景勝地

ブータンの魅力とは?ゾンに施された精緻な装飾彫刻、伝統のツェチュ祭をご紹介

関連キーワード

出典:https://www.instagram.com/p/C4GJFgfgjNT/?img_index=1

ヒマラヤ山脈の麓に位置する国、ブータン。手つかずの自然、伝統文化、そして温かい人々など、たくさんの魅力が詰まった国です。そんなブータンには「ゾン」と呼ばれる国民にとって重要な建築物があります。

今回はゾンの歴史や装飾彫刻、さらにゾンで開かれる伝統的な祭り・ツェチュ祭を紹介しながら、ブータンの魅力に迫っていきます。

ブータンの象徴・ゾンの歴史とその魅力

出典:https://www.instagram.com/p/C9JFnrbSvXo/

ブータンの各地に点在する「ゾン」とは、仏教宗派の主要な拠点であり、政治・行政の中心としての役割も担ってきた建築物のことです。真っ白な壁と赤や金の装飾が施された窓枠、そして屋根に掲げられた黄金の法輪が特徴となっています。

ゾンの歴史は7世紀にまで遡り、チベット王ソンツェン・ガンポがブータンに仏教を広めるために寺院を建設したことが、ゾン建築の基礎になったと言われています。17世紀に入ると、ブータン統一の立役者となったシャブドゥン・ンガワン・ナムゲルが各地にゾンを建設、ブータン統一において重要な役割を果たしました。一部のゾンは、設計図などなく、聖人の予言や縁起に基づいて建てられた、という伝説や逸話が残されています。

その後もゾンは、ブータンの歴史の舞台として重要な役割を果たしてきました。プンタン・デチェン・ポダン・ゾンは、1907年に初代国王が即位した場所であり、王政発祥の地として知られています。近代に入ると、ゾンの役割は変化し、現在では各地区の行政機関や寺院、礼拝堂として利用されています。

ゾンは、ブータンの複雑な歴史と、宗教と政治が関わり合う、独特の文化を象徴する存在なのです。

ゾンに見るブータンの建築美と精神性

出典:https://www.instagram.com/p/C3aqIbgPwQf/?img_index=1

ブータンのゾンは、その荘厳な建築美だけでなく、そこに施された精緻な装飾彫刻によっても、人々の心を魅了します。ゾンの彫刻は、ブータンの宗教観や世界観を反映しており、人々の信仰心と芸術性の高さを物語る貴重な遺産です。

ゾンの装飾彫刻は、木彫りや煉瓦彫刻で、仏教の世界観を表す曼荼羅や、龍などの神獣、縁起の良い模様などが特徴です。またゾンの屋根を飾る細工は、複雑なデザインと精巧な技術が融合したもので、ブータンの職人たちの卓越した技術を物語っています。

ゾンの内部に入ると、仏陀の生涯を描いた絵巻彫刻や宗教壁画などを見ることもできます。ゾンの装飾彫刻は、ブータンの人々の信仰心と密接に結びついた芸術表現なのです。

ツェチュ祭:祈りと踊りが織りなす神秘の祭典

出典:https://www.instagram.com/p/BTu4n-vlQqU/

ゾンや僧院で行われる祭り「ツェチュ祭」は、チベットに仏教を伝えた高名な僧侶である「グル・リンポチェ」の功績を称える重要な宗教行事です。チベット太陰暦に基づき、年に一度、3〜5日間にわたり開催されます。ブータンの各地で様々なツェチュ祭が開催されますが、観光客に特に人気なのは、春(3月〜4月頃)に開催されるパロ・ツェチュと、秋(9月〜10月頃)に開催されるティンプー・ツェチュ、ブムタン・ツェチュです。

祭りでは、僧侶や信者が色鮮やかな衣装をまとい、仮面をかぶって踊るチャムが披露されます。チャムはグル・リンポチェの生涯や教えを表現し、舞踊を見る者は祝福や悟り、浄化されると信じられています。

民謡や音楽の演奏とともに、道化師アツァラがお祭りを盛り上げる踊りも見どころです。さらにツェチェ祭の中には、クライマックスに巨大なタンカ(仏画)が公開される地域もあります。

まとめ

出典:https://www.instagram.com/p/CxSaEGNJaHf/?img_index=1

ブータンのゾンは、その美しい建築様式と精緻な装飾彫刻で、観光客を魅了しています。また、年に一度開催されるツェチュ祭は、ブータンの宗教と文化を体験できる貴重な機会です。古き良き伝統が息づくブータンへ、あなたも旅してみてはいかがでしょうか。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ