ガーデニング

育てて観賞して食べて、アマランサスを味わい尽くそう

関連キーワード

アマランサスは栄養価の豊富な雑穀なので、近年スーパーフードとして注目を集めていますが、どのような植物から取れるのか、その姿を見たことがある人は稀です。
雑穀の中でも小さな粒になるアマランサスですが、植物として育てると、草丈が1mをこえて伸びてしまう大型の植物に育ちます。

食用に使われるのはアマランサスの実が多いのですが、葉茎を食べる品種として「ヒユ菜」が食用でわずかに流通しています。
ヒユ菜は、癖のない味で、歯ざわりが強めの食べやすい野菜で、おひたしや炒めものに用います。
観賞用のアマランサスとして、小型の品種ハゲイトウも栽培されています。

アマランサス栽培の歴史

アマランサスは、ヒユ科ヒユ属の一年草で、中南米を原産地として60種類以上が自生していますが、栽培品種はその中の20種類あまりになります。
アマランサスは、大きく分けて、穂の小さい野菜用の品種、大型に育つ実を取る品種、観賞用のケイトウの3つに分類されます。

アマランサスは、インカ文明の時代から南アメリカでは穀物として食用にされてきましたが、スペイン人の侵攻によって始められたキリスト教の布教において、アマランサスは邪教の象徴とされてしまい、400年もの間、絶滅寸前になっていました。
アマランサスがヨーロッパに観賞用として伝わったものが、インドに渡り、更にアジア各地に広まり、アジア諸国では主に葉物野菜として普及し、穀物としても生産されるようになりました。

アマランサスが日本に入ってきたのは江戸時代なので、日本における栽培の歴史は意外と新しくはありません。
日本では観賞用に園芸植物として栽培されるのが主で、野菜用の品種がヒユ菜としてわずかに栽培されてきました。

現在、世界中で60種類以上のアマランサスが栽培されていますが、最も生産されているアマランサスの品種は、「ヒモゲイトウ」です。
ヒモゲイトウは、穀物にも葉物にもよく利用されている、草丈が1~2mにもなる大型の品種です。

アマランサスの育て方

アマランサスの発芽温度は20~25℃(地温17℃以上)と高温なので、気温が十分に上がってから種をまいて育てます。
アマランサスは寒さに弱いので、遅霜の心配がなくなってから種まきしますが、遅くとも6月中には種まきを済ませておきましょう。

アマランサスは移植を嫌うので、種まきは、直まきするか、ポットにまいて早いうちに本植えします。
アマランサスの種は非常に小さいので、バラマキにしますが、一つのポットには5粒くらいまき、ポットの底から根が出るくらいまで育ててから本植えにします。
直まきするときは、15cm間隔で、1箇所に5粒くらいまいておきます。
アマランサスは嫌光性なので上に薄っすらと土をかぶせておきます。
最終的に本葉が5~6枚になる頃一株になるように、間引きながら育てます。
間引いた芽は、抜き菜としても食べられます。

アマランサスは日当たりで肥料を少なめで育てて

アマランサスは日当たりの良い場所で、水はけの良い土で育てましょう。
株間は15cmほど開けるようにします。
アマランサスは痩せた土地でも育ち、多肥にすると背が高くなりすぎて倒れやすくなってしまうので、肥料は控えめにします。
植え付け時に緩効性化成肥料をひとつかみまいただけでも十分です。
庭植えにしたときは、根付いてからの水やりは自然任せで構いませんが、鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。

8~10月、大きな穂にびっしりと花が咲きます。
アマランサスの花色は、赤・赤紫・緑・黄色などがあります。

アマランサスは害虫がつきにくい

栽培期間中、ヨトウムシやアブラムシが付くことがありますが、アマランサスは虫がつきにくい無農薬で育てやすい植物です。

アブラムシがついていたら、強い流水で洗い流せばかなり減らすことができます。
葉っぱの食害がひどいときにヨトウムシが疑われます。株元の土を掘り起こすと、黒っぽい芋虫がでてくることがあるので、撲殺して退治します。

幼苗のときは雑草に気をつけて

大きく育つアマランサスですが、小さな幼苗のうちは雑草に負けて枯れてしまうことがあるので、本葉が10枚位になるまでは、周りの雑草をしっかり取っておきましょう。

花後、花殻を取らずに育て続けると、3~4ヶ月後に実(種)ができるので、茎ごと刈り取り、ビニールシートを敷いた上で吊るして乾燥させます。
十分乾燥したら、シートの上で穂を叩き、実(種)を叩き落とします。
小さなゴミを風で飛ばし、目の細かいふるいふるって実(種)だけを取り出します。

アマランサスを穀物として食べるには

アマランサスの実(種)には、お米の籾殻に相当するものがないので、精米のような工程を踏まなくても食べることができます。

アマランサスは、茶こしに入れてきれいに水洗いしてから、洗ったお米に混ぜて一緒に炊いたり、3倍くらいの水で15分ほどグラグラ煮ても食べられるようになります。

単独で炊いた場合は、プチプチっとした食感がありますが、お米と一緒に炊いた場合、混ぜた量が多くないと、非常に粒が小さいので、全体に茶色がかった炊きあがりになりますが、食感はあまり引き立ちません。
エグみや癖がないので、非常に食べやすい雑穀です。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

植物を探す

花の名前
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ