ガーデニング

種類が豊富なタイムの魅力。いろいろなタイムを楽しむ。

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タイム」と呼ばれるハーブは種類が豊富で、北半球におよそ300〜400種ありますが、ハーブの「タイム」として認識されているのは、「コモンタイム」「レモンタイム」「クリーピングタイム」の3種ですが、厳密にその違いを分かって分けて考える人は多くありません。

料理に使うタイムとしては直立性のタイムの原種「コモンタイム」が主流で、他のタイムはそれほど活用されませんが、それ以外のタイムもハーブとして使えるものがほとんどなので、香りづけに活用できます。
オーソドックスなタイムの香りを持つもの以外に、レモンタイム・オレンジタイムラベンダータイム、キャラウェイタイムなど、他のハーブの香りのするタイムや、ココナッツタイムやピザタイムといった、変わった香りのタイムもあります。

特徴のあるタイムとその仲間について代表的なものをご紹介しましょう。

イブキジャコウソウ

タイム」はシソ科イブキジャコウソウ属に属していますが、その中に「イブキジャコウソウ」が名前のタイムもあり、イブキジャコウソウは日本に自生しているタイムです。

草丈が10〜20cmにしかならないのですが、草ではなく低木で、横へ横へとぐんぐん広がり、花のない時期でも独特の香りが漂います。
非常に丈夫で、すぐに増えていきますが、あまり食用に活用されません。

夏の高温多湿や冬の寒風が吹き荒れる環境が苦手なので、夏は蒸れすぎないように、冬は風が抜けすぎないようにして、枯れるのを防ぎます。

クリーピングタイム

タイムの中で、匍匐性、つまりグランドカバーとして、縦ではなく横にどんどん広がる性質を強く持つタイムを「クリーピングタイム」と呼びます。

逆に、縦に伸びるタイムを「コモンタイム」と呼びます。
ただし、タイムの原種も「コモンタイム」「タイム」と呼ぶので、「コモンタイム」と言っても、「直立性のタイム全般」をさすときと、タイムの原種「コモンタイム」の名称をさすときがあるので、どちらを示しているのか気を付けるようにしましょう。

クリーピングタイムとして、「ワイルドタイム」「タイム・ロンギカウリス」が主な品種としてあげられますが、前述の「イブキジャコウソウ」もクリーピングタイムの一種です。
グランドカバーとしてよく活用されますが、あまり踏まれすぎると枯れてしまうこともあります。
基本的には常緑ですが、寒すぎると地上部が枯れて春になるとまた芽吹くこともあります。

クリーピングタイムの一種に「レイタータイム」があり、レイタータイムは、草丈が1〜2cmしかなく、花が立ち上がっても3?くらいにしかならなりません。
レイタータイムの踏まれても平気なところはタイムの中でもトップクラスで、まさに地面を覆うヴェールのように広がります。

レモンタイム

レモンタイム」は「コモンタイム」と「ラージタイム」の交配種の、レモンのようなさわやかな香りをしているタイム園芸品種の総称で、一種類のタイムをさす名称ではありません。
レモンの香りのするタイムレモンタイム」は数多くあります。

全体が斑入りの葉になり、葉の一部に黄色味がかるところのある「ゴールデンレモンタイム」、ところどころに黄色が入り、冬に紅葉する「ドーンバレータイム」、黄色の斑入りで寒くなるとより鮮やかなゴールドになってくる「ゴールデンクイーンタイム」、白い斑入りの葉で冬にピンク色も入ってくる「シルバークイーンタイム」などもレモンタイムです。

レモンタイムは、色鮮やかな葉色のものが多く、さわやかな香りも楽しめるので、観賞用としてだけでなく、料理の香りづけ・ハーブティーなどにもよく利用されます。

ゴールデンタイム

ゴールデンタイムは「ゴールデンクリーピングタイム」とも呼ばれる、匍匐性のタイムで、ヨーロッパ南部・地中海沿岸の乾燥地が原産地のタイムです。

葉の縁や葉先がランダムに2〜7割黄色い斑入りになるタイムで、5cmほどの樹高で横に広がり、花期になると花穂だけ10cmくらいに頭を伸ばし、薄いピンク色の花を咲かせます。

葉が黄色い斑入りになるタイムは、名称の中に「ゴールデン」が入っていることが多くありますが、必ずしもゴールデンタイム園芸品種というわけではありません。

フォックスリータイム

フォックスリータイムは、横に広がる匍匐性のタイムで、クリーム色のさわやかな斑とダークグリーンの葉色のコントラストが美しいタイムです。
特に秋から春にかけて、ピンク色も入ってくるため、クリーム色・ピンク色・グリーンの三色の鮮やかさが光ります。

樹高は20〜30cmになるので、クリーピングタイムとしては背が高い方になり、タイムにしては花が咲きにくい傾向がありますが、秋から春にかけての美しさが抜きんでています。

シルバータイム

白い斑入りの小さめの葉が魅力的なコモンタイムの改良品種が「シルバータイム」です。
花つきはあまりよくないので、リーフプランツとして主に利用されます。
直立性のコモンタイムで、匍匐性のクリーピングタイムではないのに繁殖力は旺盛で、すぐに広がっていきます。

白い斑入りの葉でやや大きな葉をしている「シルバークイーンタイムは」レモンタイムの白斑の入る品種で、葉は強いレモンの香りがして、冬はピンク色も入ってきます。 シルバークイーンタイムは、シルバータイムに似ていますが、シルバータイムより扇形に広がって成長し、葉っぱが少し丸みを帯びています。

オレンジバルサムタイム

オレンジバルサムタイムは、スパイシーなオレンジの香りがする直立性のコモンタイムの一つです。
オレンジバルサムタイムは、レモンタイムとまた違った柑橘系の香りが楽しめるので、料理の香りづけやハーブティーにもよく用いられています。

オレンジバルサムタイムは、全体からオレンジのようなフルーティーな香りがして、「オレンジタイム」とも呼ばれます。
茎が細めで葉も小さめなのが特徴です。

マスティックタイム

マスティックタイムは直立性のコモンタイムの一種で、タイムの原種の一つです。
葉から強い香りがして、一般的なタイムの、ピンクのかわいい花が集まった花とは全く違う、白い花が咲きます。
マスティックタイムの花は、遠目には綿の花かタンポポの綿毛のように見えます。
樹高も30〜60cmと大きめで、常緑性です。

マスティックタイムは、「スパニッシュマジョラム」として、エッセンシャルオイルの原料としても用いられています。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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