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紫陽花の鉢植えを長く育てるには

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紫陽花は、母の日の頃に開花し、梅雨でも花痛みしないことから、母の日の贈り物としても人気があります。

紫陽花は、かつて、彼岸花曼珠沙華)とともに、死に直結した花「忌み花」とされていたため、鑑賞対象ではありませんでしたが、現在では梅雨空を吹き飛ばす美しい花として愛でられています。

紫陽花は日本原産の植物なので、地植えにすると、根付いた後は水やりすら必要ないほど育てやすい植物ですが、鉢植えで育てる場合は、長く育てていくのが難しい植物です。

紫陽花を枯らさずに鉢植えで上手に管理するコツをご紹介していきましょう。

紫陽花の鉢植えはすぐ植え替えて

紫陽花鉢植えが手に入ったら、最初に行うのは、植え替えです。
紫陽花は根を大きく広げる植物ですが、花つきが良くなるように、小さめの植木鉢に植えられて流通しています。
鉢が小さいために、根詰まりしかかっている上、水切れしやすくなって根にダメージを与えやすくなっています。
紫陽花が鉢ごとすっぽり入る大きさで、深さがプラスされるような鉢を用意しましょう。

鉢底石を新しい鉢の底に1~2cm入れたら、小粒~中粒の赤玉土を5cmほど入れ、紫陽花の鉢を外したものを入れ、周りに赤玉土を入れたら緩効性化成肥料をひとつかみ株元にまいておきます。
鉢の上の方は、3cmほど空間(ウォータースペース)を開けて水を入れやすくします。
土を入れたら、鉢底から流れ出る水が濁らなくなるまでタップリと水やりしましょう。
水は、鉢皿にためてはいけません。

植え替えに使う土は、赤玉土単用ではなく、培養土を3割ほどブレンドしたものを用いることもできますが、赤玉土単用にしたほうが、コバエなどが発生しにくくなります。
最初に大きめの鉢に植え替えるとき、鉢を外したら根をいじらないで、そのまま植え替えるのが、はじめてでも失敗しないコツです。

紫陽花は明るい窓辺で水切れしないように管理して

紫陽花は、日陰でもよく育つ植物ですが、それは屋外栽培のケースです。
室内の日当たりの良くない場所は、紫陽花には暗すぎます。
日当たりの良い明るい窓辺か、風通しの良いベランダで育てるようにしましょう。

紫陽花は水を好む植物で、タップリ水やりしないとすぐ枯れるイメージがありますが、土が常時湿っていると、根腐れしてだんだん弱ってきます。
日頃は鉢皿に水をためないようにしましょう。

例外としては、数日留守にするときなど、紫陽花にお留守番させる場合です。
途中で水が切れても水やりできないので、水切れしないように、鉢皿に水をためたところに紫陽花をおいておきます。
早々に水がなくなってしまわないかぎり、こうしておくと水切れさせずに1週間程度ならお留守番させることができますが、帰ってきたらすぐに水から出す必要があります。

紫陽花鉢植えは水切れしやすいので、夏場は朝夕水やりしないといけないこともありますが、水やりする前に土の状態を確認して、乾いていたらタップリ水やりします。
表面の土が乾いていないなら水やりはしないでおいて、シクラメンのように、常時土が湿った状態で管理することがないようにしてください。

紫陽花の花にはいつでも水をかけて

紫陽花のピンクや青の艶やかな花は、花びらではなく、「装飾花」と呼ばれる葉っぱの一種の萼片です。
紫陽花の本来の花は、一般的には装飾花の中央辺りに小さく集まっていますが、中には退化している品種もあります。
紫陽花のピンクや青の鮮やかな花は、花びらではないことから、水がかかっても花傷みせず、長く咲き続けます。

紫陽花は、地上部分に水揚げする力が弱い植物です。
夏の暑い時期など、ぐったりしてくることがあり、土に水やりをしっかりしていても花が枯れてくることがあります。
そうならないためにも、暑い時期は、花に直接上からタップリとシャワーをかける水やりをしましょう。
土には乾いてから水やりしますが、花にはお昼であっても問題ないので、元気が無いと思ったらすぐにシャワーをかけるようにします。

紫陽花の花をいつまでもきれいな状態に維持するには、こまめな花に対するシャワーは欠かせません。

7月中に花を切り落とす

紫陽花は、8月以降に花芽をつけるので、鉢植えでコンパクトに仕立てながら育て続ける場合は、7月中に剪定しておく必要があります。

紫陽花の花が枯れていなくても7月中に剪定してしまいますが、葉っぱの付け根に新芽が出ているところを探して、その部分を残して、上の部分を切り落とします。
あまり上の方で切ると、紫陽花が大きくなってしまうので、なるべく下の方の芽のところで切るようにしましょう。

花を切り落とすと、栽培が終わったかのように思えますが、ここで水やりをやめると枯れてしまうので、表面の土が乾いたら水やりしましょう。

剪定し忘れて8月になってしまったら、ついうっかり花芽を切り落としてしまうこともあるので、そのままにしておき、翌年の春に先端の葉っぱを開いて覗いてみて、花芽がついているのを確認してから枯れた枝を切り落としましょう。
剪定し忘れると、かなり大きく育ってしまうので、コンパクトに維持したいときは、必ず7月中に剪定してください。

冬には葉っぱもなくなり卒塔婆のようになるけれど

秋も深まると、色づいた紫陽花の葉っぱは枯れ落ち、幹も枝先も茶枯れてきて、まるで卒塔婆のようになってしまいますが、これは通常の状態であって、紫陽花は枯れてはいません。
冬場は夏ほど水やりしなくても土は乾きにくくなりますが、土が乾ききった状態では本当に枯れてしまうので、表面の土が乾いてきたら水やりをしましょう。

紫陽花の茎の先端が枯れたように見えるために、枯れたから切り戻そうとすると、花芽を落としてしまいます。
本当にしわしわになるために、枯れたように感じてしまいますが、春になるまで本当に枯れたかどうかはわかりません。
春に美しい花を咲かせるためには、7月を過ぎたら紫陽花は切り戻し厳禁です。

庭植えした紫陽花は、上に雪が乗っかっても平気ですが、鉢植え紫陽花は鉢中の土が少なく、根にダイレクトに寒さが伝わってしまうので、寒すぎると枯れてしまうことがあります。
軒下など、霜や雪がかからないようなところに鉢をおいておきましょう。
それでも心配な場合は、鉢に梱包材のプチプチを貼って、土の上にココピートなどのマルティング材を厚めに敷いておきましょう。

紫陽花の植え替えと肥料

紫陽花の植え替えは、真夏と真冬を除いて、鉢の中が根で一杯になってきているようなら、いつでも一回り大きな鉢に植え替えるようにします。
傷んだ根は切り取ったほうがいいのですが、下手にいじるとダメージを受けやすいので、なるべく根をいじらないで一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。

肥料は、花芽ができる8月、冬から目覚めて葉が伸びてくる3月、花が開いてくる4~5月頃に、株元に緩効性化成肥料をひとつかみ与えるようにしましょう。
紫陽花は、肥料がある方が生育も良くなりますが、育ちすぎるきらいがあるので、多肥にしないようにするのがおすすめです。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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