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ラナンキュラス・レペンスはどんな花? 少し変わったラナンキュラスを楽しむ

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ラナンキュラスというと、通常、幾重にも重なる豪華な花びらと多彩な花色を持ち、まだ寒さの残る早春から梅雨になる前までの長い間花を楽しませてくれる、真ん丸の大きな蕾もかわいらしい、存在感がある球根植物を連想します。
このポピュラーなラナンキュラスは、中近東からヨーロッパ南東部の地中海性気候の地域に分布するラナンキュラス・アジアティックスを中心に改良された園芸品種です。

ラナンキュラスには、これとは別に、ヨーロッパ原産のラナンキュラス・レペンスという品種もあり、レペンス種を品種改良した「ゴールドコイン」は、小ぶりのラナンキュラスと言った風情で、とても育てやすい品種です。
手をあまりかけなくてもよく育つラナンキュラス・レペンスとはどんな植物なのか、ポピュラーなアジアティックス種と比較しながら紹介していきましょう。

球根植物のラナンキュラスはラナンキュラスのごく一部

ポピュラーなラナンキュラスであるアジアティックス種は球根を育てますが、暑さに弱いために夏になる前に休眠するので、花後に球根を掘り上げて、10月以降の植えつけ時期まで冷暗所で保存しておきます。
これに対し、レペンス種は植えっぱなしで横へ横へと増えていくので、グランドカバーとして利用されることが多い多年草です。

ラナンキュラス(キンポウゲ)属の植物は世界中に500種以上分布していますが、そのほとんどが球根を作りません。
園芸品種で「ラナンキュラス」として出回っているのは「ラナンキュラス・アジアティックス」とその改良品種1種のみで、レペンス種はラナンキュラス・アジアティックス種とは別の品種になり、球根を作りません。

植えっぱなしで増えていくレペンス種

レペンス種は横に非常によく増え、丈夫で他の草が茂る妨げになるほど群生してくれるので、草抜きするのが面倒くさいような広い場所を「手間いらずでも花で彩りながら管理したい」というような贅沢な声にこたえるのにはうってつけです。

丈夫でよく増える植物にありがちですが、レペンス種も流通量は少なく、多年草を多く扱っている専門店以外では購入がむずかしいので、通販などで入手します。

レペンス種は草丈が20~60cmになる多年草で、花径が10cmくらいのものもあるアジアティックス種を、2~3cmの小ぶりに縮小したような花の「ゴールドコイン」、一重咲きのコスモスに似たような花を咲かせる「ゴールデンカップ」など、「花の豪華さ」1点をとるとアジアティックス種には及びません。
しかし、丈夫で手をかけなくても増えること、どんどん広がることから、苦労せず群生を楽しめ、4~6月と長く花を咲かせることができ、グランドカバーとしてもとても優秀で、楽して豪華に楽しめることから、栽培しやすさに関してはアジアティックス種は遠く及びません。

レペンス種はすこし湿ったところが好き

アジアティックス種が日当たりと水はけのよい場所を好み、湿気を苦手とするので、ラナンキュラスは湿気厳禁と思われていますが、レペンス種も日当たりを好むものの、明るい半日陰でも育ち、やや湿ったような場所を好むので、アジアティックス種と同じような環境に置くと乾燥しすぎになります。

かといって、「じめじめしたところ」と言われるほど湿った場所ではレペンス種にも環境としては過酷になります。
鉢植えで育てる場合、アジアティックス種は、土がしっかり乾いてから水やりするのに対して、レペンス種はもう少し乾燥度合いが少ない、土が乾きかけたらしっかり水やりするようにします。

レペンス種は、日当たりのよい場所で水はけのよい土で育てるとよく増え、花つきもよくなりますが、日当たりのあまりよくない水はけの悪い場所に植えたとしても、花つきは悪くなるものの、簡単には枯れません。
ランナーを大きく伸ばして、ぴったりの環境に移動していき、植えたところとはかなり違うところで繁殖していることがあります。

レペンス種はグランドカバーとして増やす場合、より扱いやすくなりますが、地植えの場合でも真夏の乾燥が進んだときは、水やりした方がいいので、元気がなくなったとき土を見て、乾いているようなら水やりするようにしましょう。

寒さに強いから北海道でもOK

アジアティックス種は寒さに弱く、霜のあたらないところで冬は管理し、夏の暑さにも弱くて、夏期は休眠していますが、レペンス種は寒さにとても強いので、北海道でも冬囲いに注意しなくても育てられ、夏の暑さもある程度耐えることができます。
アジアティックス種は寒さに弱いので、暖地向けの植物といえますが、レペンス種はどちらかと言えば涼しい気候を好むので、暖地よりは寒冷地向けの植物です。

夏に休眠しないため、夏でも地上部がなくならず、深緑色の光沢のある葉がグランドカバーとしてリーフガーデンを保ってくれます。
レペンス種は非常に丈夫で、ランナーを伸ばして横に広がっていくので、広がりすぎて周りの大事な植物が気付いたらいなくなっていたということも簡単におこります。
大切な植物と離れたところで育てて、横に増えすぎないように気を付けるようにしましょう。

ラナンキュラスを寄せ植えで楽しもう!

ラナンキュラスの魅力的な花を寄せ植えで楽しみたい人も多いでしょう。3月~5月の春に開花するラナンキュラスは華やかな花として人気です。
そのラナンキュラス寄せ植えする場合に相性がいいものをご紹介します。単独でも美しいラナンキュラスですが、もっと異なる魅力も味わってみませんか。

ラナンキュラスとの寄せ植えにおすすめは?

ラナンキュラスは、黄、白、赤、ピンク、複色、紫、緑、オレンジなど色がカラフルで花びらが幾重にも重なっている様子が華やかです。そんな春の花ラナンキュラス寄せ植えにするとしたらどんな植物と相性がいいでしょうか。 春の花ということで言えば、やはりビオラなどが同じようにカラフルで柔らかな雰囲気でおすすめです。ビオラのかわいらしいイメージがラナンキュラスの華やかな印象とはまた異なるイメージにも感じとれます。 同じ3月~5月にとても小さな花を咲かせる白いアリッサムもおすすめです。カラフルなラナンキュラスと対照的で白いかわいらしい花が印象的で、互いに引き立てあうことで魅力を増します。白いアリッサムは、いろいろな花との相性も良く、寄せ植えにも向いた花と言えますよね。 また、ラナンキュラスは、耐暑性があまりないのでそうした性格が合ったものと一緒に植えるようにしてみましょう。ビオラもアリッサムも耐暑性が弱いので似たようなタイプと言えます。 ただ、ラナンキュラスはカエルの住むような湿地帯が好きで少し水もちがいい土が好きですが、ビオラとアリッサムは過湿にならないように気をつけることが大切です。 具体的に寄せ植えをする場合は、ビオラとアリッサムなどは背が低いかわいらしい植物ですので手前に植えてボリュームを出すようにします。後ろにラナンキュラスを植えることでラナンキュラスが高く花茎を伸ばして高さもある寄せ植えをすることができます。ラナンキュラスが大きく育った場合には30cmほどにも草丈がなります。

華やかなラナンキュラスに負けないような植物と寄せ植え!?

バラにも似ていて幾重にも花びらを重ねて咲くラナンキュラスですが、寄せ植えをする場合には、草丈や姿が少し違う雰囲気のものと一緒に植えるのもおすすめです。
例えば、ラナンキュラスの場合は葉っぱが横に広がって育ち、花がぽってりとしたボリュームがある感じですが、その反対のイメージのスッとした植物寄せ植えをしてみませんか。ルピナスなどの花は高く伸びて咲きますので雰囲気が異なっていて魅力的な寄せ植えになります。また、葉っぱが個性的なルピナスですので寄せ植えにもおすすめです。
さらに、葉の色が変わっているものと寄せ植えをしてみるのもいいでしょう。花の期間は3月~5月と長いのですが、その間に葉っぱの元気がなくなってきて見た目が悪くなることがあります。そんな時に明るい葉の色がきれいなアイビーなどのリーフプランツを植えるのもおすすめです。リーフプランツを植えて葉っぱに変化を持たせた寄せ植えラナンキュラスの花の魅力を存分に楽しんでみませんか。
こうした花や葉の形状がラナンキュラスとは異なるイメージのものを選ぶことで、その変化と個性を楽しんでみるのは寄せ植えならではの楽しみです。

ラナンキュラスをたくさんの花色違いで寄せ植え

ラナンキュラスの寄せ植えで注意をすることは?

ラナンキュラスは花が枯れてきたら花を花茎の下から切るようにしましょう。花びらの縁が枯れてきたなあと思ったらすぐに切るのがおすすめです。
花に養分が取られないようにするためと枯れ始めた花をそのままにしておくことでカビが生えることを防ぐためです。全体が病気にならないように花はきちんと切りましょう。

寄せ植えをしていると植えこんでいる一つ一つの植物の特徴に合わせたお世話が大切です。寄せ植えで混みあった状態になっている場合も花が終わったらきちんと切るようにします。寄せ植えの中の方まで見て枯れたラナンキュラスの葉などがないかチェックしましょう。いつもきれいな株にしておくことが大切です。

ラナンキュラスの華やかな魅力を引き立てる寄せ植えを

いかがでしょうか。ラナンキュラスは、華やかさが魅力で葉っぱも花もボリュームがありますのでそれを楽しむことができるような寄せ植えを心掛けましょう。鉢も葉っぱや花がしっかりと見えて個性的なものに植えるのもおすすめです。
寄せ植えをする植物としては、スラっと伸びる植物や白いアリッサムなどの小花やビオラなどのかわいらしい花との寄せ植えも相性がいいものです。カラーリーフプランツで変化を作るのもいい方法です。
カラフルなラナンキュラスを植えてカラーリーフなどと一緒に楽しむのも素敵ですよ。ラナンキュラスの魅力をたっぷりと寄せ植えでも楽しんでみてはいかがでしょうか。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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