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アマリリス「カッティング」と「鱗片挿し」の方法など分かりやすく説明

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アマリリス」という名前の花を知っていますか。ユリのような大輪の花を咲かせますが、花色には赤やピンク、白などがあり、はっきりした色合いが印象的な花です。

実はこの花の名前の由来も変わっていて興味深いものです。名前の由来やこの大輪の花を咲かせる育て方をご紹介します。意外と育てやすい「アマリリス」を育ててみませんか。以前は多くの庭で見られることもあったのですが、最近はあまり見かけないような気もする花ではないでしょうか。

春に球根を植えて夏には開花するという成長の早い「アマリリス」です。4月に植えて1ヵ月後には開花というのは嬉しいですよね。最近販売されている「アマリリス」にはなんと八重咲も多いと言います。八重咲きになると少し「アマリリス」の印象とは異なってもきますが、存在感のある気品のある「アマリリス」を育ててみませんか。

「アマリリス」の花名は「羊飼い」の名前から?

南アメリカを原産とし、多年草でずっと花を咲かせてくれるのも嬉しいですね。「アマリリス Amaryllis」は旧属名で、古代ギリシャやローマの詩の羊飼いの少女「アマリリス」から取られた名前と言われています。

羊飼いの少女「アマリリス」が、同じく羊飼いの少年に恋をする話に名前が由来しています。花が好きな少年が別の花を届けてくれる少女に恋をしたため、振り向かせるために1本の矢で自分を傷つけたと言います。流れた血で美しい花を咲かせたのが「アマリリス」となったと言うことです。そのことによって2人の恋も実ったそうです。赤い印象的な「アマリリス」の花にはそんな話があったのですね。

また、学術的な名前は「ヒッペアストルム・ヒブルドゥム Hippeastrum × hybridum」と言う名前で、ギリシア語で騎士のhippeos(ヒッペオス)と星、astron(アストロン)から成り立って「ヒガンバナ科」の「ヒッペアストルム属」となっています。

歴史も古い花だということが分かりますね。小学校のリコーダー曲に昔「アマリリス」という曲がありましたが、そちらもフランス民謡として広まったものです。

「みんなで聞こう 楽しい オルゴールを ラリラリラリラ しらべは アマリリス
月の光 花園を あおく照らして ああ 夢を見てる 花々の眠りよ
フランスみやげ やさしい その音色よ ラリラリラリラ しらべは アマリリス

という歌で「アマリリス」という歌の響きからもその高貴な美しさを連想しますよね。

大輪の花が印象的な花の咲かせ方は?

育てやすいと言われている「アマリリス」ですが、注意点もあります。フランス民謡にも古くから歌われているという「アマリリス」のその魅力にあふれた花を咲かせるためには実はコツがあります。

外来種は寒さに弱く10度を下回ると育たず、夏に花が終わったら葉っぱは残し、茎の根元から切ります。多年草なのでそうすることで来年の花を咲かせるために球根を秋までに太らせます。

そして、その後は秋から冬へ向かって、寒さにあてることが花を咲かせるひとつの条件にもなります。10度以下になると葉っぱが枯れてしまうほど寒さに弱いのですが、寒さも花を咲かせる条件なのです。

秋に部屋に入れたり球根を掘りあげる?

秋に葉が枯れたらそこからは注意です。掘り上げて鉢に移して部屋で育てるか、球根を掘りあげるかになり、掘り上げた球根も5度以上で保管する必要があります。

また、もうひとつこのときに注意することは葉っぱが枯れはじめる秋からは水遣りを控え、冬には水切れ状態にすることが大事です。庭に植えている場合はほとんど水を遣らなくていい状態になります。

こうして葉っぱを完全に枯らすことで花芽を付けさせて花を咲かせます。秋に葉が枯れはじめたら、徐々に水遣りを控えめにし、冬は完全に乾かすのがコツです。一度寒さにあてて水を切って休眠状態にさせることで花芽が付くのです。

意外と簡単な育て方と言われる「アマリリス」にも花を咲かせるためのコツがいろいろとありますね。部屋のなかに入れた場合には意図的に寒さにあててやるという工夫など、手間を掛ける必要があります。

在来種のなかには寒さに強い品種がありますのでそちらから育てはじめるのも育てやすいかも知れませんね。

「アマリリス」の育て方はコツをつかんで!

「すばらしく美しい」などという花言葉もある「アマリリス」です。名前の由来の逸話や歌などを聞くと育ててみたい気持ちになりませんか。

冬の寒さの間、休眠をして栄養を球根にたくわえることで、春になって一気に短期間で印象的な大輪の花を咲かせる「アマリリス」です。切り花としても美しく一輪でもたくさん集めて飾ってもどちらもそれぞれに華やかです。

最近では花も葉っぱも雰囲気の異なるさまざまな種類の「アマリリス」が開発されています。南アメリカやヨーロッパでも人気があり、どれを育てても気品があるインパクトのある花の「アマリリス」です。貴重な品種もありますのでぜひコツをつかんで育ててみませんか。

「アマリリス」を増やす方法は不思議?

赤い花が印象的でスッとした茎から大輪の花を咲かせるのが印象的な「アマリリス」です。「アマリリス」は球根で育つ多年草と言われ、増やすことも可能です。その特徴的な増やし方をまとめてみました。

球根から増やすのにはいろいろな方法があるのですね。あらためて知ってみませんか。

球根から増やせる?

球根から増やす方法には、実はさまざまな方法があります。普通は株分けと言って球根を分けて分球する方法が一般的です。球根は自分のなかに栄養を蓄えているので、花が咲いたあとに親球のまわりに通常は子球ができて増えていく仕組みです。

2〜3年に一度は、球根を掘り起こして手で子の球根と親の球根を分けることで増やすことができるようになっています。

ただ、この方法は、球根が自然に親と子に分かれている場合の方法で、そのほかにも人が球根をナイフで切り分ける方法があります。それが「カッティング」や「鱗片挿し」という方法です。

「カッティング」と「鱗片挿し」はむずかしい?

6〜7月頃、花が咲き終わったら、球根をナイフで複数の球根に切り分けるのが「カッティング」です。この「カッティング」ではナイフや包丁で4〜16等分に球根を切り分け、それを土に挿します。

一方「鱗片挿し」は、球根の「鱗片」と呼ばれる鱗のような形状の物を挿して増やしていく方法です。例えばユリ根は食べられる根としてよく売られていますが、ユリなどの球根と同じで、一枚ずつ鱗片のようになっています。その鱗片から小球と呼ばれるものが付きますのでそれを育てていきます。

ただ、この「カッティング」や「鱗片挿し」はちょっとむずかしい方法とも言えるかも知れません。鱗片も薄く剥いでいくと内側も薄くなっていきますので、根付くのもむずかしくなります。 

それでも第二次世界大戦前は花から種を取って栽培していたものが、「カッティング」や「鱗片挿し」ができるようになったことで、球根から繁殖させられるようになったのは画期的です。このことによってたくさん増やすことが可能になったのです。

「鱗片挿し」の「鱗片」って?

ここで聞いた「鱗片」というものについて、あらためて不思議に感じられると思いますが、球根にもそれぞれに特徴があり、「アマリリス」は「鱗茎」と呼ばれるタイプと言われ、剥いで分けることができる球根となっています。代表的な植物としては、チューリップヒヤシンス・タマネギ・ニンニク・ユリなどが挙げられます。

また、球根と言えば、根が太ったものと思いがちですが、実は球根にも種類があり、「鱗茎」と呼ばれるタイプは短くなった茎に葉っぱやその一部が重なり合って球状になったものです。ひと口に球根と言ってもさまざまなものがあり、その増やし方がそれぞれに異なっていることを知ることも大事です。

実際の「カッティング」と「鱗片挿し」の方法は?

具体的に「カッティング」と「鱗片挿し」の方法をご紹介すると、

1. 大きくツヤがあって固い病気にかかっていない球根をまず選びます。そして球根の土を落としてきれいにします。

2. カットするための清潔なナイフを準備し、4〜16等分にカットします。「くし切り」という切り方で球根を頂点から切って分球します。頂点部と球根の底に必ず発根部分がそれぞれに残るように注意して切ります。

3. そのカットしたものを清潔な赤玉土ピートモスなどの用土に1〜2cm程度埋めて挿し込みます。

4. そこに水を加え、紙などで周りを囲み、涼しい日陰や室内で管理していきます。

5. 土の表面が乾いたら水をかけ、球根が緑色になってきたら周りを覆っていた紙を取り外します。

6. カットしたものや鱗片から小さな球根ができ、葉っぱが生えたら日当たりのいい場所で育てて4月頃に植え替えます。

どうしてもこの「カッティング」や「鱗片挿し」がむずかしい場合は、やはり自然に球根が分かれるのを待って株分けをするようにしましょう。

水栽培もできる「アマリリス」?

増やす方法とは異なりますが、実は「アマリリス」は、水栽培もできます。しかし、実際に水栽培をしている人のなかにはさまざまな失敗や苦労話もあり、水に浸けて球根が腐った人やカビが生えてきて慌てて球根を水洗いしたなどという人もいますので注意が必要です。

また、うまく花までは咲かせても花が大きなために茎が折れてしまったということもあり、土がないので大きな花を水だけで支えるのはなかなかむずかしいようです。

ただ水栽培は根が育っていく様子や成長が見てとれますのでその点の面白さがあり、工夫して育ててみるのも楽しそうです。

「アマリリス」の増やし方をまとめると

アマリリス」の球根は親から分球しにくいものではありますが、「カッティング」と「鱗片挿し」などさまざまな増やし方もあります。慣れてくればこのような方法を取ってみるのも面白いのではないでしょうか。どんどん自分の手によって増やすことができるようになれば楽しみにもなります。

またそれがむずかしい場合には、自然に親から子の球根ができるのを待ちます。「アマリリス」の美しい印象的な花を楽しみに増やす方法にもチャレンジしてみませんか。

アマリリスを毎年咲かせよう

アマリリスは、花径が10〜20cmもある鮮やかな色のユリのような花を、大きく伸びあがった太い茎に咲かせるインパクトのある花で、球根植物ですが種をとって種から育てることもできます。

でも、種を付けると球根が弱るので、毎年花を咲かせるには種を付けないようにして育てるのがオススメです。

アマリリスの球根はいつ買うのか、いつ植えるのか、どうやれば毎年咲かせられるのか、置き場所、水遣り、冬場の管理など、アマリリスの育て方をご紹介します。

アマリリス属ではなくなったアマリリス

南アメリカ原産で原種でも80種類以上あるといわれているアマリリスは、「ヒガンバナ科アマリリス属」に分類されていましたが、現在はそのほとんどが「ヒガンバナ科ヒぺアストラム属」に分類されています。

アマリリス属は「ベラドンナ・リリー」と1988年(昭和63年)に新種として発表された「パラディシコラ種」の2種のみになっていますが、園芸で「アマリリス」というと「ヒペアストラム属」の方を言うのが一般的です。

アマリリスの球根が出回る時期と植えごろ

アマリリスの球根がたくさん出回る時期は2〜3月で、植えてから1ヵ月半〜2ヵ月で花が咲くスピーディーな植物ですが、熱帯生まれなので寒さに非常に弱いため、が葉になってから植え付けするのがオススメです。

根のない球根の場合、花芽が先に出て、葉はそのあとに伸びてきますが、2年目以降・根のある球根の場合、葉が花芽より先に出てくるようになります。

秋に室内栽培用の、寒い時期に咲くように開花調整された鉢植え球根が販売されますが、これを育てていくと翌年はほかのアマリリス同様5〜6月ごろに開花するようになります。

品種改良によって5〜6月の初夏に咲く初夏咲き以外に、春咲き・真夏咲・秋咲品種も登場しています。

寒さに弱いので防寒を忘れずに

寒さに比較的強い品種も出てきていますが、熱帯原産なので通常は寒さに弱く、5度以下になると球根まで凍って枯れてしまうことがあります。

気温が10度を下回ると葉が枯れていくので、葉が枯れてから室内に取り込むようにします。

そんなに寒さに弱いなら、まだ温かい秋口から室内に取り込んだ方がいいと思うかも知れませんが、10度くらいの寒さにある程度の期間あてないと翌年花芽が付きにくくなります。毎年花を楽しむためには、葉が枯れてしまってから室内に取り込むようにしましょう。

植えるときは球根の頭を土の上に出して

アマリリスの球根の1/2〜1/3が土から出る状態で植えるようにします。
球根の直径より5cmほど大きいサイズの素焼きの鉢に1球ずつ植えるのがオススメですが、球根どうしの間隔を20〜30cm開けて地植にしたり、プランターに植えて育てることもできます。

土は一般の培養土で構いませんが、水はけがよい環境を好むので、鉢植えの場合は鉢底石を鉢底に厚さ1〜2cm分入れて水はけをよくしておきましょう。

地植の場合は水遣りの必要はありませんが、お住まいの地域の気候に合わせて10度を下回る前に掘りあげるかマルチングして防寒対策をするようにしましょう。

植えつけ時期はが葉になった時期に、あらかじめ湿らせた土に植えて、植え付け後10日くらいは水遣りを控えます。

アマリリスは肥料食いでも冬はいらない

球根植物は球根に開花に必要な肥料分をためているので、肥料がなくても花を咲かせることはできますが、花後にカスカスの球根になってしまいます。来年もしっかり開花できるよう栄養をたくわえてもらうよう、肥料は多めに与えましょう。

花後、葉をしっかり育てることで球根が肥え太ります。

冬は休眠するので肥料を与えないようにします。

水を遣りすぎると腐るので乾燥気味に

アマリリスは乾燥気味を好む植物なので、球根が腐るので水の遣りすぎに注意しましょう。
水遣りの基本は、表面の土がしっかり乾いたら底から水が抜けるまでたっぷりと水遣りすることです。
鉢皿に水が溜まっていることのないよう注意しましょう。

地植の場合の水遣りは必要ありませんが、乾き過ぎると球根が痛むので土がカラカラのときには適宜水遣りをしましょう。

葉が枯れた冬は休眠しているので、水遣りをしません。

日当たり好きでも真夏は半日陰に

アマリリスは日当たりを好む植物なので、日当たりのよい場所で育てるようにしますが、生育適温が20〜25度なので、真夏の直射日光は強すぎます。 葉が傷んでしまうので、真夏は半日陰で管理するようにしましょう。

アマリリスの花が咲いている期間は日当たりが十分ではない日陰でも生育に問題が出ないので、通常は暗くておけないような場所にも置くことができます。

葉をしっかりと育てるために、春〜秋にかけてなるべく日当たりのいい場所で育てるようにします。
葉を落とした休眠期の冬は日当たりの必要はありません。

花後は茎ごと・葉が枯れたら葉を切って

アマリリスの花は花径が10〜20cmもあり、色鮮やかで人目を惹きますが、開花期間が5〜10日程度と短めです。
ひとつの茎に複数の花を付けるので、しおれた花はひとつずつ摘み取り、全部しおれてしまった花後は、太く長い茎を根元から切り落としましょう。

花後は葉をしっかりと育てて翌年にも花を咲かせてくれるように球根を太らせるようにします。
葉が4枚あれば花芽が付くと言われていますが、球根がしっかり太る8枚を目指してしっかり管理していきましょう。

植え替えは根を傷めないように1〜2年ごとに

比較的肥料食いのアマリリスなので、鉢植えの場合はできれば毎年、なるべく2年ごとに植え替えをするようにしましょう。

地植の場合も、2〜3年ごとに植え替えたほうがよく育ちます。
アマリリスの根を傷めないように優しく土を落として新しい土に植え替えます。

植え替えは植えつけ適期に行い、球根の分球も同時に行います。
植えつけどきと同じように、あらかじめ湿らせておいた土に植えて、植え替え後は10日間ほど水遣りをしないようにします。

まとめ

初夏に人目を惹くユリのような豪華な花を咲かせるアマリリスは、日当たりと乾燥を好む植物なので、水を遣り過ぎないように表面の土が乾くまで水遣りをしません。

が葉になった頃が植え付けの好適期なので、球根が1/2〜1/3土から出ている状態で、あらかじめ湿らせておいた土に植え付けします。

10度くらいの気温に当てないと花芽をつけませんが、5度を下回ると球根までダメージを受けてしまうので、温度管理には注意が必要です。

アマリリスじゃないけどアマリリス属「ベラドンナ・リリー」ってどんな花?

アマリリスの原種は100種類以上あり、以前にはヒガンバナ科アマリリス属に分類されていましたが、現在のアマリリス属は、ベラドンナ・リリーとパラディシコラ種のみで、それ以外の園芸で一般的にアマリリスと呼ばれている植物は、ヒペアストルム属に移っています。

「ベラドンナ・リリー」には「本アマリリス」、「真正アマリリス」の別名があり、ヒガンバナ科アマリリス属に属して学名を「アマリリス・ベラドンナ」と言いますが、一般のアマリリスとは別の植物です。

歌にあるアマリリスもこのアマリリス属ではないアマリリスをさしていて、ベラドンナ・リリーはアマリリスとしては流通していません。
ベラドンナ・リリーがどんな花なのか、アマリリスとの違いも含めてその育て方や性質についてご紹介しましょう。

アマリリスとベラドンナ・リリー

アマリリスは南米原産ですが、ベラドンナ・リリーは南アフリカのケープタウン・喜望峰のあたりが原産地です。

一般のアマリリスよりもユリに近い花を咲かせるため、リリーと名前が付けられたようですが、ユリの仲間でも、ベラドンナの仲間でもありません。

アマリリスは初夏に咲く花ですが、ベラドンナ・リリーは8月下旬〜9月の夏の終わりに咲く花です。
ひとつの球根から1〜2本の花茎が伸びて、それぞれにユリに似た花が6〜10輪ほどの房咲きになります。

葉は花後に伸びてきて、冬の間も葉を茂らせるので、秋〜春まで水遣りが必要です。

ベラドンナ・リリーの植え付け

ベラドンナ・リリーの球根の植え付け時期は6月下旬〜8月で、球根が出回るのもこの頃なので、買ってきたらすぐに植えるようにします。

気温が25度を超えると植えても発根しないので、8月の暑い時期に植える場合は、根を乾かさないように手早く植えて、10日間程度は涼しい半日陰で管理しましょう。

乾いた根に急に水分を含ませると腐ることもあるので、あらかじめ湿らせておいた土に植え付けて表面の土が乾いてから水遣りをするようにします。

ベラドンナ・リリーは根をいじられるのを嫌うので、植え替えは鉢植えであってもあまり必要ありません。

地植やプランターに植えるときは、球根が自然に分球していくスペースを確保するために、球根どうしの間隔を30cm程度離すようにしましょう。鉢植えにする場合は、6〜7号(直径18〜21cm)の鉢に一球ずつ植えます。

球根を植える深さは地植と鉢植えで変える

ベラドンナ・リリーの球根を地植にするときは、深さ30cmくらいの植え穴を掘って堆肥と化成肥料をひとつかみ加えて土と混ぜ、球根の根に堆肥があたらないように庭土を10cm分ほど戻してから球根の頭の上に土が10cmくらいくるような深さで深植えにします。

鉢植えにするときは、球根の頭が1〜2cm程度出るように浅植えにします。水はけがよくなるように、底に鉢底石を1〜2cm程度入れておきましょう。

ベラドンナ・リリーの置き場所

ベラドンナ・リリーの自生地は、やや乾き気味の日当たりのよい草原なので、芽が出てきたら一日中よく日の当たる、日当たりの良よいところに置きましょう。 地植にする場合は、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。

寒さにそれほど強くないため霜にあたると枯れるので、霜が降りない地方であれば防寒トンネルをかけるなどの防寒対策で冬もそのまま地植えで育てられますが、根をいじられるのが嫌いなので寒冷地では冬だけ鉢上げするよりは初めから鉢で育てる方がオススメです。

霜が降りはじめるよりも前に室内に鉢を取り入れ、遅霜の心配がなくなったころにまた屋外で育てるようにしましょう。

冬でも葉っぱが出ているので、葉っぱのある時期は日当たりのよいところで管理するようにします。

ベラドンナ・リリーの休眠期

5月下旬ごろから、気温が25度を超えると葉が黄ばみはじめ、2週間くらいで葉が枯れますが、これは枯れてしまったのではなく、休眠期に入っている状態です。

休眠期では根は水分を吸収しませんが、乾き過ぎると根が傷んでしまうので、乾き気味なもののカラカラに乾かないように注意します。

逆に湿った状態にしてしまうと根が腐ってしまうので、乾き気味に、なおかつカラカラでない状態を目指します。

ベラドンナ・リリーの水遣りと肥料

ベラドンナ・リリーは根が乾燥するのを嫌うので、水はけのよい土で育てますが、水切れしないよう湿り気を絶やさないようにする必要があります。

ベラドンナ・リリーは肥料や窒素分が多い土に植えると葉っぱばかりが茂るようになるので、普通の培養土よりも赤玉土腐葉土=2:1の割合で混ぜたものを用いるのがオススメです。

肥料を加えるのであれば、緩効性化成肥料を元肥えとして少量混ぜ込むか、植え付け後に置き肥します。
追肥としては緩効性化成肥料を置き肥しますが、タイミングとしては、花後の葉の伸びはじめ、1〜2月の2回がオススメです。

鉢植えに液肥を与える場合は、月1回程度で施肥量としては十分です。

ベラドンナ・リリーの開花時期と花後

ベラドンナ・リリーはまず花茎が伸びて花が咲き、その後、葉が出てきます。

ベラドンナ・リリーは球根を植えたその年は花を咲かせないことがありますが、これは栽培に失敗したわけではないので、その翌年の花を楽しみにしましょう。

ベラドンナ・リリーの花期は花の少ない8〜9月の夏場であるだけでなく、ほかの花があまりもたない季節であるのにも関わらす、切り花としても花もちがいいという特徴があります。

ベラドンナ・リリーは房咲きするので、花がしおれてきたら一輪ずつ花殻をとり、全部枯れたら花茎を根元から切っておきます。

花後に葉が伸びてくるので、しっかりと日に当てて、葉を育てて球根に栄養分がたまるようにします。

球根が増えて手狭になるまで植え替えなしでOK

ベラドンナ・リリーは根をいじられるのを嫌うため、鉢植えであっても、分球して鉢のなかが手狭になるまで植え替えは控えましょう。

地植の場合も、あらかじめ球根の間隔を十分に開けておいて、すぐに植え替えなくてもよいようにしておくことが大事です。
また、手をかけて分球させようとしなくても自然に分球してそれぞれに育っていくので、植え替えは4〜5年ごとのロングスパンになります。

まとめ

ベラドンナ・リリーは学術名を「アマリリス・ベラドンナ」と言い、「ヒガンバナ科・アマリリス属」に分類されているのですが、一般に園芸用で「アマリリス」として流通しているアマリリスとは自生地も性質も異なっています。

ベラドンナ・リリーは、数年の間、植え替えの必要がありません。多肥も花を咲かせにくくなるので、肥料は控えめにします。

植え付け直後の年は花を咲かせないことが多いのですが、失敗したわけではありません。

植え付け時期は6月下旬〜8月で、この時期は休眠期で葉がなくなっていますが、根は生きています。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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