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鳳仙花の上手な育て方!丈夫が取り柄の鳳仙花は水が大好き

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こぼれ種でも翌年自然に芽をだして綺麗な花を咲かせる鳳仙花
丈夫な花で育て方も簡単なので、ガーデニングの初心者の方にも簡単に育てられるおすすめの花です。管理面でも手間のかからない花なので忙しい方にもおすすめです。鳳仙花、綺麗に咲かせてみませんか?

誰にでも上手に育てられる丈夫な花、鳳仙花とは

鳳仙花はこぼれ種でも翌年自然に芽を出す丈夫な花草です。ツリフネソウ科ツリフネソウ属の花で、学名はImpatiens balsaminaといいます。6月~8月に赤やピンク色などの花を咲かせます。春に種まきして、夏に花が咲き、秋には枯れてしまう一年草の草花です。開花した花はとてもキュートなのに、茎上のてっぺんから10cmほど下に花が付くので、葉に隠れて花が見えづらいのはちょっともったいない気がします。

鳳仙花は中国の神話に出てくる霊鳥で、人の性格を見極め栄誉ある人や親切な人を祝福する鳳凰の羽ばたく姿から由来して、鳳仙花という名がついたと伝えられています。丈夫で、よほど日当たりが悪いとか水はけが悪くなければ、勝手によく育ち、ガーデニング初心者でも上手に花を咲かせることができます。

鳳仙花の種類は…

鳳仙花の種類は丈が60~70cmほどの大きさに成長する高性種と、園芸用に改良された背の丈が20~30cmくらいの背の低いタイプがあります。花の色の種類は赤、白、ピンク、紫、白と赤のしぼり模様のもの、白と紫のしぼり模様のものがあります。花の形は一重、八重、バラ咲きの3種類です。

ちなみに鳳仙花の種類ではありませんが、同じツリフネソウ属の仲間でインパチェンス(アフリカ鳳仙花)という品種があります。見た目もよく似ていますが、インパチェンスは鳳仙花より一足早く6月に開花して10月下旬まで花を楽しむことできる園芸品種です。

鳳仙花は種または挿し木で増やしていこう

鳳仙花は種もしくは挿し木で花を咲かせ増やしていきます。種まきの時期は4月中旬~5月中旬が最もよい季節です。
そのまま土の上にパラパラと種を撒いて軽く土をかけておくだけでも育ちますが、形などにこだわるときは、育成箱で発芽させて弱そうな芽を間引きし、本葉を育てたから苗を鉢や地面に植えます。鳳仙花の根は下に向かってまっすぐ伸びるので、育った苗を鉢や地面に植え替えるときは、根を傷付けないように注意してください。

挿し木する季節は6月~7月が最適な季節

挿し木する季節は6月~7月が最適な季節です。茎上から5~15cmの長さに茎をきり、切り口付近の葉を取り除きます。
切り口を20~30分水に浸けて水揚げします。育成ポットに園芸用の土壌改良土(バーミキュライト)を入れて茎を刺します。そのあとは日なたに置いて土が乾かないように水を与えて管理すると、約30~45日で発根します。根が十分育った後は鉢や地面に植え替えますが、この時も根を傷つけないように気を付けて植え替えしてください。

鳳仙花の上手な育て方のポイント

鳳仙花は丈夫な花なので、種を撒きそのままでも発芽して成長しますが、より綺麗に育てるには、丈夫な植物とはいえ日当たりがよく、風通しのよい適度な湿気のある場所で育てるのが望ましいです。日当たりが悪くても乾燥ぎみでも育たない植物ではありませんが、花数が少なくなってしまったり、姿が弱々しくなってしまいます。

また前の年育てた同じ土壌に繰り返し栽培すると連作障害が起こりやすくなるため、地植えの場合は場所を変えたり、土壌に草花用の培養土を加えて種まきや苗を植え付けてください。鉢植えの場合は用土をあらたな草花用の培養土に入れ替えて使ことをおすすめします。また葉やけを防ぐために、直射日光が当たる場所よりも半日陰の場所の方がよりよく育てることができます。

ちなみに鉢植えで楽しむ場合は5~6号鉢で綺麗な花を咲かせ楽しむことができます。種から育てたものではなく、苗を鉢に移すときは根に付いている土はほぐさずに、そのまま用意した鉢に植え替えます。苗を鉢に植え替えた時はたっぷり水を施し、株を固定させましょう。

自然に育つのなら水やりは必要ないの?

こぼれ種でも自然に育つ鳳仙花ですが、草花なので乾燥は得意ではありません。土壌の表面が乾いたらたっぷり水を施してあげてください。とくに真夏は朝夕の2回に水をあげるのはおすすめしたい点です。

肥料はあげなくても大丈夫?

種から育てたものにしても苗を植え付けたものにしても、植え付けの時にゆっくりと効く暖効性化成肥料を土に混ぜておけば、その後、追肥する必要はありません。ただ生育が悪いようなら薄めた液体肥料を与えます。

うどんこ病やネセブセンチュには気を付けよう

植物に害虫はつきものですが、鳳仙花にはほとんど害虫もつかず、病気の心配もありません。ただ雨の多い梅雨の時期はさすがの鳳仙花も湿気に負けてしまい、葉に白い粉をふりかけたような症状がでるうどんこ病にかかってしまうことがあります。もしこのような症状が出た時は、発症している葉を切り取ることで被害を食い止めることができます。

また根に寄生するネセブセンチュという害虫によって、根がコブのように大きくなってしまい、地上部が成長せずに枯れてしまうことがあります。予防策としては虫除け効果のあるマリーゴールドなどを周囲に一緒に植えるとネセブセンチュが寄り付きにくくなります。また葉が茂っているというのに全く花が咲かないときは、根が寄生虫に侵されている可能性があるため、殺虫剤で駆除たり、土の入れ替えを行ってください。

鳳仙花の別名には面白い伝承がある

鳳仙花は別名「爪紅(ツマクレナイ、ツマベニ)」と呼ばれています。昔、鳳仙花の花汁で爪を赤く染めたことがその名の由来です。
そのほか沖縄では鳳仙花のことを「てぃんさぐ」という名で呼んでいます。「てぃんさぐぬ花」は沖縄の有名な童謡ですが、その歌詞の中にも鳳仙花(てぃんさぐ)の花汁で爪を赤く染める歌詞が載っています。爪を赤く染めることでは、韓国でも同じで、爪に鳳仙花の花汁を塗り初雪が降るまで赤い色が残っていたら恋が実るなどという風習があったようです。

恋人には贈れない鳳仙花!その花言葉とは

乙女心を感じる伝承が別名に伝わる鳳仙花の気になる花言葉はなんと「私にふれないで」という言葉です。
その花言葉を聞くと、恋人に贈る花束の中には加えたくなくなってしまいます。そんな花言葉の由来の一つは、鳳仙花の種は熟すと中の細胞が膨らみ、種が勢いよく飛ぶことが由来していると言われます。成熟した実に触れただけではじけて種を撒き散らすので「私に触れてはだめよ!」という花言葉が使われるそうです。

ギリシャ神話にまつわる花言葉は「短気」「じれったい」「心を開く」「繊細」

鳳仙花の花言葉はほかにもあります。ギリシャ神話のある話が由来する一説から「短気」「じれったい」「心を開く」「繊細」などという花言葉が付けられています。
そのギリシャ神話の内容は、ある日宮殿で開催された宴会で、贈り物の金のリンゴが一つなくなってしまったことで、盗んだのではないかと疑いをかけられた一人の女神が、その疑いをはらすために必死になるが、聞く耳を持たなかった全知全能の神ゼウスは、本当は無実であるその女神を地上へ追放。そして疑いをかけられた女神は真実を証明する前に力尽きて哀れな死を遂げてしまったのだとか。
そしてその様子を見ていた花の精はその女神を哀れに思い、せめてもの慰めにと、その女神の亡骸を花の姿に変えたのです。その花が鳳仙花鳳仙花の種が勢いよくはじけ飛ぶのは「自分は何も隠していません!自分は無実」ということを、綺麗な鳳仙花になった後も証明し続けているからだと言われています。

「短気」という花言葉は全知全能のゼウスがよく調べもせずに女神を追放した短気さを表し、「じれったい」「心を開く」「繊細」という言葉は疑われた女神の気持ちであり、種を勢いよく飛ばすのは、少しでも触れるものなら叫びだしたくなる女神の傷ついた気持ちを表し、もう「私に触れないで」という花言葉にかけているのかもしれません。なんだか切ない花言葉です。自分で観賞するには可愛い花ですが、恋人ではなくとも贈り物の花束には加えたくない花かもしれません。

誰でも簡単に育てられる鳳仙花、綺麗に花を咲かせてみよう!

春に撒いた種が夏に花を咲かせ秋には枯れてしまう一年草鳳仙花。こぼれ落ちた種が知らぬ間に発芽して翌年も花を咲かせることもある丈夫な花です。
花の色の種類もいくつかあり、とてもキュートな花を咲かせるのに、茎のてっぺんに花を付けないため、花が葉っぱに隠れしまうのは少し残念ですが、そんな控えめな花の姿も愛おしいです。花言葉を考えると贈り物の花には向きませんが、「触れてはだめ!」とはある意味で泥棒除けになるかもしれませんね。
植え付けも簡単!より上手に咲かすにもそれほど手間はかかりません。鳳仙花、綺麗に育ててみませんか。

監修:Toshie.s
植物の成長はあわただしい毎日を癒してくれます。ビオラが店頭に並び始める時期になると、毎年購入して寄せ植えを作っていたけれど、ある年から種を採り春に種まきして増やし続け、今では自宅で育ったビオラでクリスマスの寄せ植えを作成。種から育てた花々に植物の生命力を実感し、それが自分のパワーになっている今日この頃です。夏野菜のキュウリやトマト、冬は白菜、園芸って楽しいですよ。近年人気の多肉植物の不思議な成長にはあっぱれです。そんな園芸の楽しさを皆さんにお伝えできれば幸いです。

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