ガーデニング

つつじ・さつき・アザレアの違いとつつじの育て方

関連キーワード

つつじは、柔らかい常緑の葉をもち、丸く刈り込まれた姿がよく見られ、春になると木全体を覆うようにピンクや白の花が咲き誇ります。
つつじは万葉集の中でも詠まれているように、古くから愛されてきた植物です。
木の寿命も長く、樹齢800年以上の長寿の木も存在しています。

つつじはその美しさについ立ち止まってしまうことから、「立ち止まる」という意味を持つ「躑躅」と名付けられ、「咲き続ける」「綴り茂る」ことが語源になって「つつじ」と名付けられました。

つつじは交配が容易なので、昔から盛んに品種改良が行われたことから、たくさんの品種があります。
つつじの原産地は日本や中国を中心としたアジア東部ですが、国内で栽培・流通しているつつじは、日本に自生していた野生種を元に品種改良されたものなので、日本の気候によくあい、栽培は難しくありません。

つつじとさつきの違いと見分け方

つつじとよく似た花木に、「さつき」があります。
つつじとさつきの違いがはっきりわかっていて、区別がつけられる人はあまり多くはありません。

つつじとさつきは、一般的には、花の時期で見分けて、「後から咲くのがさつき」とよく言われています。
つつじは、ツツジ科ツツジ属の花木の総称で、さつきは「サツキツツジ」とも呼ばれているツツジ科ツツジ属の花木の1種ですが、つつじと分けて考えるのが一般的です。

つつじは4月に花が咲き、そのあと5月に新芽がでますが、さつきは5月に新芽と同時に蕾がついて花を咲かせます。
つつじは株全体で一気に花開きますが、さつきは1週間ほどかけて順次開花していきます。

つつじは樹高が2mくらいまで育ちますが、さつきは半分程度までしか育たず、コンパクトになります。
樹高だけでなく、花径も葉もさつきのほうが全体に小ぶりです。
大きく育てたいのであればつつじを選び、省スペースで育てるのであればさつきを選んだほうが管理しやすくなります。

アザレアはヨーロッパで品種改良されたつつじ

大輪の花や、八重咲きなど、非常に豪華な、つつじによく似た花を咲かせる「アザレア」の鉢物が、冬になると園芸店の店頭でよく見かけられます。
アザレアは、江戸時代から明治時代にかけてイギリスに渡った、つつじやさつきなどの園芸品種を、オランダを中心としたヨーロッパで品種改良された、常緑のつつじの総称で、「西洋ツツジ」「オランダつつじ」とも呼ばれています。
台湾つつじをベースにベルギーで品種改良されて日本に里帰りしてきたものは「ベルギー・アザレア」と呼ばれます。

アザレアは、元になったつつじが日本原産のものが多く、つつじと性質はよく似ていますが、つつじやさつきと違って寒さにとても弱いので、暖地以外では11月下旬頃から室内栽培する必要があります。

つつじの植え付けと植え替え

つつじの植え付けと植え替えは、3~4月と9~10月頃がおすすめですが、2~3月の冬の休眠期でも植え替えができます。

庭植えにする場合は、大きめの植え穴をほった後、腐葉土や有機堆肥ピートモスなどを混ぜ込んだ後、苗の土を1/3ほど落としてから植え付けるようにします。
庭土に腐葉土ピートモス赤玉土鹿沼土などをブレンドして、水はけや水持ちを改良して植え付けに使います。

鉢植えの場合は、小粒の赤玉土鹿沼土をベースに、ピートモスバーミキュライトをブレンドした土など、水はけと水持ちの良い土を用いて植え付けましょう。
鉢植えの場合は、2年ごとに植え替えるのが目安です。

つつじは水切れしやすくても浅植えに

つつじは暑さにも寒さにも強い植物ですが、品種によって、寒冷地では霜よけや防寒が必要になるものや、栽培が適さない品種もあるので、お住まいの地域の環境にあった品種選びを心がけましょう。

つつじは根を上の方に広げて伸ばす性質があるので、水切れしやすいのですが、水はけの良い土を好むので、水切れに注意する必要があります。
酸性の土壌でないと枯れやすいので、鹿沼土ピートモスなど、酸性寄りの土を用いて植えるようにしましょう。
植え付け前に苦土石灰をまいたりすると枯れる要因になるので注意しましょう。

つつじは根でも呼吸するので、根を深植えすると窒息して枯れてしまうので、水切れしやすくても浅植えするようにします。

乾燥しやすい夏場などは、朝夕水やりするなどして、水切れがないように注意しますが、冬場はあまり水を吸わなくなるので、表面の土が乾いてくるまで水やりしないようにして、乾燥気味に管理します。

つつじは明るい日当たりで育てて

つつじは日当たりの悪いところで育てると、花つきが悪くなってしまうので、日当たりの良いところで育てましょう。
しかし、つつじは乾燥に弱く、水切れすると枯れやすいので、予め明るめの半日陰に植えて、強すぎる直射日光を避けておくのもおすすめです。

夏など、日当たりが良すぎると、水切れしやすくなってしまうので、株の周りをマルティング材で覆って保護すると水切れしにくくなります。
また、鉢植えの場合は、水切れしにくいように、夏の間、明るい風通しの良い場所に置場所を替えておきましょう。

つつじの剪定は花後すぐに

つつじの花芽は夏の間にできるので、花が終わったらなるべく早く樹形を整え直す剪定をしておきましょう。
一般的には10cm以上切り落としたほうが全体にスッキリして、全体的にリフレッシュできます。
たとえ葉っぱがなくなるほど深く剪定しても、花後すぐであればリカバリーします。

つつじを夏以降に剪定すると、花が咲かなくなることがあるので、混み枝や枯れ枝などの剪定以外はなるべく行わないようにしましょう。

つつじは肥料切れすると花が咲かない

つつじは、肥料不足でも枯れたりしませんが、肥料が少ないと花数が少なくなってしまいます。

株いっぱいに花を咲かせるつつじですが、通年花を咲かせ続ける四季咲きのバラほど肥料食いではないので、肥料は花後の5~6月・株の充実する9月下旬・休眠期の1月に緩効性化成肥料をひとつかみ、株からなるべく離して追肥を行えば十分です。

株に近いところに施肥すると、つつじは浅いところに根が植わっているため、根が肥料焼けすることがあるのでなるべく離すようにします。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

植物を探す

花の名前
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ