ガーデニング

梅の剪定は、庭木と鉢植えでタイミングとやり方を変えて

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切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあるように、梅はタイミングよく剪定しないと枝がどんどん伸びていき、扱いきれなくなってしまう木です。
しかし、伸びた枝を適当に邪魔だからとチョンチョン切っていると、花が全く咲かなくなってしまいます。

梅は、花が終わったあとに新しく伸び始める枝にしか花芽をつけないので、伸びた枝をどんどん切っていると花が咲かなくなってしまいます。
じゃあ全部伸ばしていたら花が咲くのかと言うと、どんどん巨大化してしまう上に上の方にしか花をつけなくなって扱いにくくなってしまいます。

同じ梅でも、ある程度大きく育てる庭木の剪定の仕方と、盆栽や鉢植えのようにコンパクトに育てながら花を咲かせるのとでは、剪定の仕方も少し違ってきます。

梅を上手に剪定して毎年花を咲かせるコツをご紹介していきましょう。

梅の剪定のタイミングは花後~夏と冬の2通り

梅の剪定には2通りあり、伸びすぎた枝や混んできた枝、枯れた枝などを取り除く剪定と、花芽と葉芽を見分けて、花芽を残してする剪定に分けられます。

伸びすぎた枝や混んできた枝、枯れ枝などを取り除く剪定は、樹形づくりの剪定です。
樹形づくりのための剪定は、花が終わったらすぐに行います。
実がしっかりと実るように、これから伸びていく葉芽がどんどん成長していくように、成長を促すために行う剪定です。
実を収穫したあとの夏にも、花芽が付きやすいように剪定を行います。

花芽と葉芽を見分けて、花芽を残す剪定は、葉っぱのない冬に行います。
梅の枝についた芽が、花になる「花芽」になるのか、葉っぱになる「葉芽」になるのか、はっきりしてくるのは7~8月頃からです。
梅の枝を花芽に合わせて剪定するは、明らかに花芽がたくさんついたとわかるときまで待ちます。
葉っぱのない冬まで待つと、花芽と葉芽の違いがよりわかりやすく、明らかに花芽まで成長している花芽になると、切ったからと言って葉芽にはならないので、剪定も安心してできます。

樹形づくりの剪定のポイント

梅の樹形づくりの剪定は2度行いますが、はじめは花が終わったらすぐに行います。
梅は花後に新しく伸びた細枝の先だけに花芽・葉芽をつけ、これまで花を咲かせていた枝にも、古い枝にも、花芽をつけません。

実を収穫するつもりの枝を残し、それ以外の花後の枝は、葉芽をよく見て剪定していく必要があります。
枝の緑色と茶色の境目付近にある葉芽を残し、できるだけ緑色の枝を切り落とします。

枝の伸びていく方向が上の場合、このあと芽がつきにくいので、横方向に伸びそうな芽を優先的に残し、縦方向の芽を優先的に取り除くようにします。
枯れた枝や、周りの枝と重なった混み枝も取り除きます。

2度目の梅の樹形づくりの剪定は、実の収穫後の夏に行います。
1本だけぴょーんと伸びたような徒長枝には、芽がつきにくいので、剪定して短くします。
徒長枝は、そのまま伸ばしても樹形が乱れるだけなので、枝の長さの1/3~1/2を切り落として長さを調節しておきましょう。
このときも、枯れ枝や、周りの枝と重なった混み枝・縦方向にばかり伸びている枝も取り除きます。

梅は切りすぎても枯れにくいし、何度か繰り返しているうちにだんだん迷わず切れるようになるので、失敗を恐れないで剪定にチャレンジしてみましょう。

梅の太い枝を剪定しても簡単には枯れない

梅の木を、全く剪定しないで育てていると、どんどん大きくなって手に負えなくなってしまうから、そうなる前に思い切って切り戻す必要があります。
梅の木の枝があまりにも伸びすぎたとき、思い切って大きな枝を付け根から切り戻してコンパクトになるようにすることもできます。

梅は樹勢が強いので、かなり太い枝を切り落とすような強剪定しても、すぐには枯れません。
育ちすぎた枝を思い切ってバサッと切り落としても、そこからまた新しい枝が伸びてくる強さがあります。
大きな切り口はヤスリをかけてきれいにしたあと、癒合剤を塗っておくと、切り口からの細菌感染が防げます。
癒合剤が手元にない場合は、代わりに墨汁を塗っておいても、同じ効果があります。

花芽を残す剪定は花芽がはっきりしてから

庭木の梅の場合、ついた芽が花芽か葉芽、どちらなのかがはっきりしていないうちに、よくわからないままの状態で枝を切ってしまうと、花芽ができなくなり、芽は全部葉芽になってしまう習性があります。

はじめのうち、花芽も葉芽も似たように固くて小さいのですが、花芽はだんだんと膨らんできて、ほんのり色づいてくるので、葉芽よりも大きくなっていきます。
できた芽のうち、大きくなって色づいた芽とそうでない硬い芽がついてはっきり見分けられたら剪定のタイミングになります。

鉢植えの梅の場合は、庭木の梅より早めに切っても、花芽を葉芽に変えるほど勢いがないので、庭植えの梅よりも少し早いうちに切ることができます。

庭植え・鉢植え、いずれの場合も、明らかに花芽とわかるほど大きくなってからなら枝を剪定しても花芽が葉芽にならないので思い切った剪定がしやすくなります。
初めて梅を剪定するのであれば、葉っぱがなくなった冬に剪定すると、枝の重なり具合や花芽のつき具合がはっきりして剪定もしやすくなります。

残す葉芽は外芽やじゃまにならない芽

芽がたくさんついている枝のどこを切ればいいのかというと、花芽はなるべく残し、先端の葉芽を1芽ほど残して剪定します。

株の方に伸びてくる芽を「内芽」、株の外側を向いている芽を「外芽」といい、剪定する芽をどちらにするのか悩むときは、外芽を残すようにします。
芽が伸びてきたときに他の枝のじゃまになりそうな葉芽を切り落とし、他のじゃまにならない枝になるような芽を残すようにします。

花後の剪定と同じく、横に向いて伸びてきそうな葉芽を残し、縦に向いて伸びてきそうな葉芽は切り落とします。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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