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Pretty and useful、可愛くて薬用効果もある「カモミール」を育てよう!

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今回は、可憐な白い花とやさしい香りのハーブ「カモミール」の魅力をご紹介していきます。お伝えするポイントは、カモミールの特徴、栽培、効能の3つです。
カモミールはコツさえつかめば初心者の方でも育てやすいハーブのひとつですので、ぜひご家庭で育てて活用してみてくださいね。

カモミールの主な種類とは?その特徴は?

カモミールには、ジャーマンカモミールとローマンカモミールという代表的な2種類があります。ハーブティーにして飲まれているのがジャーマンカモミール、精油にしてアロマテラピーに使われるのがローマンカモミール、と覚えるといいかと思います。それぞれ呼び名が違うように、栽培方法や収穫の時期も少し違います。

ジャーマンカモミールは、キク科シカギク属の一年草ハーブです。通常、カモミールとして指すのはこちらになります。リンゴのような甘い香りと薬効成分を含むため、ヨーロッパでは古くから「カモミールティー」として愛飲され、その効能は「マザーハーブ」と呼ばれるほど、女性や子供たちの強い味方ですよ。ピーター・ラビットの童話の中で、食いしん坊のピーターが食べ過ぎてお腹をこわしたときに飲まされていたのが、このジャーマンカモミールのお茶になります。

また、ジャーマンカモミールは「植物のお医者さん」と呼ばれるほど周りの植物を元気にするので、コンパニオンプランツとして花壇や菜園などに混植されることが多いです。花芯の黄色い部分はこんもりと盛り上がっているのが特徴で、摘まむとリンゴのような甘い香りがします。花から抽出されるエッセンシャルオイルは濃い青色を呈しており、とても希少で高価なものです。でも、抗アレルギー効果が高いのでアトピーのスキンケア等にも活用されています。

ジャーマンカモミールの栽培方法を解説!

種まき:ジャーマンカモミールは種から育てる一年草です。とても細かい微細種子なので、直まきするよりも一度育苗ポットなどで育ててから、鉢か地面に植え替えするほうが成功します。咲き終えた花の「こぼれ種」が地面に落ちて育つこともあります。春まき(3~4月)と秋まき(9~10月)がありますが、秋まきの方が開花までの時間が長く株が充実するのでおすすめです。

肥料:ジャーマンカモミールは日当たりと水はけ&水もちがよい肥えた土壌を好みます。鉢植えの場合は、元肥入りの野菜培養土を使うとよいでしょう。地植えの場合は、植える1か月前までに腐葉土堆肥をすき込んでふかふかになるまで耕しておきましょう。秋まきの場合は、3月上旬にリン酸分を含む液体肥料追肥すると花がたくさんつきます。

管理:苗丈が15~20cmになったら、茎の先端を摘心すると花の収穫量が増えます。水やりは朝夕、土の乾き具合をチェックしながら、乾いたらたっぷりと与えてください。乾燥しすぎると「とう立ち」の原因になります。また、夏場は「ハダニ」という害虫がつきやすいので、鉢植えの場合は葉水を与えて防ぎましょう。

収穫:花の真ん中の黄色い部分がぷっくり膨らんできたら「収穫のサイン」です。収穫した花はさっと洗い、水切りをしてよく乾かしましょう。乾燥保存が一般的ですが、冷凍してフリーズドライするとより繊細な香りが楽しめます。完全に乾燥したら密封容器に入れて保存します。

ローマンカモミールの特徴とは?栽培方法にはどんな違いがあるの?

ローマンカモミールはキク科ローマカミツレ属の多年草のハーブです。和名は「ローマカミツレ」で、英名は「Roman Chamomile」と表記します。
少し小ぶりの、デイジーに似た白い可憐な花を咲かせます。葉は常緑で、踏んだときにリンゴのような香りが立ち上ります。草丈はジャーマンカモミールと違って低く、踏みつけに強いことから、グラウンドカバーや「香りのカーペット」としても栽培されます。

栽培ポイント:ローマンカモミールは種まきから育てず、市販の苗を購入して植え付けをします。
大きくなった親株から挿し木や株分けをして数を増やしていきます。植え付け適期は3?6月、収穫適期は6~7月とジャーマンカモミールより遅めです。花が咲き終えて花びらが落ちはじめたときが収穫のタイミングとなります。

また、ローマンカモミールは、ジャーマンカモミールに比べて苦みが強いので、お茶など飲用にはあまり向きません。ただし精油を多く含んでいるので、アロマオイルはこちらのハーブから抽出したものが多いです。主にアロマテラピーとしてリラクゼーションに利用される他、化粧水やクリームなどスキンケア、コンディショナーなどのヘアケア製品にも多用されています。

ローマンカモミールの効能はいろいろあります。主成分「アンゲリカ酸エステル」が不安やストレスなど精神面の緊張を緩和するため、睡眠障害や摂食障害にも効果があるといわれています。また、「カマズレン」という成分を多く含むため、加温性の高い精油で、炎症を抑える効果もあり、手荒れや肌荒れに効果があります。

カモミールの効能とは?特性と魅力を生かした利用法をご紹介!

カモミールの代表的な効能には次のようなものがあげられます。

1. リラックス効果、ストレス鎮静効果、安眠効果
2. 消炎作用、便秘解消、美肌効果
3. 婦人病や更年期障害の改善、生理不順や月経痛の緩和

カモミールの活用法には次のようなものがあります。

カモミールティー
ジャーマンカモミールの新鮮な花を摘み取ってお湯を注いでも、乾燥したものを茶葉として使っても、いずれも美味しいハーブティーになります。フルーティでクセがないので、蜂蜜を溶かせば小さなお子様でも飲みやすいと思います。就寝前に温めたミルクを入れて飲むと、気持ちが落ち着いて安眠効果があります。

・うがい薬
カモミールティーの残りはマウスウォッシュとしても使えます。ジャーマンカモミールには炎症効果があるので、通常のお茶よりも濃く煮出したものを室温に冷ませば、風邪の初期症状や喉の痛みがあるときのうがい薬として使えます。

・エディブルフラワー
ジャーマンカモミールの新鮮な花の部分は生食でいただけます。甘い香りとの花のような風味が楽しめますので、フレッシュサラダの彩りとしてお使いください。また、カップケーキのデコレーション、和風和え物の飾り付けにも、用途はセンス次第でいろいろと広がります。

・ハーブオイル
スキンケア用のお手製ハーブオイルを作ってみましょう。作り方は、ホホバオイル10mlに対して、ローマンカモミールのエッセンシャルオイル1-2滴を混ぜるだけです。炎症を鎮静するので、やけど跡を目立たなくする効果があります。お好みでラベンダーのエッセンシャルオイルを1滴加えると、やさしい香りで気分が安らぎますよ。また、お風呂に2~3滴たらして入浴すると肌荒れや乾燥肌の痒み止めにもなります。

・ヘアケアオイル
椿油にカモミールの精油を1-2滴たらして、シャンプー前にマッサージしてみてください。頭皮の肌荒れを抑え、髪がツヤツヤになる効果があります。また、シャンプーの後に、残ったカモミールティーをリンスとして使うとフケ止め効果があります。

いかがでしたか。こんなにも薬効効果の高いカモミールですが、妊娠中の方やキク科の植物アレルギーの方は使用を避けましょう。適切な使い方でカモミールを楽しんでくださいね!

ペンネーム:Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。

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