウの花色はピンクで、ミモザも同じようなポンポン咲きなので、イギリスで間違ってフサアカシアの花を「ミモザ」と呼んだことから、そのまま日本でも、ギンヨウアカシアもフサアカシアもまとめてミモザと呼ばれるようになったようです。

ギンヨウアカシアとフサアカシア

ミモザは3~4月上旬の、春先に開花します。
街路樹として植えられているミモザは非常に背が高く、見上げたところに、やや枝垂れしながら丸いコロコロとした可愛らしい黄色い花をびっしりと咲かせます。

フサアカシアの花は甘い香りがしますが、ギンヨウアカシアの花には香りはありません。
ミモザの花は、アレルギーを起こすことがあるので、アレルギー体質の方は身近に植える前に確認しておきましょう。

ミモザは高木に育ちますが、フサアカシアよりも、ギンヨウアカシアのほうが若干小さめに育つので、庭木にしたり、シンボルツリーとする場合は、ギンヨウアカシアの方に人気があります。

ミモザの葉は羽のように、小さな葉が左右にぎっしり並んだ葉をしていますが、ギンヨウアカシアは、葉が名前の通り白っぽい美しい銀葉になっています。

ミモザは植え替えを嫌うから

ミモザの植え替え・植え付けの適期は4~9月です。
庭植えにしたミモザは、植え替えを嫌うので、成長後のことをよく考えて、植え場所を決めるようにしましょう。
ミモザは寒さにそれほど強くはないため、-5℃を下回ると枯れることがあります。
寒冷地では庭植えにせず、鉢植えで育てて、冬季は室内に置場所を変えるようにしましょう。
屋外栽培の場合、冬の寒風でも枯れることがあります。

オーストラリア原産のミモザは乾燥にとても強いので、庭植えにした場合、根付いた後は乾燥がひどいとき以外は水やりする必要はありません。
ミモザは乾燥気味の状態を好みますが、植え付け後1年位はまだデリケートな状態が続くので、乾燥が激しいときは水やりしましょう。

日当たりが悪いと花をあまり咲かせなくなるので、日当たりの良い場所に、水はけの良い土で植え付けましょう。
ミモザは枝が細いため、強風で枝がぽきぽき折れてしまうことがあります。
あまり強い風の通り道に植えないようにしましょう。

ミモザ鉢植えでも育てられますが、根をよく広げて伸ばすので、毎年植え替えが必要です。
根をいじると枯れることがあるので、なるべく土を落とさないまま、一回り大きな鉢に植え替えるようにします。

ミモザの花をたくさん咲かせるには

ミモザはマメ科の植物なので、窒素分を含む肥料は必要としません。
やせ地でもよく育ちますが、逆に、肥料を与えすぎると生育が悪くなります。

ミモザは8月以降に花芽ができるので、花が咲き終わってから7月までの間に長く伸びた枝や、混み合った枝を剪定します。
花後にバッサリ剪定していくことで、ともすれば大木に育ちやすいミモザの成長も抑えられます。

幹から伸びた枝を10cmくらいまでの長さで切り詰めることで、しっかりとした丈夫な樹形に仕上がります。

ミモザに花後、種がついたら

ミモザの実ははじめ緑色ですが、段々と茶色くなってきて、中に種ができてきます。
9~10月頃、茶色くなったさやから種を取り出して、すぐに植え付けます。

取れた種を冷蔵庫に保存しておき、4月ごろに種まきすることもできますが、秋と同じように種まきしてもミモザは芽を出しません。
ミモザは種を取り置きすると、種が休眠状態になってしまい、そのままではまいても発芽しにくくなってしまうからです。
ミモザの種を取り置く場合は、ジッパー付き袋に入れて冷蔵庫に保存し、種をまく前に70℃前後のお湯に15分ほどつけた後、水に入れて1~2日経ってから種まきします。

ミモザの種まきは、水でよく湿らせた種まき用土に指で1cmほど穴を開け、種を入れたら上から土をかぶせて元に戻します。
発芽するまでは水を入れた鉢皿にポットをおいて、水切れしないようにします。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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