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月桂樹は育てやすい丈夫な樹木

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月桂樹は地中海沿岸地方が原産地の、成長すると10mもの高木にもなる樹木ですが、カレーやシチューに香り付けに使う葉っぱの香辛料「ローレル」としても、よく知られています。

月桂樹は雄木と雌木のある雌雄異株で、雌株でないと花を咲かせて実がなることはありません。

月桂樹は、非常に生育が旺盛なので、年に数回剪定しても枯れることなく、すぐにリカバリーでき、変わった形に刈り込むトピアリー仕立てにすることもできます。

月桂樹は日当たりと水はけの良い場所に植えて

月桂樹は、日当たりの良いところに植えるとよく育ちますが、明るめの場所であれば、多少日照条件が悪くてもしっかり育ちます。
枝は横方向よりも縦方向に伸びていく力が強いので、広めのスペースが確保できなくても育てられます。

月桂樹は、水はけの良い肥料分がたっぷりある土を好みますが、特に土質にこだわらなくてもよく育ちます。
庭植えにする場合は、植え穴に腐葉土と有機堆肥を混ぜ込んでから土を少し戻したところに植え付けましょう。
水はけが悪い場合は、土に赤玉土バーミキュライト・パーライトなどをブレンドしておくのもおすすめです。
鉢植えの場合は、普通の培養土か、赤玉土腐葉土を半量ほどブレンドした土に緩効性化成肥料をひとつかみ加えたものがおすすめです。

月桂樹の肥料と植え替え・植え付け

月桂樹は生育が旺盛なので、せっせと施肥するとどんどん大きくなってしまいます。
肥料を与えなくてもどんどん葉は出して来ます。
施肥する場合、冬、庭植えの場合は穴をほって穴の中に有機堆肥を埋め込み、鉢植えの場合は緩効性化成肥料をひとつかみまいておきます。

月桂樹の植え付け・植替えの適期は5月ごろです。
植えた後はしっかりと水やりして、根付くまでは表面の土が乾いたらたっぷり水やりしましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いているようなら水やりが必要ですが、庭植えの場合は、株がしっかりしてきて、新しい芽がどんどん伸びてきたら根付いているので、乾燥がひどくない限り水やりしなくても大丈夫です。

生育が旺盛な月桂樹は、挿し木でもよくつきます。
植え付け適期と同じ頃の5月ごろ、月桂樹の枝が手に入るなら挿し木に挑戦してみましょう。
ただし、所有者に断りなく枝を取って、勝手に増やしたりしないようにしてください。

月桂樹は暑さにも寒さにもとても強い

月桂樹は地中海沿岸地方が原産なので、寒さに弱いと思われがちですが、庭植えのものは、冬、上にドカンと雪が積もってもなんともありません。
秋頃に植えたりして、まだ育っていない場合や、小さすぎる鉢に植えた場合は、根が凍ると枯れてしまうので、防寒対策は必要になってきます。

雪は断熱効果も高く、必要以上に温度を下げないので、大寒の頃に雪に覆われている分は寒冷地であっても心配はいりませんが、雪に覆われていない部分に、寒風が吹きつけ続けるとその部分が枯れることがあります。

月桂樹は暑さにも強く、乾燥にも強いので、猛暑が続いたからといって特別な世話も必要ありませんが、2年以下の幼木の場合は乾燥しすぎると枯れる場合もあるので、乾燥がひどいときはしっかりと水やりをしてください。
鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

月桂樹の病害虫

月桂樹は、カイガラムシが付きやすく、カイガラムシがつくと、すす病を誘引してしまうので、葉っぱが黒く煤けてくる、すす病も発生しやすくなります。

すす病がでてしまったり、変形してきた葉は枝ごと取り除き、カイガラムシには強めの流水をかけながら、大きなブラシで枝をこするようにします。
カイガラムシは水に弱いので、水をかけながらこすると簡単に取れます。

古歯ブラシを使う人が多いのですが、大きめの、サッシのお掃除用ブラシや靴洗い用のブラシを使ったほうが効率よく取り除けます。

月桂樹の葉は通年収穫できる

月桂樹は生育が旺盛な常緑樹なので、一年中香辛料として葉っぱを用いることができます。
香辛料として使うときは、乾燥させたほうが、フレッシュのときより香りが強くなると言いますが、生葉をそのまま使っても香りは強く、一本植えているといつでも使えて、とても便利です。

月桂樹の葉を乾燥させるには、月桂樹の剪定をしたときに、きれいな葉がついている枝を軒先などに吊るして乾燥させます。
ある程度、乾燥してくると、葉が少しそりかえってくるので、この段階で葉だけを取って、乾燥剤を入れたジッパー付き袋に入れて保存しておくと、緑色を残したまま長く保存ができます。
もちろん、葉色が落ちて茶色くなるまで干して、乾燥させることもできます。
緑色を残していても、古くなってくると茶色くなってきます。
乾燥させた月桂樹の葉っぱが緑でも茶色でも香辛料としては問題ありませんが、市販とは違った好みの状態で保存できるのが自作する楽しみになります。

摘み取ったばかりのきれいな葉を水洗いした後、水気を拭き取り、ジッパー付き袋に入れて冷蔵庫の野菜室に保存することもできます。
数ヶ月間は緑色のまま保存ができますが、色が悪くなったり、カビてくることもあるので、その場合は処分して新しい葉を保存し直しましょう。

もともとは月桂冠ではなくオリーブ冠

古代ギリシアでは、神々を崇める競技祭りが各地で行われ、勝利者に神殿の神木で作った冠を授けていました。
月桂樹はアポロン神殿の神木だったので、アポロン神を崇める祭り「ピシアン・ゲームズ」の勝利者に月桂樹の冠「月桂冠」が授けられていました。

オリンピア神殿の神木はオリーブだったので、オリンピア祭典競技の勝者には、オリーブ冠が授けられていましたが、月桂冠が勝利と栄光のシンボルとして世界中に広まったこともあり、マラソンなどのスポーツ競技で月桂冠が贈られるようになりました。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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