ガーデニング

秋を彩る濃い青紫色のりんどうを楽しむ

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りんどうは、近隣種も含めると、日本のほぼ全域に自生している山野草です。
りんどうの仲間は、世界中に約400種類が自生していて、日本にも18種類ほどの自生種があります。
りんどうは変種も多く、切り花や鉢植え向きに園芸品種も数多く作られています。
濃い青紫色のものが最もポピュラーですが、白やピンク色のものもあります。

秋の澄んだ青空のもと、濃い青紫色の花が愛らしく咲き誇る姿は、秋の風物詩の一つとして、古くから親しまれています。

畦に生えるりんどうは健胃薬にも

りんどうが、どんなところに生えているかというと、現在は山地の湿りけのあるところが多いようですが、かつては定期的に草刈りをされるような、田んぼや溜池の近くの道端、いわゆる「田んぼの畦」に、よく生えていました。

りんどうの根茎などを乾燥させたものは、日本や中国では「竜胆」として、苦味が舌先を刺激して胃液の分泌を盛んにする健胃薬「苦味健胃薬」として用いられていました。
古代ローマ時代からヨーロッパでも、ヨーロッパ原産のリンドウ「ゲンティアナ・ルテア」から、苦味健胃薬「ゲンティアナ」が作られていました。

りんどうは原種も園芸品種も多岐にわたって

りんどうは花姿や花色、大きさなどが違っていても、まとめて「りんどう」と呼ばれていますが、園芸品種は非常に多く、育てやすいものが多い中、専門性が高い品種もあります。

特徴のあるりんどうをいくつかご紹介しましょう。

キリシマリンドウ(シンキリシマリンドウ)

キリシマリンドウは、背丈が低いりんどうなので、鉢植えでよく栽培されていています。
よりコンパクトになるように品種改良された、ナツリンドウとの園芸交配種に、シンキリシマリンドウがあります。
花茎が非常に短く、先端にりんどうの花を3輪ほどつけますが、全体にこんもりした形状になります。

石鎚りんどう

石鎚りんどうは、花の濃い青紫色に白い斑点ができるりんどうです。草丈は10〜20cmなので、背丈が低いりんどうになります。
濃い青紫色の花の他に、ピンク色の花をつける品種「瑞紅」もあります。
鉢植えで育てるりんどうとして人気があります。

エゾリンドウ

エゾリンドウは、北海道から近畿地方までの広い範囲の、湿った草原に自生している、草丈30〜80cmに育つ、大型のりんどうです。
葉裏は粉を降ったようになり、長い茎を伸ばして、花茎に数輪ずつ、段々に花を咲かせます。

エゾリンドウの変種のエゾオヤマリンドウは、草丈が20〜40cmで、先端にしか花をつけず、花もあまり開きません。
エゾオヤマリンドウ園芸品種「いわて乙女」は切り花用によく栽培されています。

オヤマリンドウ

オヤマリンドウは、関東〜四国にかけて、山地の草原や岩場に自生しています。
幅広の葉っぱをつけた茎を長く伸ばしますが、花は先端にしかつけません。
草丈が60cm位になり、2〜3cmの長さになる花をつけますが、花は少しだけしか開きません。

フデリンドウ

フデリンドウは、北海道〜九州にかけて、ほぼ日本全域の、高地の草原や湿りけのあるところに自生しているりんどうの仲間です。
秋ではなく、春4〜5月に、花を咲かせます。
天気のいいときに花を咲かせて、曇りや雨の時は蕾を閉じてしまうところは、他の秋に咲くりんどうと同じになります。
本州~九州にかけて自生していて、春に開花する、フデリンドウよりやや大ぶりのりんどうとして、ハルリンドウもあります。
フデリンドウによく似た、高山に生えるりんどうとして、タテヤマリンドウ・ミヤマリンドウなどもあります。

りんどうは日当たりで育てて

りんどうは日光が当たらないと、花を咲かせません。
曇りや雨の日は花を閉じてしまうので、よく日の当たるところで育てましょう。
終わった花殻を摘まないと、種を作ろうとするので花を咲かせにくくなってしまうので、こまめに花殻摘みをしましょう。

りんどうは、冬は地上部が枯れてしまいますが、地下部は生きていて、来年の花芽が地下部にできています。
地上部が枯れた後は、地際近くまで切り戻しておきましょう。
冬に地上部がないため、水やりを忘れがちです。
水をやらなかったので、春に芽吹かなかったということがよくあるので、冬に地上部がなくなっていても、土が乾いてしまう前に水やりするようにしましょう。

りんどうは、水切れするとすぐに枯れてしまいますが、常時湿地のように湿りきったところでは根腐れしてしまいます。
表面の土が乾いてきたら、たっぷりと水やりするようにしましょう。

りんどうは水はけの良い土で育てて

りんどうは、もともと日本に自生している植物なので、庭植えにする場合、水はけの良い場所であれば特に土壌改良しなくてもよく育ちます。
普通の培養土に植えても構いませんが、水はけを良くするためには、培養土鹿沼土を加えるのがおすすめです。
酸度未調整のピートモスなども使えます。

鉢植えで育てている時は、芽がでてくる前の3月ごろ、鉢を外して傷んだ根だけを取り除き、そのまま一回り大きな鉢に植え替えるようにします。
りんどうはできれば毎年、少なくとも2年毎には植え替えるようにしましょう。

りんどうには肥料をたっぷりと

りんどうは、肥料不足になるとすぐに葉が黄色くなってくるので、葉が黄色くなる前に追肥するようにしましょう。

植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を土にひとつかみ混ぜておき、春〜晩秋までの間、真夏をのぞいて1〜2ヶ月おきに緩効性化成肥料を株元にまいておくか、液体肥料を月2回、水の代わりに与えるようにしましょう。

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