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百合の花言葉には怖い花言葉もある?

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百合というと、白い花を思い浮かべ、清楚なイメージを持っている人も多いでしょう。
百合の花言葉は、「威厳」「純潔」「無垢」「純粋」ということで、いいイメージの花言葉が多いものです。
ただ、そんな百合の花言葉の中には、怖い花言葉もあると言われています。どんな花言葉があるのでしょうか。そして、その由来も気になりますね。

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百合の怖い花言葉とは?

百合の怖い花言葉とは、どんな花言葉でしょうか。百合の花の色によっても花言葉が違うことをご紹介しましたが、黄色の百合の「偽り」やオレンジの百合の「憎悪」などという悪い花言葉もありますので、百合の贈り物をするときには花の色も十分気を付ける必要がありますね。

白、赤、ピンク、オレンジ、黄、複色などと、様々な花色を持つ百合の花ですが、「クロユリ」の花言葉には怖い花言葉があります。「愛」という花言葉もありますが、「呪い」という花言葉があるのを知っていますか。黒という色から怖い花言葉になったと思われますが、由来も気になりますのでご紹介します。

怖い花言葉の由来の「黒百合物語」とは?

富山県に伝わる話で、外山城主の佐々成政が小百合という美女をあまりに気に入っていたために、他の侍女から嫉妬で、あらぬ噂を立てられたという悲しい話があります。他の家臣と噂を立てられた小百合が城主、佐々成政によって嫉妬から殺されたという伝説が残っています。

そして、その殺された早百合が無念の怒りのために「三年たって、立山に黒い百合が咲いた時に佐々家は滅びる事でしょう」といって亡くなったと言われています。その後、城主佐々成政は、本当に失脚することになり、切腹したそうです。小百合が黒百合になって呪いとなって咲いたという話がずっと伝えられています。

「愛」という花言葉と「呪い」という花言葉が表裏一体となったような「黒百合物語」と言えるでしょう。黒百合には2つの相反する花言葉が付いたこうした伝説があったのです。

また、もう一つ有名な伝説があり、北の政所と淀君の話が語り継がれています。同じ富山の佐々成政にまつわる話で、佐々成政が秀吉の正室である北の政所に「クロユリ」をとても珍しい花として贈り、北の政所が「クロユリ」を飾って茶会を開いた所、側室の淀君がそんな花は知っていたと無下にした話です。たいした花でないと、北政所がさげすまされたという話が残っています。珍しい黒い花であるがゆえに、そうした様々ないわくつきの伝説も残ったものでしょう。

「クロユリ」は百合とは異なる?

「クロユリ」は珍しがられますが、実際には、濃い黒に近い紫色をしています。しかし、黒い花自身をあまり見かけないために貴重な印象を受けるでしょう。白い百合に対して、大きくイメージが異なる花に感じられます。

厳密には、「クロユリ」はフリチラリア属で、百合は、リリウム属に属していて互いに異なる属となっています。「クロユリ」には、「本州型」の本州中部の高地で育つ種類と「北海道型」の低地で育つ「クロユリ」があり、山野草として扱われています。

百合に比べると小さな「クロユリ」と言った印象の植物です。「本州型」で15cm〜30cmほど、「北海道型」で30cm〜50cm程度の高さにしかなりません。高さ50cm〜200cmにもなる百合があるということと比べると「クロユリ」は小さい印象を受けます。「呪い」などという怖い花言葉もありますが、山野草の「クロユリ」は小さくて神秘性も感じられるような花です。

「クロユリ」の育て方についても

「クロユリ」の育て方についても最後に少しご紹介しておきます。「クロユリ」は山野草で暑さに弱いので、少し育てにくい植物です。特に夏は涼しい環境を整えてあげましょう。風通しがいい場所で排水がいい場所に植えるのがコツです。

「北海道型」の方が「本州型」よりも育てやすいとされていて、暖かい地方でも「北海道型」の方が涼しく育てることで、育てやすくもあると言われています。

「クロユリ」の花言葉には「愛」という意味も

「クロユリ」の花言葉は、百合とは別の種類になりますが、「呪い」などという怖い花言葉もあることが分かりました。黒という神秘的な色から来るイメージや山野草で、ひっそりと山に咲く印象から来たものでしょう。

黄色の百合の「偽り」やオレンジの百合の「憎悪」などの花言葉のように、花色によって花言葉は大きく変わります。

ただ、「クロユリ」にも「愛」という花言葉があることにも注目したいと思います。「愛」の花言葉に関する伝説も実は残っています。「北海道型」の「クロユリ」では、昔からアイヌ民族にも親しまれてきました。アイヌ民族に伝わる「愛」にまつわる伝説では、「好きな人の近くにこのクロユリの花をそっと置いておきます。相手が、誰が置いたのか知らずに、その人が花を手にとったら、二人はきっと結ばれる」と言った言い伝えが残っています。なんとロマンティックなお話ではないでしょうか。「クロユリ」の美しさも大切に育ててみたいですね。

百合の原種は全世界に約100種あり、その中で日本原産のものは15種類、さらに7種類が日本の固有種です。
日本中の人里近い山間などに数多く自生していましたが、庭で育てようとすると意外に難しかったためか、百合の栽培はあまり普及しませんでした。

「百合の女王」として人気の高いカサブランカは、日本の百合の原種数種をもとに作られた園芸品種で、近年出回っている人気の高い百合の園芸品種の大部分は、日本の百合を使って作られています。
しかし、百合の品種改良について、日本は海外に大きく後れを取っていて、ほとんどが外国で行われています。

百合の品種改良がどんどん進んで

日本は「カサブランカ」のおもな原種のヤマユリが自生していますが、百合が庭植えにあまり適さなかったことから品種改良がそれほど進んでいないまま、海外に後れを取っています。
今でも「百合=育てるのが難しい」というイメージが先行しているため、百合の栽培は盛んではありません。

盛んに品種改良がおこなわれ、続々と新品種が生まれている百合について、その品種を簡単に紹介しましょう。

オリエンタル・ハイブリット

ヤマユリと、ヤマユリに性質が似ている野生種のカノコユリ・タモトユリなどを交配して作られた園芸品種を「オリエンタル・ハイブリット」と言い、「オリエンタル系」と呼ぶこともあります。

香りが強く、美しい色合いの大輪の花を咲かせるので、「百合の女王」と呼ばれるのがこの品種で、「カサブランカ」これに含まれます。
際立つ美しさとともに、花もちの良さも特徴としてあり、一本に6〜8輪の花をつける花数の多さも魅力です。

アジアティック・ハイブリット

オリエンタル系よりコンパクトな花の形をしていて、花が上を向いて咲く品種を「アジアティック・リリー」と呼び、寒さに強く、切り花として長持ちする特徴があり、香りがないものが多いのが特徴です。
エゾスカシユリ・オニユリ・ヒメユリなどが原種です。

1本に5輪ほど花をつけ、パステルカラー、赤、オレンジなど多様な花色があります。
80年代にユリと言えばアジアティック系が主流を占めていました。

ロンギフローラム・ハイブリット

「イースターリリー」と呼ばれる香りの強い大きなトランペット上の白い花を咲かせる品種で、テッポウユリ・タカサゴユリなどをもとに作られた園芸品種です。
「ロンギフローラム・ハイブリット」といい、「ロンギフローラム系」とも言います。

新品種が続々登場

ロンギフローラム系とアジアティック系を交配して作られた「LAハイブリット」、トランペット咲きの百合とオリエンタル系を交配して作られた「OTハイブリット」、ロンギフローラム系とオリエンタル系を交配して作られた「LOハイブリット」など、新しい品種が続々と登場してきています。

花は豪華なままでサイズが小さいものや、鮮やかな色合いのものなど、新しい品種が百合の固定概念を覆し続けています。

置き場所と土は品種によって変えて

百合は種類によって、日当たりが好きなものと、明るい日陰が好きなものがあり、植え付け用土も、粘土質の土・有機質に富んでふわふわとした軽い土・水はけがよい砂地と、異なる土質を好むために、それぞれの球根に合わせて環境を変える必要があります。

鉢植えの場合は、赤玉土腐葉土=3:2鞍の割合でブレンドした土をベースにして、それぞれの品種に合わせて水持ちや水はけを改良するようにブレンドを変えてみましょう。

オリエンタル系とその原種
もともとの原種の生息域と同じような環境を好むので、オリエンタル系は明るい日陰に置いて、腐葉土などをたっぷり混ぜ込んだ、有機質の多いふわふわした土で栽培しましょう。
一般の培養土腐葉土をブレンドした土などが適しています。

アジアティック系・ロンギフローラム系
アジアティック系やロンギフローラム系は、日当たりの良い場所を好みます。
日のよく当たる場所で栽培すると、土が乾きやすいのですが、百合は湿った状態を好むので、乾きすぎにならないように注意しましょう。

アジアティック系は砂状の水はけのよい土を、ロンギフローラム系は粘土質の土を好むので、植えつけ用土はそれぞれに合わせましょう。

原種の百合は自生地に合わせて
スカシユリ・テッポウユリ・コオニユリなどは日当たりのよい場所で育てますが、スカシユリは砂状の水はけのよい土で、テッポウユリ・コオニユリは粘土質の土で栽培します。

ササユリ・オトメユリなどは明るい日陰で育てて、ふわふわと軽い有機質の多い土で栽培します。
それぞれの百合の自生地に合わせるのが一番うまくいくので、どんなところに育つ百合なのかよく調べて栽培しましょう。

百合の球根は3つ分下に植える

百合の球根の先端のとがったところから茎がのびてきて、その反対側から根が伸びてきますが、百合の場合は伸びた茎の地下部分にも根が伸びてきます。

球根の下の根を「下根」、上の根を「上根」といい、下根が自分自身を支え、上根が水分や養分を吸収しています。

地上部分に置く土を少なくすると、上根が伸びてこなくなるので、きちんと水分も養分も吸収できなくなるので、生育が悪くなります。

球根の上に球根の大きさの2〜3個分の土をかぶせる必要があり、鉢植えの場合はその状態で、鉢の真ん中あたりに球根が来る深さの鉢に植えるようにします。

百合の球根は秋に植え付けて、寒さにしっかりあてる必要があります。
10〜11月が植えつけ適期で、植え替える場合もこの時期に行います。
庭植えの場合は2〜3年は植え替える必要はありませんが、鉢植えの場合は毎年、植え替えます。

百合の水管理

百合は球根そのものも、植え付け後も、乾燥を嫌う植物です。
表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。

雨の日は、水やりしないでいいと思いがちですが、土はあまり湿っていないときがあるので、土が乾いていないか確認し、土が乾いていたら雨の日でも水やりしましょう。

乾燥しがちなときや、秋に地上部が枯れてしまった後、つい水管理を忘れてからからに乾かしてしまうことがないように注意してください。

株もとに腐葉土やマルティング材をたっぷりとかぶせておくと、土が乾きにくくなります。

百合の花と花粉

茎が伸びてきて蕾がたくさんついてくると、茎が倒れそうになるので支柱を立てて支えるようにしましょう。

百合の開花時期は品種によって異なりますが、6〜7月ごろが開花時期です。
一つの花は10日前後長持ちし、花に風や雨が当たらないようにするとより長持ちします。

切り花で楽しみたいとき、茎を1/2〜2/3残すようにすると、その後に球根に栄養を蓄えることができるので、来年も花を咲かせることができます。

百合の中央のおしべの花粉はつくと取れにくいし、種をつけてしまうと球根に栄養がいかなくなるので、あらかじめとってしまっても構いません。
花粉が服などについてしまった時は、こすらずにガムテープなどで貼り付けて取り除きます。

百合の花後の処理

一つの百合の花が終わったら、種をつけないように、一番近い茎のところで切り落としておきます。
花が全部終わっても茎は切り落とさず、しっかり葉を育てて球根を太らせ、来年も花を楽しめるようにしましょう。

葉っぱだけになってしまっても、百合は乾燥すると球根がダメになってしまうので、土が乾いたらたっぷりと水やりするのを忘れないようにしてください。

秋になり、葉が全体に枯れてきたら、株元から切り落とし、10〜11月になったら鉢植えは植え替えるようにしましょう。

生息地が狭まりつつある原種の百合

近年、西日本を中心に広く自生し始めた「タカサゴユリ」は台湾原産の外来種で、生命力が強く、栽培が難しい日本の在来種を駆逐しています。

山野で自生している日本原産の百合は、近隣住民の方が手入れをして、保護活動をされていますが、心無い盗難が相次いでいます。

百合の栽培をするのであれば、園芸品種が多数流通しており、品種改良によって育てやすくなっているので、園芸品種を育てるようにしましょう。

原種の栽培に挑戦する場合も、原種の園芸品種を入手して栽培するようにして、自生種を採取することはやめましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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