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ギリシャ神話の美少年の名が由来する水仙!育て方は簡単

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早春を告げる水仙は、雪の中でも春の訪れを告げることから、別名、雪中花(せっちゅうか)とも呼ばれています。
ギリシャ神話に登場する美少年の名を学名にもつ水仙は、耐久性の球根から育つ草花で、園芸の初心者でも簡単に育てることができます。
水仙の育て方で大切なポイントは日当たりと水はけのよいことです。

ギリシャ神話の美少年の名を学名にもつ水仙

ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスは、泉の水に映った自分の姿に恋をして毎日見続けていたけれど水面上の像はナルキッソスの恋にこたえてくれることはなく、恋に苦しんだナルキッソスはいつの間に水辺に咲く水仙の花になってしまったのだとか。うつむいたようなどこかはかなげな水仙の花は、あたかもナルキッソスが水辺で自分の姿を覗き込む姿のように咲いていたという伝説があります。

その伝説が由来となって、水仙の学名はNarcissus。ヒガンバナ科スイセン属の草花です。早春を告げる水仙は、開花の早いものは11月下旬、日本でよく見かける日本水仙は2月から3月、庭先でよく見かけるラッパ水仙は4月から5月中旬に咲きだします。茎は緑色で細長く菖蒲に似た葉が特徴的で、耐寒性の球根で増える草花です。

水仙は種類が豊富

水仙の原産国は地中海沿岸の地方で、水仙は原種をはじめ種類がとても豊富です。現在、英国王立園芸協会には10000種類以上の品種が登録されていますが、ラッパ状やすり鉢状に彫ったような形をした副冠と呼ばれる水仙の花弁の形、花の色、姿など、水仙ならではの観点から、この協会では13種類に水仙を分類しています。

たとえばその種類はラッパ水仙、オオバイ水仙、コバイ水仙、八重咲水仙、房咲き水仙などです。種類によって開花の時期も異なり、晩秋から春の終わりまで次々に花を咲かせ、そして夏には地上では枯れていますが、土壌では球根が休眠しています。

水仙の植え付けの季節は9月下旬~11月中旬

水仙の植え付け時期は9月下旬~11月中旬が最適な季節です。植え付けの時期が遅くなると、地温が下がり、発根が悪くなります。
植え付けの時には予め用土に暖効性化成肥料を加えておいてください。地植えの場合、10~20cm間隔で球根を植えます。
鉢植えの場合は深めの鉢を用意し、球根1個くらいの間隔をあけて植えます。芽が出たらリン酸分の多い液体肥料を与えるとより良い成長が望めます。開花後はカリ分の多い液肥、もしくは窒素、リン酸、カリウムの三要素等量の肥料を土の表面に施しておきましょう。

水仙の上手な育て方のポイントは2つ!

水仙を上手に育てるポイントは2つです。日当たりの良い場所であることと、風通しがよく水はけのよい土壌であることです。水仙は地植えでも鉢植えでも育ちます。どちらも開花までは日当たりの良い場所で育てることがまず第1のポイントです。2つ目のポイントは水はけのいい土壌で育てることです。

地植えの場合、水はけが悪い場所に植えると、株全体が腐敗してしまうことがあります。できれば砂質土の場所に植えるのがおすすめです。粘土質よりも砂質土の土壌の方が太くて元気な根がたくさんできます。鉢植えの場合は深めの鉢を用意し、通気をよくするために鉢の底に軽石やパーライトやゴロ石などの鉢底石を入れて通気性を高めます。

用土には通気性の良い砂質土を使います。たとえば市販の花草用培養土を利用する場合も、土を柔らかくして根を張りやすくするために、腐葉土や牛ふん堆肥ピートモスなどの有機物の土を、全体の土の2~3割程度加えてやり、そして暖効性化成肥料を予め混ぜて用土に使います。

地植えでも鉢植えでも上手に水仙を育てるポイントは2つ!日当たりの良い場所と水はけのよい土壌であること。これさえ押さえておけば、綺麗な水仙の花を咲かすことができます。

水やりの回数は?

花を育てるのに心配になる水やりの回数ですが、水仙はそれほど水やりに神経を使わなくても丈夫に育つ花です。
地植えのものは自然に任せておいても大丈夫です。乾燥する日が続くようなら、気づいたときにたっぷりと水を与えてください。鉢植えのものも鉢土の表面が乾いたらたっぷり水をあげるので構いません。ただ植え付けの最初はどちらの場合もたっぷり水を与えてください。

肥料は?

鉢植えの場合は用土に暖効性化成肥料を混ぜておくのでそれほど、肥料にこだわることはありませんが、発芽後に月に2回程度、窒素の少ない液肥を与えると生育の促進が促されます。窒素の多い肥料は球根が大きくなりますが腐りやすくもなるので、発芽の時には避けたい肥料です。

花の咲いた後は花がらを摘んでも葉は刈らない!

水仙は挿し木などで増えるのではなく球根から芽を出す草花です。花が枯れたあとは、球根をしっかり管理して翌年に備えましょう。まず花が咲き終わったら、日本水仙以外の種類は、丸い種子果を付けるため、速やかに花がらを摘んでしまいます。摘むときは花茎のつけ根から切り取ります。花が終わってしまうと土上には葉がなんだかだらしなく伸びていますが、刈ってしまわず、葉が完全に枯れるまでそのままの状態にしておいてください。

その理由は土中の球根が葉の養分を吸うことで大きくなるからです。花を咲かせるまでそれほど気にしなかった水やりも追肥も、花が咲き終わったあと葉だけの状態の時は、球根の生育のために窒素、カルシウム、微量要素を強化した暖効性の肥料を与え、水も施してください。鉢植えのものは葉が枯れるまで地温をあげないようにカーテンの内側などに置き、適度に日を当て、葉が枯れるまでそのままにしておくと球根がよく育ちます。

地植えの水仙は4年目には掘り起こして球根を植え替えよう

地植えの水仙は、葉が枯れてしまったら、枯れた葉を取り除き3年くらいは植えっぱなしでもその次のシーズンも綺麗に花を咲かせます。
しかし4年目には掘り上げて枯れた葉を球根から取り除いて分球してよい球根を選別し、半日陰に吊るして保存しておき、そして翌年の植え付け時期に新たに植え直してください。
鉢植えのものは毎年掘り上げて枯れた葉を丁寧に取り除き同じように保存して翌年の植え付け時期に備えます。

病気には気を付けよう

環境のポイントを押さえて球根を植え付けてしまえば、こまめに水やりしなくとも、肥料を忘れてしまっても、自然に元気に育ってくれる水仙は、園芸初心者にも簡単に育てることができる草花です。ただ球根の病気や葉の病気にはご注意ください。

水はけが悪いとかかってしまう軟腐病

水はけが悪いと球根が腐敗してしまい、ついには株全体が腐ってしまいます。
この病気に侵されるともう打つ手がありません。予防は地植えの場合なら水はけのよい場所選んで球根を植えること、また鉢植えのものは、鉢の底に通気性をよくするために鉢底石になるものを入れておくことです。
気温の高い時に発生しやすく、症状は葉が灰緑色になり、しんなりと元気がなくなります。気が付いた翌日には葉がしおれて1週間ほどで枯れてしまいます。

アブラムシが媒介するモザイク病

どんな植物にも害虫はたかりますが、水仙は4月~5月の初めにアブラムシが付きやすくなります。モザイク病はアブラムシが媒介するウイルスの病気です。
この病気も侵されると打つ手がありません。予防はアブラムシが付きやすい時期は注意してアブラムシを防御することです。オルトランなどの防虫材を土壌に撒いて予防するのも簡単な予防策です。
この病気に侵された時の症状は、葉に黄色いスジが入り、段々と葉の色が悪くなり濃いモザイクのような模様になっていき、葉が縮れてしまいます。

学名ナルキッソスに由来する水仙の花言葉

すうーとした茎の先にまるでうつむいているような姿の花を咲かせる水仙は、はかなげな様子がこれまた美しいと言われます。はかなげな様子は、学名に由来するギリシャ神話の美青年の姿から想像した様子です。泉の水面に映し出される自分に恋してしまったそんな伝説が由来して、水仙は「うぬぼれ」「自己愛」という花言葉を持っています。

種類が豊富な水仙は、種類によっても違う表現の花言葉をもっているものもあります。たとえば黄色い水仙は「もう一度愛してほしい」とか「私のもとに帰ってきて」という花言葉を持ち、ラッパ水仙は「尊敬」、「報われぬ恋」、「持って生まれた素質」などという花言葉を持っています。クチベニ水仙は「素敵な装い」などという花言葉をもっているので、お洒落な方に贈るときは最適ですね。

水仙の育て方は初心者でも簡単です

水仙の上手な育て方のポイントは2つ!日当たりの良い場所であることと、水はけのよい土壌に植え付けてあげることです。
この2つの環境下に植えてしまえば、手間をかけずに成長してくれます。環境が悪いと軟腐病にかかってしまうことがありますので、くれぐれもご注意ください。4月と5月はアブラムシに注意です。花がらを摘んでも葉は刈らずに球根の生育にあててくださいね。
園芸初心者でも上手に育てることができる水仙。ぜひ綺麗に咲かせてみてください。

監修:Toshie.s
植物の成長はあわただしい毎日を癒してくれます。ビオラが店頭に並び始める時期になると、毎年購入して寄せ植えを作っていたけれど、ある年から種を採り春に種まきして増やし続け、今では自宅で育ったビオラでクリスマスの寄せ植えを作成。種から育てた花々に植物の生命力を実感し、それが自分のパワーになっている今日この頃です。夏野菜のキュウリやトマト、冬は白菜、園芸って楽しいですよ。近年人気の多肉植物の不思議な成長にはあっぱれです。そんな園芸の楽しさを皆さんにお伝えできれば幸いです。

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