ガーデニング

空に向かって春を告げる花木、木蓮の魅力を特集します!

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モクレン属」は世界中に分布し、地球上最古の花木とも云われています。今回は、丈夫で成長が早く、街路樹や庭木として人気の高い「木蓮」の基本的な栽培&管理方法はもちろんのこと、豊富な品種ごとの魅力も併せてお伝えしていきます。

そもそも木蓮とは?特徴は?名前の由来は?

木蓮モクレン)は、地球上最古の花木と言われるモクレンモクレン属の落葉低木です。日本人とのつきあいは古く、もとは漢方薬としての使途で中国から渡来しました。庭木に植える園芸種として古くから愛されてきた花木です。平安時代に編纂された「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」の中に、既に木蓮の名が見られるそうです。

木蓮という花名の由来は、花が蓮の花に似ていることにちなんでつけられました。花の特徴として、内側と外側で色が異なります。内側は白いのに外側が濃い紫色をしていることから、紫木蓮(シモクレン)という呼ぶこともあります。

花言葉は「自然への愛」「持続性」。その言葉通り、高い空に向かって大らかに枝木を伸ばし、花を咲かせます。生長スピードがとても速く、植付けをしてから数年で4~5m位まで樹丈が伸びてしまうほどです。暑さ寒さに強く、丈夫で、育てやすい樹木です。

木蓮とその仲間たち

モクレン科は非常に大きな科で、世界中に広く分布し、長い歴史を持っています。

原産国ごとに代表的な品種をご紹介してみますと、
・日本原産のコブシ、シデコブシ
・中国原産の木蓮、ハクモクレン
・北米原産のキモクレン、タイサンボク
・ ヒマラヤ原産のキャンベリー
などがあります。

モクレン属の野生種の約90種のうち、上記の品種を交配させて生まれた園芸品種を「マグノリア」と総称しています。

木蓮(M.liliflora)

日本でモクレンといえば、通常は木蓮を指します。濃い紫色の花をつけることからシモクレン(紫モクレン)の別名もあります。ハクモクレンより少し遅れて、3月下旬から4月頃に咲きはじめます。樹高4~5mほどの中高木で、横に枝を広げる性質があります。花色は紫、花弁は6枚、開花中に葉が出るのが特徴です。

ハクモクレン(M.heptapeta)

中国原産のハクモクレンは、モクレン属で最初に開花する品種です。3月から4月、早春に白い花を咲かせます。花色は白、花弁は9枚で、開花後に葉が出てきます。

木蓮とよく混同されやすいのですが、花色以外にも大きく異なります。大きいものは樹高10~20mほどにも達する高木で、単幹で幹が太くなるのが特徴です。近年ではハクモクレンの方がより広く栽培されています。

コブシ (M.kobus)

日本原産のモクレンの仲間です。花は少し小さめで花びらも繊細な感じがします。シモクレンと同様、開花期は3月中旬~4月頃で、開花中に葉っぱが出てきます。樹高は10~20mほどの高木です。春の切花や枝物としても、日本人には馴染みの深い園芸品種です。

マグノリアまたはタイサンボク(M.grandiflora)

モクレン属の園芸植物を総称して、英語でマグノリア(Magnolia)と呼ぶことは前にもお伝えしました。アメリカではマグノリアと言えば、通常この「タイサンボク(泰山木)」を指します。

マグノリアは北米原産のモクレンの仲間で、アジアのモクレンより花期は遅めで、初夏6~7月頃に開花します。

常緑の艶々した葉っぱを持ち、大輪の芳しい花を咲かせます。日本には明治時代に輸入され、現在ではあちこちの植物園や公園でも観られます。

木蓮の栽培方法と注意点を解説!

栽培のポイント:風通しと日当たり、そして将来の大きさを考えて充分な大きさの栽培スペースを確保することです。樹高はあまり高くなりませんが、横枝が張るため、少なくとも直径3mの広さを確保しましょう。カイガラムシ、カミキリムシの幼虫などの害虫に注意が必要です。また、大きく育つため鉢植えには不向きです。

植え付け:落葉期の1月から3月上旬が適期です。木蓮は根が粗く、細根が少ないので、一度庭植えしたのちの移植は厳禁です。庭植えの前に日当たりのよい定植場所をよく吟味しておきましょう。

土:木蓮は水はけのよい腐植質に富んだ土壌を好みます。腐葉土と完熟牛ふんなど有機質の堆肥をよく梳きこんでおきましょう。根を切らないように注意しながら、深植えにならないように浅く植え付けます。根が落ち着くまでは乾いたら水やりをしますが、その後は必要ありません。

肥料:若木の場合は、成長期の5月、充実期の9月中旬から下旬、休眠期の1月に、それぞれ緩効性化成肥料(チッ素分の少ないもの)や固形の油かすを施してください。成木の場合は、5月と1月に施します。

木蓮のガーデニングのアイデア

最後に木蓮の魅力を生かした庭のプランや植栽のコツをご紹介します。

木蓮は、玄関脇や庭の一番日当たりのよい場所、または街路樹の様にエントランス通路に植え付けても素敵です。洋風、和風、どちらの庭にもよく映えます。

日当たりのよい玄関脇に植えておけば、毎年旺盛な成長を遂げる木蓮のシンボルツリー。ハリウッド映画「マグノリアの花たち」でもこの大きな樹がシンボルツリーにつかわれていましたね。生育が早く、樹形もほとんど崩れないことから、ご家族の成長や繁栄を願って植えてみてはいかがでしょうか。

ペンネーム:Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。

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