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イタリアのカタコンベって何?見るべきところはどこ?

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地下に広がる迷宮のような空間「カタコンベ」を知っていますか。
カタコンベは初期キリスト教徒が、大切な人を弔う共同墓地として、また迫害から逃れる隠れ家として、長い年月をかけて築きあげてきた神聖な空間です。
今回は、カタコンベの歴史と役割、そしてイタリアに残る魅力的なカタコンベの観光スポットを紹介します。

カタコンベとは?その歴史と役割

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カタコンベの語源については諸説ありますが、ローマにあるサン・セバスティアンのカタコンベは「窪地」を意味する「ad catacumbas」が由来だと伝えています。
ローマ帝国とキリスト教は、はじめ悪い関係ではありませんでした。しかしキリスト教側が、亡くなったローマ皇帝を神として崇めることを拒否したことで、キリスト教への風向きが変わります。ローマ帝国によるキリスト教の迫害が始まったのです。ネロ帝の時代には大規模な火災「ローマの大火」がキリスト教のせいだとされ、さらなる迫害を受けることとなります。表立って活動ができなくなった信者は、人目のつかないカタコンベに集まって礼拝を行い、キリスト教を守り抜いていきました。
そうした背景からカタコンベにはフレスコ画や彫刻などが集まり、貴重な歴史的スポットとなったのです。

ローマ最古「サン・セバスティアン聖堂のカタコンベ」で地下探検

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イタリアには各地に特徴の異なるカタコンベが存在します。
カタコンベ巡りなら、ローマ最古のカタコンベ「サン・セバスティアン聖堂」は外せません。カタコンベの総距離はなんと12km。通路には遺体が置かれていた四角い穴が無数に掘られており、狭いエリアを抜けた先には地下とは思えない広間まで存在します。またカタコンベの上に建てられたサン・セバスティアン聖堂はローマの7大聖堂の1つとして知られています。
バロック芸術の巨匠・ベルニーニ最後の作品「救世主キリスト」や、キリストの足跡などがあり、セットでの見学がおすすめです。

8000体のミイラと対面!ナポリ「カプチン派のカタコンベ」

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続いて紹介するのは、8000体ものミイラが収蔵されたナポリの「カプチン派のカタコンベ」です。
通路の両サイドには足元から天井までミイラが一列に並ぶ異様な光景が目に飛び込んできます。隣接する聖ロザリア礼拝堂では、日本でも話題となった世界一美しい少女のミイラ「ロザリア・ロンバルド」も見学可能。少々ショッキングな場所ではありますが、窓から差し込む光に照らされるミイラの姿やまだ息をしているような美しいロザリアの姿は、「死生観」や「人生」を考えるきっかけになるかもしれません。

奇跡の殉教者?ナポリ「サン・ジェンナーロのカタコンベ」

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3つ目はナポリにある「サン・ジェンナーロのカタコンベ」です。
ナポリのカタコンベは強度の高い凝灰岩を掘って作られており、ほかのカタコンベより広い空間が特徴です。名前のある殉教者「サン・ジェンナーロ」は、毎年9月に「サン・ジェンナーロ祭り」が開催されるほどナポリでは重要な人物。彼は闘技場での猛獣との戦いも火あぶりの刑も生き延びたという逸話を残しています。また処刑後も一時遺体が消えてしまったり、見つかった白骨から血が流れていたりと数え切れない奇跡を残しました。
カタコンベではサン・ジェンナーロが埋葬されていたお墓や肖像画なども見学できるため、ナポリ観光には欠かせない観光地の1つです。

まとめ

今回はイタリアのカタコンベの歴史やおすすめの観光スポットを紹介しました。キリスト教迫害により、礼拝堂や集会所として使われ、芸術品や絵画が現代まで残ったカタコンベ。地下にひっそりと残る、初期キリスト教徒の想いを感じてみてはいかがでしょうか。
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