ガーデニング

可憐な鈴蘭は「きれいな花には毒がある」!?

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は大きなすっとした葉の中に、白くはかなげで可憐な美しい花が連なって咲くので、ぜひ自分でも育ててみたいと思うものです。
園芸品種としてよく流通している鈴は強健種のドイツスズランが主流ですが、本州中部以北には在来種のニホンスズランが自生しています。

白い花のイメージが強いのですが、ピンクのものや、斑入りの葉のものなどもあります。
しかし、「きれいに花には毒がある」ということわざがあるように、鈴は毒草なので、管理に注意が必要です。
について、詳しくご紹介しましょう。

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春一番を告げる香りのよい鈴蘭の花

寒さに強く、暑さに弱い鈴は本州の中部以北にも自生しており、開花時期が4〜5月で、北国の遅い春の到来を告げる花として、はかなげな美しい姿に魅せられる人は多いものです。

山野草として日本国内に自生している鈴はニホンスズランですが、園芸品種として日本国内でも古くから栽培されているのはヨーロッパ原産のドイツスズランで、ニホンスズランの方がより暑さに弱い品種のために育てにくいので、ほとんど市場に出回っていません。

ニホンスズランとドイツスズランの違いは?

の別名「君影草」はニホンスズランの別名で、ニホンスズランの方がドイツスズランよりも全体に小ぶりで、ドイツスズランの花茎が葉より上まで伸びるのに対して、ニホンスズランは葉の中に埋もれる長さにしか伸びません。

は香りの強い花ですが、ドイツスズランの方が香りがより強いので、香水の原料にも利用されています。

は大きな緑の葉に可憐な白い花が咲くイメージが強いのですが、ドイツスズランは品種改良によって、ピンクの花や大きな花、花数が多いもの、葉に縦縞の入ったものなど、様々な品種が生み出されています。

鈴蘭の花が終わったら

の花が終わったら、茎を付け根で切り落として花殻つみをしますが、そのままにしているとあずき色の実がつくので、種を取ることができます。
実の皮をむくと種が入っているので、水できれいに洗ったらすぐに種まき用土に植えて、土が乾かないように管理します。

残念ながら、種を植えてもすぐには発芽しません。
発芽するのは翌春なので、それまで気長に土が乾かないように気をつけながら管理していく必要があります。
芽が出てから地植えか鉢植えにします。

鈴蘭は涼しい水はけのよいところに植えて

は寒さにはとても強いため、北海道にも多く自生していますが、高山植物のイメージにもあるように暑さにはとても弱いため、風通しの良い涼しい場所に植える必要があります。

日陰のじめじめしたところが好きなようにも思えますが、日当たりがよくないと花をつけないので、落葉樹の木の根元などに植えると管理がしやすくなります。

の苗はポットを外したら、軽く土を落として、傷んだ根や伸びすぎた根などをきれいに整えた後、芽がいくつか出ているので、芽を土に埋めてしまわないように少し土から出した状態で鉢植えか地植えにして育てます。
植えつけ適期は、葉がまだ出そろっていない春先の4〜5月上旬か、葉が枯れてきた秋の終わりの10〜12月上旬です。

鈴蘭の植え付け用の土は?

はじめじめとしたところが苦手ですが乾燥にも弱いので、適度な保水性のある土に植える必要があります。
弱酸性の土壌を好むので、山野草の栽培用にブレンドされた山野草の土か、赤玉土・軽石砂・桐生砂などに腐葉土をブレンドした土を用いるのが適しています。
有機質が多い土を好むので、腐葉土は多めにブレンドしましょう。

水はけをよくするために、鉢植えにする場合は鉢底石を入れておいた方が管理がしやすくなります。

鈴蘭の水やりと肥料

は過湿を嫌いますが、乾燥してしまうと枯れてしまうので、表面の土が乾いたらたっぷりと水やりし、土に湿り気があるときに水やりをしないようにしましょう。

は多肥にすると花が咲きにくくなるので、花が終わった後のお礼肥として緩効性化成肥料をひとつかみ施肥するか、花後1〜2か月間に規定量に薄めた液体肥料を水代わりに施肥しますが、それ以外は特に施肥しないようにします。

植え替え・株分けは葉が枯れてきたら

11月を過ぎると、鈴は休眠期に入ってきて葉が枯れはじめ、枯葉に包まれるように根元に新芽が出てくるので、植え替えや株分けの適期になります。

新芽が傷つかないように枯葉やごみを取り除いて、傷んだ根をきれいに整えたら一回り大きな植木鉢に植えるか、腐葉土堆肥をたっぷり混ぜ込んだ上に土を少し戻してから埋め戻すようにします。

新芽がすべて土に埋もれてしまわないように、先端が土から出ている状態に浅植えしましょう。
株が大株に育ってきた時は、4〜5芽ごとに切り分けて株分けしましょう。
植え替えのタイミングは鉢植えでは2〜3年ごと、地植えでは4〜5年ごとがおすすめです。

鈴蘭は根に至るまで毒がある

ニホンスズランもドイツスズランも、根に至るまで全草に毒がある有毒植物です。有毒物質は特に花と根に多く含まれます。
山菜で人気のある行者ニンニクと鈴は葉の形が似ているために、誤って食べて中毒になることがあります。

素手で触るとかぶれることもあるので、鈴の手入れをするときには素手で触らないようにし、触ったときはすぐに手を洗うようにしましょう。

子供やペットが触れると危険なので、管理には十分に気をつけましょう。
この毒のおかげで、鈴は病害虫を心配する必要はありません。

切り花をつけおいた水にも注意!

香りもよいので切り花として鈴を楽しむこともできますが、花そのものも有毒ですが、その切り花を生けておいた水を飲んでも中毒を起こしてしまいます。
死に至ることもあるので、ペットや小さい子供が誤って口にすることがないように十分に気を付けるようにしてください。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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