ガーデニング

クチナシを育てて白く芳しい花をたくさん咲かせて楽しむには

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クチナシ」というと、栗などをより黄色く仕上げるために使う調味料・着色料として実を使うことが多いので、木を見たことがないという方も多いのではないでしょうか。
クチナシは、つややかな葉を茂らせる、常緑の低木です。

歌謡曲に「くちなしの白い花」というフレーズがあるように、クチナシは白い花を咲かせます。
クチナシの花はとても清楚な白さを持っていて、目を引く美しさですが、それ以上に、その香りの素晴らしさは格別です。

優しく清楚な香りは、そばにいるとよく香り、それでいて香水のようにむせるようなことはありません。
暮らしを華やかな香りでも引き立たせてくれるクチナシの魅力と育て方をご紹介していきましょう。

クチナシは日本・東アジアを原産とする常緑樹

クチナシは日本・中国・台湾・インドシナなどの東アジアを原産地とする、樹高が1~2mほどにしか育たない低木の常緑樹です。
クチナシ」ではなく、学名の「ガーデニア(Gardenia)」で流通していることもあります。

濃い緑色のつややかな葉のものが一般的ですが、葉の縁周りにクリーム色や黄緑色の斑が入いる品種もあります。

クチナシ」の和名は、オレンジ色の大きめの実を花後に付けますが、熟しても裂けたり弾けたりしないために「口が無い=クチナシ」と名付けられたという説があります。

クチナシの花は梅雨の頃に咲く

クチナシは、6~7月の梅雨の頃に、純白で美しい花をいくつも咲かせてくれます。
クチナシの花は美しいだけでなく、香りがとても華やかで清々しいので、花が咲くと梅雨空を吹き飛ばしてくれるような爽やかさをもたらしてくれます。

クチナシ

クチナシは、真っ白な6枚の花びらが黄色い花芯を中心に開く、直径6cmほどもある大きな一重咲きの花をつけます。
つややかな葉っぱの中に、黄色い大きな花芯を突き出して白い花びらがいくつも広がるので、派手さはなくてもひと目を引く美しさがあり、見ごたえもあります。

ヤエクチナシ

クチナシの、八重咲きの品種「ヤエクチナシ」は庭木としても人気があります。
ヤエクチナシの花は豪華で美しいだけでなく香りも素晴らしいため、ヨーロッパでコサージュにもよく使われていました。
クチナシはあまり花持ちが良くないので、現在はあまり使われていません。

コクチナシ

「コクチナシ」は「ヒメクチナシ」ともよばれる、クチナシの矮小種です。
樹高は30~40cmと小ぶりにしか育たないのに、枝を広げるような樹形に育ちます。
花もクチナシにしては小さめの花が咲き、鉢植えや盆栽としても人気があります。
温かい地方では、横に広がる性質を生かして、グランドカバーにも用いられます。

特にコクチナシの中で、バラのような形に花開く八重咲きの品種の華やかな美しさに注目が集まっています。

クチナシはある程度日当たりの良い場所で管理して

クチナシは、日陰でも問題なく育ちますが、花数多く花を咲かせるためには、日当たりで育てるのがおすすめです。
しかし、夏場に直射日光がガンガンあたると土が乾燥しすぎてダメージを受けることがあります。
比較的日当たりはいいものの、真夏は午後からは多少日陰になるような場所を選んで育てましょう。

クチナシは、寒さに弱いので、暖地以外では鉢植えで育てるのがおすすめなので、真夏以外は日当たりの良い場所に鉢をおいて、真夏は午後から日が差し込まないところに置くか、寒冷紗などをかけて遮光するようにしましょう。

クチナシは寒さに弱いので暖地以外では防寒処理が必要

クチナシは温帯や亜熱帯に自生している植物なので、冬の寒さには弱く、東海地方以西の暖地であれば屋外でそのまま屋外で越冬も可能ですが、それ以外の地域では防寒処理が必要です。

枝をくくってビニールやわらをかぶせ、株の周りに敷き藁をしておきましょう。
ビニールには空気穴を開けておくようにします。
防寒処理をしていても、傷んだり枯れたりすることがあります。
寒冷地では庭植えではなく鉢植えで育てて、冬は室内栽培に切り替えるのがおすすめです。

鉢植えで育てている場合、冬は室内栽培するようにします。
暖地あれば、鉢植えでも屋外越冬が可能ですが、心配なときは鉢の周りにエアー・クッションを貼り、土にマルティング材を集めにかぶせておきましょう。
急激に寒くなったときは、一時的でも室内に置き場所を替えておくと安心です。

クチナシは乾きすぎないように注意して

クチナシは、乾燥に弱いので、表面の土が乾いてきたらたっぷり水やりしましょう。
夏場は、株元に敷き藁をしたり、マルティング材を厚く敷き詰めるなどして、根の乾燥を防ぐのもおすすめです。

クチナシは、水持ちの良い土に植え付けますが、粘土質の土には根付きにくいので、水はけの悪い土のときは、腐葉土バーミキュライト・パーライトなどを混ぜ込んで水はけと水持ちを改良しておきましょう。
鉢植えには、普通の培養土を使うか、赤玉土小粒に半量ほどの腐葉土をブレンドした土を使いましょう。

肥料は、花が終わったときに、お礼肥として、株元に緩効性化成肥料をまいておきましょう。
庭植えの場合は、株元を少し掘り起こして、油かすなどを埋めておくのもおすすめです。

クチナシの植え付けと植え替え

クチナシの植え付け・植え替えは、夏と冬を除けばいつでも可能ですが、春の4~5月が適期で、秋は9月までに行うようにしましょう。

水はけが悪いと根付きにくいので、庭植えするときは深植えしないで、盛り土をするように周りより少し土を盛り上げて植え付けるようにしましょう。

鉢植えの場合は根詰まりしやすいので、鉢を外して土を1/3ほど落とし、伸び過ぎた根を整理して、新しい土で一回り大きな鉢に植え付けるようにしましょう。

クチナシは春と秋に新枝が伸びて花芽をつける

クチナシは、春と秋の年2回、新しい枝が伸びていき、新しく伸びた枝の先に花芽がつくので、花が咲くのは梅雨の頃ですが、花芽は春と秋、年2回つけます。 花芽のつく時期に開きがありますが、開花は同じ時期になります。 ついた花芽が早く出来上がってしまったときは、秋にも開花してしまうことがあります。 クチナシは、花が咲き終わったらすぐに剪定をして、秋の花芽が付く前に枝を整えるようにします。 クチナシの剪定は、絡み枝や混み枝を切り落としてスッキリさせるのが基本です。 地際から勢いよく新枝「ヤゴ」が伸びてくることがありますが、早めに切り落とします。 クチナシは自然に樹形が整うので、むやみに剪定しないで先端を整えるだけにしましょう。
古くなった枝には花芽がつきにくいので、枝分かれで古い枝の方を切り落とすようにします。

剪定枝を利用して、挿し木すると1ヶ月程度で根が出てきます。
芽が伸び始めたら新しい鉢植えとして鉢上げして育てるようにしましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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