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ネジバナってどんな花?茎もねじれている?

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すっと枝が伸びていて、小さなピンクや白の花がらせん状にねじれた茎についている「ネジバナ」は、原っぱや芝生の中で自生していることが多い植物で、雑草として抜かれてしまうこともよくあります。

空き地に生える「ネジバナ」は、実はランの仲間です。葉っぱは地際に生えるので草の中に埋もれて目立ちにくく、初夏に花茎をのばしてくると見つけやすくなります。勝手に出てきたネジバナは強いものが多く、翌年もまた芽が出てくる可能性が高くなりますが、移植して育てようとすると、意外とつきにくい性質があります。

ネジバナは身近に生えているから探してみよう

ネジバナは、北海道から沖縄まで日本中で自生しているのが見られる、15〜40cmの草丈のランの一種です。まっすぐに伸びた茎の先端10cm分くらいのところに小さな花がらせん状に並んで咲く姿がかわいらしく人気があります。

苗を手に入れても育てるのは意外に難しいといいますが、ランの中では育てやすい方なので、はじめてのラン栽培に挑戦することを考えると、育てやすいランの花と言えます。

芝生の中や道路わきに自然に生えることがよくあり、この自生しているネジバナは抜いてもすぐにまた生えてきます。茎が細く草丈も低めで、花も大きくないので気づきにくいのですが、初夏の身近な公園や庭の芝生、道路わきをよく見ると、あちこちで頭を伸ばして咲いているのを見つけることができます。芝生を眺めてみて、ひょろひょろと中から伸びて飛び出ている細い草があれば、たいていがネジバナです。

ネジバナは「モジズリ」だけど古今集の歌とは無関係

ネジバナの別名に「モジズリ」があるので、古今集の恋の歌、

「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに」

の「もじずり」はネジバナのこと?!と思ってしまうことがありますが、この歌にある「もじずり」はネジバナのことではなく、模様のある石の上に布を置いて草を刷り込んで緑色に染めた染め物のことをさしています。布に草をこすりつけるようにして染めたので、ねじれ模様のような模様がついて染め上がるので、「もじずり」と言われたようで、染め物に使う草も、シノブやシキシノブが使われていました。

歌の中にある「しのぶもじずり」の「しのぶ」は「シノブ草」のことという説と、もじずりを行っていた「信夫の里」のことという説がありますが、いずれにせよ、歌の中の「もじずり」と「ネジバナ」とは無関係です。

ネジバナの別名「モジズリ」は、ねじれたようにらせん状に花が付くことが、もじずりの染め物の「よじれ模様」に似ていることからつけられた名前といわれています。

ネジバナのらせんは方向も回り方も自由奔放

ネジバナの花は茎を中心に外に向かって一列に咲きますが、上から見て花の並び方が右回転のものも、左回転のものもあります。どちら向きがより多いというわけではなく、どちらもあって、その回転の仕方も、ゆるくねじれているところもあれば、急にねじれている部分もあり、規則性がありません。

通常は右巻きが途中から左巻きになったり、その逆に左巻きが途中から右巻きになったりする性質はありませんが、一株から右巻きと左巻きの両方が生えてくることもあります。

ネジバナの育て方

庭の芝生の中に見つけたネジバナをそのままにしておくと、7〜8月には黄色くなってきて種がついてくるので、その種を周りの芝生にまくか、自然に飛び散るに任せておくと、翌年たくさんのネジバナが伸びてきます。芝生などの背の低い草とともに自然に放置することでネジバナは最も簡単に栽培できます。

自生していることの多いネジバナですが、数は多くないものの、園芸店の店頭に並ぶことがあります。そうした苗を購入して育てる場合、日当たりの良い場所で、水はけと通気性の良い土で栽培します。

鉢植えで育てる場合は、乾燥すると枯れやすいので毎日水やりするなどの水切れ対策が必要ですが、地植えの場合は芝生のついでに育つので特に世話は必要ありません。栽培に使う土は、通常の草花用の培養土でも育てられますが、水はけや通気性を改良するために、赤玉土の小粒や川砂などを半分程度まで混ぜたものを使うのがおすすめです。ネジバナは酸性の土壌を好むので、苦土石灰などをまかないようにしましょう。

鉢植えで育てていて、夏場土が乾燥しやすいときは、鉢皿に水をためておく「腰水」をすることで、手間をかけずに乾きがおされられます。また、鉢植えでも芝生と一緒に植え付けると、余り手をかけなくても丈夫に育ちます。

開花期間中は特に水切れに注意して

ネジバナの開花期間は6〜7月です。蕾がつき、開花している期間中は水切れすると枯れてしまうことや、花がダメになってしまうことがあるので、この期間は特に水切れには注意します。

鉢植えで育てる場合でも、この花の期間以外は多少の水切れでは枯れたりしないので、ほぼ自然任せで育てることもできますが、乾燥気味に育てると翌年花をつけないこともあり、これを「作落ち」といいます。作落ちさせないためには、冬であっても乾燥しすぎないように水管理には気を付けるようにします。 

地植えで育てている場合は、芝生が枯れないように芝生をグリーンに保つように管理しているとネジバナの管理もうまくいきます。

ネジバナの肥料は少なめに

ネジバナ肥料不足が作落ちの原因になることがないわけではありませんが、肥料をあげると草丈ばかりが大きくなりすぎるので、地植えでも鉢植えでも、肥料は控えめにするか、無肥料で育てます。肥料を与えたい場合は、4〜5月に緩効性化成肥料を少量まくようにします。

一般の培養土に含まれる肥料分も、ネジバナには多すぎる肥料分なので、肥料を含んでいない川砂や赤玉土を加えることで濃度を下げる働きもしています。酸性の土壌を好むので、鹿沼土や桐生砂も栽培に用いるのに適しています。

ネジバナの増やし方と害虫対策は?

ネジバナは実は歴史がある花で、江戸時代から栽培されていた花です。ねじれたように咲く変わったネジバナを育てて増やしてみたいという人もいることでしょう。
ちょっと風情のある不思議なネジバナの増やし方と増やす際の害虫対策についてまとめました。

ネジバナの育て方や増やし方は?

ネジバナを育ててもっとたくさんに増やしてみたいと思った場合にはどうしたらいいのでしょうか。ネジバナは雑草としても生えていて日光を浴びてよく育つ植物として知られています。
そしてネジバナは、ランの1種でよーく見るととても小さな花がランらしい形をしていてとても面白いものです。庭で育てて増やしてみませんか。
ネジバナを育てるには水はけがいい土にした上で、水を頻繁に多めにやりながら育てるのがおすすめです。
ネジバナは、素朴な印象を受ける花であまり市販では売られていないことが多いのですが、購入するとなると8000円〜9000円もするような花です。できれば自分で増やすのがいい花と言えます。
増やす方法としては株分けか種まきで増やす方法があります。

ネジバナの具体的な増やし方は?

具体的な増やし方としては、株分けをして増やす場合には花が6月〜7月に咲きますので、その後の夏の終わりに株分けをしてみましょう。とにかく日当たりのいい所、水はけがいい所で、ちょっと湿った場所に植えるようにします。
ネジバナは株分けして植えると、全く異なる葉っぱの形になったりすることもある植物です。どんな風に育つかは少し観察しておきましょう。
また、種で増やす場合には7月〜8月に花が黄色になって小さな実ができますので10月頃に種を採りましょう。あまり遅くに採ろうとすると、種が完熟して飛び散ってしまいますのでどこにいったかわからなくなります。早めに採取するのがおすすめです。
ただし、ネジバナは種で増やしても花が咲くまでに2年〜3年もかかってしまいますのでゆっくりと育てていくことが大切となります。
また、増やす際には肥料などはやる必要がなく、雑草としても生えていますのでそのままでも充分に育っていきます。
ただ、ネジバナは害虫に弱く、カタツムリやナメクジに新芽を食べられてしまうこともありますのでその点に注意をして育てましょう。害虫が付いていないか、鉢植えの場合には鉢の裏をよく見て気を付けておきましょう。カタツムリやナメクジがいないかよくチェックすることが大切です。
庭植えの場合には土の中にそういった虫がいないか、よく観察しておく必要があります。害虫がいた場合は駆除剤を使ってネジバナが食べられないようにして下さい。
また、ネジバナをたくさん増やした場合は、少し詰め込んだ感じに植え込んでみると見栄えがするようになります。ネジバナをたくさん増やしてみるのは楽しみですよ。

ネジバナを種で増やす方法にはちょっとしたコツが!

ネジバナは、種で育てることもできますが、育てるには実はちょっとしたコツが必要です。普通に蒔いても芽が出ませんので気をつけることが大切です。
ネジバナは、ラン科ですので種から育てるのも特殊となっています。実は、ラン科の種には発芽のための栄養の胚乳がなく胚芽だけしかありませんので、そのまま植えても発芽しません。芽を出させるためには、菌の助けが必要です。
一番いいのは親株の株元に種を蒔く方法です。親株の元には菌がいますのでそれを活用する方法が特におすすめです。そして、親株の元で自然に芽が出たものを鉢に植え替えて育てるといいでしょう。
また、一つには、段ボール種まきといった方法があり、羽蝶・紫などのラン科の種を段ボールを混ぜた土に蒔くと発芽するということがわかっています。この方法で種を発芽させてみる方法は面白く、ネジバナではどうなのかはあまりわかっていませんが野生にいいようですので試してみるのもいいかもしれません。あまり寒いと発芽しませんので2月下旬〜3月上旬の暖かくなってから種を蒔くと良く、うまくいくと1か月程度で芽が出てきます。 こうしてネジバナの芽が出てきたら楽しいですよね。ラン科の種まきは難しいということを知った上でトライしてみるのもいいですよね。芽が出た時の喜びもひとしおです。

ラン科の1種、歴史あるネジバナを増やすのは楽しみ!

いかがでしょうか。ラン科のかわいらしくて素朴な花、ネジバナを育てて増やしてみたくなった人も多いのではないでしょうか。
あまり広く育てられていないネジバナだからこそ、育ててみたい気がしますよね。株分けで増やすのは簡単ですし、種で増やすのは難しくもありますが、芽が出た時の喜びは大きいものでしょう。
ネジバナはたくさん増やすことで見栄えもしてきて風情がある面白いものになります。一つ一つの本当に小さなかわいらしい花を大切に観察しながらネジバナを育ててみてはいかがでしょうか。
害虫に気を付けながら歴史のある小さなネジバナに思いを込めて育ててみませんか。

ネジバナを見つけて種から育ててみよう

ネジバナは日本を含めて、東アジア全域各地で自生している姿を見ることができます。
ネジバナは、公園や芝生、道路脇など、よく見ていると、細長く背を伸ばして花開いているのを見かけることがあります。

ネジバナは日当たりの良い場所でよく探すようにすると、5〜7月の開花時期であれば日本中どこでも、現在でも自生しているものを見つけることができます。
ネジバナは、日本で最も身近にある自生しているランですが、ほっそりとした姿があまり自己主張しないためか、乱獲されることもなく、レッドデータになることもなく今に至っています。

誰が育てているわけでも、管理しているわけでもありませんが、花茎は草むらや芝から大きく伸びだしているので、探してみれば、あちこちで花を見つけることができます。

雑草扱いされていますが品種もあります

ネジバナは芝生などに生える雑草として、抜かれてしまうこともよくありますが、世界中にネジバナの仲間は100品種以上が存在し、名前も個別に付けられているものもあります。

最もポピュラーなネジバナは、草丈が15〜40cmくらいになり、太い根が10〜15cmほど地下に伸びています。
屋久島の高地の固有種である「ヤクシマネジバナ」は草丈が10~20cmしかない小型(矮小)種です。

本来ネジバナは5〜7月に開花しますが、晩夏〜秋10月頃まで咲く秋咲きの「アキネジバナ」も各地で見られています。
暖地に生えるネジバナで、日本では伊豆諸島や奄美大島より南で自生している、3〜4月に開花し、5℃以上の温度がないと枯れる「ナンゴクネジバナ」があります。
白い花も咲かせることのある、大ぶりの背丈で見栄えがする北アメリカ原産の「アメリカネジバナ」もあります。

ネジバナは花が咲いていない時期は見つけにくい

ネジバナの花茎が持ち上がってくると、周りの草丈よりも背が高くなるので、探せば見つけやすくなりますが、花茎が伸びていない時期はとても見つけにくくなります。
そもそも、花茎が伸びていても、細長いので、意識して探さないと気が付かないことが多くあります。

ネジバナの葉は、冬は丸く短い葉をしていて、一株に3〜5枚の葉を出して、地面にへばりつくように広がっています。
周りの芝生や草が冬枯れていたとしても、そこに埋もれてしまっているので見つけるのは困難です。

ネジバナは常緑の植物ですが、春と秋に葉が入れ替わっています。
春になって暖かくなってくると、中心の部分から細長い葉が伸びてきます。
細長い葉の中心から花茎が伸びてきますが、開花時期になると、地面にへばりつくようにしてついていた冬葉が枯れ落ちます。
花が終わって秋めいてくると、細長い夏葉の周りにまた丸く短い冬葉が伸びてきて、冬になると細長い夏葉が枯れてしまいます。

ネジバナの種をまいて育ててみよう

ネジバナは小さな虫に受粉してもらうこともありますが、花が縦に螺旋状に並んでいることもあって、虫に受粉してもらわなくても花粉が崩れて自家受粉できるようになっています。

ネジバナの種は花後1ヶ月以内にできて飛び出してしまうので、花後ついているさやが黄色くなってきた時点で花茎を切り取っておき、紙袋に保存しておきましょう。
1〜2日経ったら、種が採れています。
種を取り出して種まきしましょう。

生えているネジバナに、茶色くなった種がついているのを見つけたら、株元をつかんで、手をすーっと先端に動かしていくだけで、手の中に種が取れていきます。

普通の土の上にそのまままいても発芽しないので、すでにネジバナが生えているところにまくか、育てている他のランを植えている鉢にまくようにします。
ネジバナの発根にはランの根等についている菌の助けが必要なためです。

親株の周りに芝生を植えて置くと、ネジバナが過ごしやすい環境になるので、そのうえで種まきすると、ネジバナの株が増えてくるので、育てがいがでてきます。
小さな花につく小さな種なので、一個一個取り出すのは難しくなりますが、まとめてとる作業そのものは簡単です。

鉢植えでネジバナを育てるには

ネジバナは、誰も世話していないのにあちこちに生えてきますが、人為的に育てようとすると意外と育ちにくいものです。
ネジバナは乾燥にとても弱いので、よく育ってきていても、水涸れしやすく、せっかく花茎が伸びてきても、乾燥が進んでしまうとあっという間に花がだめになってしまいます。

ネジバナの株が手に入ったときは、その周りに芝生の種をまいて、芝生の芽を出させるようにしましょう。
芝生の中によく生えているネジバナなので、育ちやすい状態を再現することで、より育てやすくなります。

鉢植えの場合は水切れがしやすいので、雨続きでない限り、1日1回以上必ず水やりし、乾燥がひどい時期は鉢皿に水をためておく底面給水を利用して水切れしないように工夫しましょう。

自然に勝手に生えてきやすいから肥料は控えめに

ネジバナは、誰の手も借りなくても自然にあちこちで生えてきています。
ランの大部分と同じように、ネジバナもランなので、肥料分をほとんど必要としません。
十分によく日の当たる場所で育てると、全く肥料をあげなくても花を咲かせることができます。

肥料をあげすぎると、ネジバナは、草丈ばかり高くなって、花つきが良くなるわけでもないので、無理に施肥しないようにしましょう。
培養土に混ぜてある肥料分でも、ネジバナには濃いので、肥料分を薄くするために、培養土に多めに赤玉土鹿沼土をブレンドした土を使ったり、水苔のみを使って栽培します。

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