ガーデニング

こぐまの手のひらのような熊童子の育て方

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熊童子は、先端がギザギザで、ぷくっと厚みのある、丸い大きな葉が魅力の多肉植物です。
熊童子の葉っぱは、ベルベット調の毛に覆われていて、先端にギザギザがあるために、まるで大きな手のように見えます。
ぷくっとしていて愛らしく、こぐまの手のように見えるので、「熊童子」の名前がついています。

熊童子より小ぶりの「子猫の爪」も熊童子と同じベンケイソウ科コチレドン属ですが、熊童子に似ていて、もう少し長めの葉っぱの「月兎耳」や、茶色が多くてもっとこぶりな「テディベア」は同じベンケイソウ科ですが、カランコエ属になります。

熊童子の葉っぱはポロンと落ちることも

小さな苗のうちは、全体が緑色なので、こぐまが頂戴頂戴と集まって手を伸ばしているかのような姿をしていますが、株が大きくなってくると、茎が木質化していきます。

春や秋に、生育状態が良いと、葉の間から花茎を伸ばして、小さなベル状のオレンジ色の花を咲かせます。

熊童子の葉っぱは、ちょっとした衝撃でポロンと落ちてしまうことがあります。
取れた葉っぱは元に戻りませんが、そのまま土の上においていると、新しい根や芽がでてくることもあるので、処分せずに空いている土の上においておきましょう。
この方法は「葉挿し」と言いますが、コチレドン属は葉挿しはうまくいきにくいので、確実に増やしていく場合は、葉挿しはおすすめではありません。
確実に増やす場合は、茎を含めて切り取った挿し穂を、切り口を1週間ほど乾かしてから土に挿すようにします。

枯れた葉っぱは、茎についたままでも干からびたように萎れてきて、ポロッと簡単に取れるので、取り除いておきます。

熊童子は明るい窓辺で管理したほうが育てやすい

熊童子は、春秋型の多肉植物です。
つまりは、春と秋は元気ですが、夏暑くても、冬寒くても休眠してしまいます。
15~25℃が適温なので、夏の直射日光も冬の寒さも苦手です。

夏の暑さで蒸れて枯れやすいだけでなく、5℃を下回ると寒さで枯れやすいので、屋外で夏と冬に快適な環境を作るのが難しく、雨に当たるのもあまり良くないので、夏と冬、梅雨などの長雨の時期は、室内で管理したほうが楽な植物です。
無理に屋外に出すよりは、通年室内管理でも問題なく育ちます。

熊童子の水やりは表面の土が乾いてから

とても肉厚の葉っぱをしている熊童子は、水をこまめに与えるとどんどん弱ってしまいます。
熊童子の水やりは、春と秋の生育期でも、表面の土がしっかり乾いてきたら、たっぷりと水やりしますが、大体目安として、2~3週間ごとに1回程度になります。
月に1回程度の水やりでも問題なく育ちます。

水やりするときは、熊童子の葉っぱに水がなるべくかからないようにしながら、土に水を与えますが、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水やりをし、鉢皿に水をためないようにします。

夏と冬は休眠しているので、水やりは控えるようにします。
控える、と言っても、与える水の量を控えるのではなく、与える頻度を控えます。
夏と冬は、水を全然やらずに明るい風通しの良い場所において、季節がすぎるのを待つこともできます。
水やりしないと、少しシワがよってくることがありますが、春や秋になってから水やりを再開すると、すぐにぷくっとした姿に戻ります。

熊童子はあまり肥料を好まない

熊童子が元気にすくすく育ってくれるように、しっかり肥料をあげたいところですが、熊童子はあまり肥料を必要としません。
肥料をまったくあげなくてもすくすく育ちます。

熊童子肥料をあげるとしたら、株元に大きな固形肥料を1粒置くくらいで十分です。
水をあまりあげないので、1粒おいたらかなり長い間溶け切ることはありませんが、そのくらいでも少ないということはありません。

液体肥料を与えてはいけないわけではありませんが、せっせと与えても生育にはあまり違いが生じません。
多肥を嫌うので、サボテン多肉植物用の土に植え付けた場合、土に元肥が含まれているので、追肥は不要になります。
水や肥料が多すぎると、かえって葉色が悪くなり、茎が間延びしやすくなってしまいます。
こまめに面倒を見て逆効果になるので、肥料はなるべく少なくしましょう。

熊童子の植え替えと株分け

熊童子は、できれば毎年植え替えたほうが良いと言いますが、小さな鉢にギュウギュウになっているようでなければ、2~3年ごとの植え替えでも問題なく生育します。
植え替えを行う場合は、熊童子の生育期の春か秋に行います。

熊童子は水はけの良い土であれば、土質にはあまりこだわらないので、サボテン多肉植物用の培養土を用いるか、赤玉土の超小粒に、水はけを改良するためにバーミキュライトやパーライト、籾殻くん炭などを加えたものもおすすめです。

鉢をトントンと床に当てて外れやすくしてから、底穴を軽く押すと、鉢が外れるので、鉢を外し、古い土やいたんだ根を手で軽く落とします。
大株に育っていたら、手で半分に割っても構いません。
割った場合は、切り口が乾くまで1週間ほどおいてから植え付けます。
割っていない場合は、そのまま乾いた土に植え付けます。

伸びすぎた地上部の枝は、木質化した茎を含んで好きなところで切り落として、挿し穂に使います。
切り口が乾くまで1週間程度乾かしてから、乾いた土にさして挿し木します。

水やりは、土に植えてから1週間以上してからにします。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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