タイプ別・花色豊富なベロニカを素敵に植え付けるテクニックとは？

ベロニカはゴマノハグサ科のベロニカ属に属する花の総称で、世界中に200～300種ほどもの品種があります。また、花色が豊富で花期も長いのが特長です。品種によって、春・夏・秋咲きとバラエティに富んでいます。夏の暑さに強く、耐寒性もある丈夫な宿根草ですので、あなたもお好みのベロニカを選んで育ててみてはいかがでしょうか。

ベロニカとひと口に言っても、たくさんの品種があります。立性で穂状の花を咲かせるタイプ、這性で小花を付けながら横に伸びるタイプ、といった主な２つのタイプからそれぞれ代表的な品種をご紹介します。

まず、スラリと縦に伸びるタイプは、何と言ってもその美しい草姿が魅力です。代表的なものには「ベロニカ・スピカータ」や「ベロニカ・ロンギフォリア」があります。花色も青、紫、白、ピンク、水色と大変豊富なので、ボーダー花壇には必ずと言って良いほど植えられています。初夏、涼しげな花色の穂先が風に揺れる姿は、まるで印象派の絵画のようです。

一方、這性で横に伸びるタイプのベロニカは、春から初夏にかけて、可愛い青い小花をポツポツと花壇一面に咲かせてくれます。代表的なものに「オックスフォードブルー」があります。こちらのタイプもとても丈夫で、お手入れも簡単なのでおすすめです。また、花壇の前側に植えておくと、グランドカバーとして雑草を防止してくれる効果があります。

ベロニカは栽培方法も手入れもとても楽なので、ガーデニング初心者の方でもコツさえつかめば簡単に栽培することが出来ます。春または秋の適期に日当たりのよい場所に植え付けましょう。3月から4月、9月下旬から11月中旬の年２回が適期となります。

ベロニカは有機質に富む水はけのよい土を好みます。植え付けの一週間ほど前に堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきましょう。ポット苗の根鉢をくずして植えつけをしたら、たっぷり水やりをしましょう。庭にきちんと根付くまでは、土の乾燥具合を朝夕チェックしてください。

庭に地植えするのがおすすめですが、ベロニカは寄せ植えや鉢植えでも楽しめます。ポット苗は大きな鉢に植え替えましょう。ベロニカは成長が早く、芽数もふえやすい植物なので、毎年植えつけ適期に古い用土を落として、芽数を制限しながら植え替えしていきます。

ベロニカは環境適応能力が高く、夏場の風通しに注意さえすれば、植えっぱなしでもほぼ大丈夫です。植え付けのあとは基本的に朝夕の水やりを管理しながら、肥料は春と秋の年2回、緩効性のものを追肥するだけでＯＫです。

花色豊富で育てやすいベロニカなら、四季折々に庭を素敵に彩ることができますよ。ここからは、そんなベロニカの演出のアイデアや植栽テクニックをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

春、庭の植栽は、萌え色のパステルカラーが主役となりますよね。
水色や白、ピンクなど淡い色のベロニカは斑入りのパンジーやグリーンにもよく映えます。また、色が溢れる春先にこそ、花壇の一角に咲かせる花は色をあえて抑えるとシックに仕上がります。
たとえば、青と白、ピンクと紫など、ポイントとなる２色に絞って植栽をしましょう。庭の全体のトーンが引き締まり、デザイン性が高まります。

初夏、この季節は、鮮やかな色の百花繚乱となります。ですが、花色の豊富なベロニカなら、色々な植え方や魅せ方も可能です。例えば、涼しそうなガラスのテーブルの下に夏花のアレンジメントを置くとき、花丈のあるベロニカをアクセントとして挿しこむと素敵ですよ。

真夏、家庭菜園のカモミールやマリーゴールドには、補色になる青や水色のベロニカの花が、対照的な魅力を添えてくれます。草丈の低い花には「ベロニカ・スピカータ」や「ベロニカ・ロンギフォリア」、草丈の高い花には「オックスフォードブルー」を組み合わせましょう。高低や補色というコントラストを加えることによって、インパクトの強い庭が演出できます。

秋、咲いている花が限られてくるこの季節は、秋咲きのバラとベロニカを寄せ植えにして庭の中央に置いて飾ってみてはいかがでしょうか。寂しげではかなげな風情の花が多く咲く中、主役の花をドーンと大鉢に盛ってみましょう。いつもは花壇のわき役でボーダーを飾っていたベロニカも鮮やかなバラと組み合わせることによって皆の視線を集めることができますよ。

ペンネーム：Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。