ガーデニング

地面を覆いつくす青いネモフィラの花畑を楽しむ

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柔らかで繊細な緑の葉の絨毯の中から、爽やかな青い花びらの小さなネモフィラの花が覆い尽くすように咲き誇り、晴れ渡る空の青と相まって、言葉を失うような絶景が広がります。
ネモフィラグランドカバーにも使われる、あまり目立つことがなかった小さな花ですが、「みはらしの丘」では、ネモフィラが地面を覆い尽くすように咲き誇るため、海外からも「一度は訪れたい絶景」として注目されています。

みはらしの丘のネモフィラは、春、GW前後というタイミングで見頃を迎えることから、観光スポットとして毎年30万人を超える来訪者があります。

みはらしの丘のネモフィラ畑の美しさ、見どころを紹介するとともに、この美しいネモフィラ畑がどのように作られているかもご紹介していきましょう。
また、ネモフィラとはどういう植物なのか、庭だけでなく鉢植えでも簡単に育てられるのか、その性質と育て方も合わせてご紹介していきましょう。

国営ひたち海浜公園・みはらしの丘のネモフィラ

みはらしの丘は、茨城県ひたちなか市「国営ひたち海浜公園」の中にあります。
3.5ヘクタールという広大なスペースがあるみはらしの丘には、ネモフィラ450万本が植えられ、春には一面涼やかな青に染められた丘を見ることができます。

みはらしの丘のネモフィラの見頃は、4月中旬~5月上旬です。
みはらしの丘では、ネモフィラの開花時期に合わせて、「~空と海と花が奏でる青のハーモニー~ネモフィラハーモニー」イベントが開催されています。

特にGWには大勢の人手があり、例年大変な混雑担っていますが、まちなかの混雑とは違って、広大な敷地をゆっくりと散策するので、みはらしの丘の中ではゆったりとした時間を過ごすことができます。
また、GW期間中は、開園時間が7:30になる早朝開園を行っているので、朝の爽やかな空気の中で美しいネモフィラを見ることもできます。

国営ひたち海浜公園
〒312-0012
茨城県ひたちなか市馬渡大沼605-4
公式HP http://hitachikaihin.jp/

みはらしの丘のコキアは苗からネモフィラは種から育てる

みはらしの丘では、ネモフィラの見頃が終わると、コキアの栽培にシフトチェンジします。
コキアを種から育てる場合は、秋にそのまま取れた種をまきますが、コキアの種のまき頃は、みはらしの丘ではネモフィラの栽培が始まるタイミングです。
このため、みはらしの丘ではネモフィラは種から育てますが、ネモフィラの栽培が終わった後に育てるコキアは、苗から育てます。

コキアの苗は、見晴らしの丘全体を70cm間隔で堀った穴に一本ずつ植え付けられていきます。
みはらしの丘全体がコキアのこんもり丸い緑に敷き詰められた後、秋には全体が紅葉してくるので真っ赤に燃えるコキアを見ることができます。

ネモフィラの種まきは、本来は11月中までにおこないますが、コキアの栽培期間が11月中まで続くため、みはらしの丘では12月になってからネモフィラの種まき作業に入ります。
地面を整地し、種が均等にまかれるようにライン引きをした後、ラインに沿って種をまいていきます。
種まき後は、広大なみはらしの丘の栽培スペース3.5ヘクタール全体を、ビニールシートで敷き詰めて霜除けし、春までネモフィラの芽を守っていきます。

ネモフィラは北アメリカ原産の一年草

ネモフィラは、北アメリカ原産の、自生種が10数種類ある一年草です。
ネモフィラ」という名前は、ネモフィラが森林周辺に自生していることから、ギリシア語の「森」を意味する「ネモス」と「愛する」を意味する「フィレオ」からつけられました。

ネモフィラの草丈は10~20cmとコンパクトですが、株は横へ広がっていく性質「匍匐性」があります。
全体としてあまり大きくならないため、鉢植えでも育てやすく、グランドカバーにもよく使われます。

園芸品種を含めると、ネモフィラ属は18種類ありますが、主に栽培されているのはメンジェシー種のみで、「ネモフィラ」といえば、主にブルーのメンジェシー・インシグニスを指していいます。
一般的に栽培されているネモフィラは、インシグニスとインシグニスの変種2種、花びらの先端に濃い紫のブロッチがはいるファイブスポットの4種類になります。

ネモフィラは日当たりと水はけがよく涼しい場所に

ネモフィラの生育適温は5~20℃なので、人が過ごしやすい気温より少し寒いくらいがちょうどいい植物になります。
ネモフィラは秋まき一年草ですが、寒冷地では春に種をまいて育てることもできます。
ネモフィラは、-5℃を下回ると、株が枯れやすくなるので、寒さが厳しい地域では冬に防寒処理をしておく必要があります。

ネモフィラは4~5月に花を咲かせた後、6月までに株が枯れます。
ネモフィラは移植を嫌うので、ポット苗も出回っていますが、できれば花壇や鉢に種を直まきしましょう。
ネモフィラのポット苗は、2~4月に出回りますが、ネモフィラは根をいじられるのを嫌うので、根をいじらないでそのまま植え付けるようにしましょう。

ネモフィラは乾燥気味にして肥料は控えめに

ネモフィラ肥料分が多いと徒長して軟弱に育ち、水はけが悪いと根腐れしやすいので、肥料は控えめにして、水はけの良い土で育てます。
普通の培養土でも肥料分が多すぎるくらいなので、培養土に、肥料分を含まない赤玉土小粒やバーミキュライト・パーライトなどをブレンドした土を用いるのがおすすめです。

ネモフィラは、地植えにすると、根付いた後は、水やりは自然任せで構いません。
鉢植えは、表面の土が白くなるまでしっかり乾いてから水やりするようにしましょう。
ネモフィラは繊細な植物ですが、乾燥を好むので、水のやりすぎに注意しましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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