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雪柳の春を告げる可憐な白い花を楽しむ。育てやすい雪柳の魅力

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雪柳は、枝が柳のようにしだれて伸びるので名前に「柳」がついていますが、柳ではなく、バラ科の植物です。原産地は中国や日本で、丈夫でどこでもほぼ放置で育てられるのに花つきもよいので、庭木としてもよく使われ、人気があります。

根がとても深く広く伸びていくので、鉢植えで育てるのに向きませんが、庭植えにすると、必要な手入れと言ったら茂りすぎた枝数を少なくする程度の世話いらずなので、庭植えで育てるのが一般的です。

雪柳は冬ではなく春に咲く花木

雪柳は、春先に葉が伸び始めるころ、細く長いしなやかな枝を覆いつくすように、小さい可憐な白い花をびっしりと咲かせてくれます。
雪柳の花一輪は、5枚の花びらで花径が7~8mmと小さいのですが、枝を覆いつくすほどびっしりと咲くので、細い枝に雪が降り積もったようになることから「雪柳」と名付けられました。
散った花びらで地面も真っ白になり、砕いた米をまいたようにも見えることから、「小米花」とも呼ばれています。

雪柳の一枝は1週間程度花もちがするので、切り花としても長く楽しめます。

通常の雪柳は5枚の花びらの一重咲きの花ですが、八重咲きの品種もあり、八重咲きの「蜆花」は「こでまり」とよく似ているため見間違われやすくなっています。
雪柳というと、「枝垂れする白い花」と考えがちですが、3~4月ごろに薄いピンクの花を咲かせてしだれない品種の「紅花雪柳」もあります。

花びらの裏面だけピンクなので蕾もピンクになり、ピンクと白が入り混じって咲く「フジノ・ピンク」や、新葉が黄色でだんだんと緑色になる「オウゴン」といった珍しい園芸品種も出ています。

雪柳は日当たりと風通しの良い場所に

雪柳は細枝がしなるように1~1.5mに弓なりに伸びる落葉性の低木です。
雪柳を日陰に植えると生育も花つきも悪くなってしまうので、雪柳はよく日の当たる風通しの良い場所に植えるようにしましょう。
非常によく育つので、かなり大きめの鉢で育ててもすぐに根でいっぱいになってしまうので、庭植えで育てるようにしましょう。

雪柳は寒さに強いので、特別な防寒対策なしでも越冬できます。

雪柳は有機質に富んだ水はけのよい土を好むので、植穴を掘ったら、腐葉土堆肥をたっぷり庭土に混ぜ込んでから植え付けるようにしましょう。
雪柳は丈夫な植物なので、やせ地でも育ち、やせ地に植えると枝が全体的に細くなるので、より繊細なイメージを保つのであれば、やせ地に植えるとぴったりの風情になります。

雪柳の植え付け適期と植え替え

雪柳の苗木は2月に園芸店の店頭に並び始め、4月ごろ最も多く出回ります。
雪柳の植え付け適期は葉のない2~3月で、早咲きの品種は11~12月に植え付けます。
雪柳は丈夫なのでそれ以外の時でも、真夏以外ならいつでも植え付けできます。

雪柳の植え替えは基本的には必要ありませんが、植え場所を変えるときや、大きくなりすぎたものを株分けする場合は、植えつけ適期と同じ2~3月に行います。
掘り上げる際に、根を傷めてしまうこともありますが、多少根が傷んでも枯れることはほとんどないので、思い切って掘り上げるようにしましょう。

雪柳を株分けする場合は、4~5本ずつを1株として、ハサミなどで切り分けてもしっかりと根付くので思い切りよく株分けします。

雪柳の水管理と肥料

雪柳は、植え付け時にたっぷり水やりをしますが、根付いた後は基本的には水やりなしで自然の恵みだけで十分なので、特に乾燥がひどいとき以外は水やりなしで育てます。

小さな苗木を育てる場合は、水切れには弱いので、水切れしないように表面の土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。

丈夫な雪柳とは言え、肥料が足りないと花つきが悪くなってしまうので、2月に寒肥、花の後にお礼肥をあげるようにします。
株もとに緩効性化成肥料をひとつかみまいておきましょう。
2月の寒肥は株もとに穴を掘って有機堆肥を埋め、土をかぶせておいても効果的です。

とても丈夫なので剪定は思いっ切り

雪柳はとても丈夫でよく育つので、放っておくと枝がどんどん伸びてごちゃごちゃするので、花が終わったら早いうちに剪定してすっきりさせるようにします。
9~10月ごろに来年咲く花の花芽ができてくるので、その前に切り戻しをして、秋以降の剪定はなるべく避けるようにします。
枯れた枝や古い枝は、花の咲く前の1~2月ごろに切り取っておくことで、花の時期に枯れ枝が混ざらないのでスッキリします。

通常株元30cmくらいまで刈り込みますが、4月に花が咲いた後に地際ですべて刈り込んでしまったとしても、秋に花芽がつくころには新しい枝が1mくらいに伸びていて、翌年も開花します。
まったく剪定しなくても花つきが悪くなるわけではないので、自然に任せることもできますが、風通しが悪くなることで、カイガラムシやアブラムシがついたり、うどんこ病が発生することがあります。

雪柳は秋が深まると葉が黄色や赤に紅葉して落ち、翌年の花が咲く直前か花が咲くころに再び葉が伸びてきます。

雪柳の花の魅力、花言葉や愛される理由は?

雪柳の花言葉は?

雪柳春の花で4月の花のピークにはたくさんの花が人を魅了しますよね。白やピンクのかわいらしい花がたくさん咲く雪柳の花言葉は、「愛らしさ」や「気まま」「自由」「殊勝」「静かな思い」などです。
一つ一つの花はとても小さなものであることが特徴的なことから「愛らしさ」といった花言葉が付いているようです。
また、花は細くしなった枝に雪が積もったようにびっしり咲いているのですが、その様子が猫のしっぽのようにもしていることから「気まま」「自由」といった花言葉も付いています。「気まま」「自由」というとちょっとこの花言葉だけ他の花言葉と異なるイメージだと思われますが、雪柳の枝の形状からきているものとなっています。
それぞれの細く長い枝が自由に伸びて成長していき、そこに花がびっしり咲いているのは雪柳ならではの個性的な姿ですよね。その姿は確かに「気まま」や「自由」にも見えるかもしれませんね。この多くの枝が自然な感じで伸びているのも雪柳の大きな魅力です。
「殊勝」「静かな思い」という花言葉は、雪柳の白くて清楚な花から来るイメージでしょう。静かですがしっかりと咲いている印象もあります。
こうしてみますと、「気まま」「自由」以外は、白い花のかわいくて清楚なイメージが印象的な雪柳の花言葉になっているようです。

雪柳が愛される理由は?

小さくてかわいい花のイメージが強い雪柳は、中国原産や日本原産と言われています。関東以西にはよく自生しています。自然の雪柳を見た人も多いでしょう。 また、庭で植えている人も多く昔から親しまれている木です。1本植えると多くの花が咲きますので存在感がたっぷりなのも魅力です。
そして、育てやすいということも庭などに植えて愛されている大きな理由です。1mほどの低木なのでどんな場所ででも育てることができ、初めての庭木としても育てやすい丈夫さを持っています。病気や害虫もあまりなく心配がいらない庭木としておすすめです。公園などでもたくさんの雪柳が植えてあるのをよく見かけますよね。
また何といっても花言葉にもあるように「愛らしい」といったイメージがある花ですので、小さな白い花があふれんばかりに集まって咲く姿は日本人が好きなかわいらしさではないでしょうか。
今から春を迎えようとする時期に咲き誇る雪柳を見ると嬉しくなりますよね。清楚ですが心が華やかになります。

茶花としても飾られる雪柳

また、茶花(ちゃばな)としても飾られることが多いのが雪柳です。茶花(ちゃばな)は、 茶道で茶会の席に床の間などで飾られる花です。山野草などを素朴に飾ることが多く、自然をそのまま活ける感じですが、雪柳は3月~4月が花の時期に、春の季節を彩る木として生けられます。
雪柳の白い花が清楚で枝の垂れ下がった雰囲気が野趣あふれるものとして活用されています。

花の色や葉の色が違う品種も楽しんで

そんな雪柳は白い花だけでなくピンクの花もあるのを知っていますか。のような淡いピンクの色合いでこちらもきれいです。蕾の期間がピンク色をしていて開いくと段々と白くなっていきます。「紅花雪柳」「桃色雪柳」「フジノピンキー」などとして市販されていますので見つけられてみてはいかがでしょうか。
本当にを小さくしたような花が咲き、白い雪柳とピンクの雪柳を一緒に植えるのもいいですよね。樹高が1m~2mですので両方植えてもかわいらしくておすすめです。
また、園芸品種では、葉っぱがもっと黄色い「オウゴンユキヤナギ」もあります。枝に互い違いに生えている葉っぱもたくさんの葉がかわいらしい雪柳ですが、特に黄色の葉っぱの「オウゴンユキヤナギ」は明るい印象です。こちらは洋風の庭などの玄関まわりやアプローチ、垣根付近にも植えておくとよさそうです。
また、「オウゴンユキヤナギ」は、秋には紅葉します。春の花と秋の紅葉の両方を楽しむことができておすすめです。葉を楽しむリーフプランツとしても魅力がある人気の品種です。

愛らしい花の魅力と育てやすく親しまれている雪柳の魅力

いかがでしょうか。雪柳の魅力はかわいらしい小さな花の愛らしさと育てやすい木という両面から多くの人に愛される木となっているようです。
初心者でも育てやすい雪柳を庭に植えて、春は白い花でいっぱいにしてみませんか。「愛らしさ」を花言葉にしていますので、玄関近くや門周りに植えても多くの人にかわいらしく思われ、愛されるイメージとなります。
和風の庭や洋風の庭にも白い花はよく似合います。また、「オウゴンヤナギ」で明るい葉の色を楽しむのもいいでしょう。庭に植えておくと、毎年春になると一面が雪柳でいっぱいだったという思い出がきっと残っていくのではないでしょうか。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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